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★36 「・・・あれ、ないぞ!」

よろしくお願いします。


7月12日


いつもどおり西門から出発した。

・・・誰もついてきていないようだ。


副ギルド長のせいで1日は薬草探しだ。

みんな別々に薬草を探しているとすっとダリヤが近寄ってきた。


頬を赤く染めて下を向きながら、小さな声で話し出した。

「ヒロトさん、エメラルドの腕輪、ありがとうございマス。

おかげでかなり強くなりマシタ。

・・・ヒロトさんの言うこと、何でも聞きますカラ。」

珍しくしおらしいな?


昨日、俺たちが別世界から来たことを伝えたら、

「流石、ワタシです。大当たりを引きマシタ!」

って自分で自分を褒めて歓喜していたんだが。


しかし、何でもっていってもコイツはルイが好きだから、何でもできないしな・・・

「・・・仲間だからな、お互いもっと強くなろう。」


「・・・エルンストから能力をもらっているのを見まシタ。

 ワタシの能力もあげマス。」

「いや、胸に手を当てなきゃいけない。だからいいよ。ありがとう。」

「さっさと借りを返したいデス。ドウゾ!」

胸を張ったダリヤ。ぺったんこだけどな。


いいのかな?

俺は右手をゆっくりダリヤの胸に近づけた。

「恥ずかしいカラ、目を閉じてクダサイ。」


目を閉じた。よし、手のひらに全神経を集中だ!


胸に触れた。

精霊魔法よ、来い!

1・2・3、何かが来た!


よし、上へ手を滑らせるぞ。


「・・・あれ、ないぞ!」

山の麓にも頂上にも触れず素通りしてしまった右手にびっくりして、

俺は目を開けた!


ダリヤがプルプル震えながら、激怒している!

「・・・何がないんデスカ!」

スナップの効いた平手打ちを食らってしまった!


・・・新たなスキルはもらえなかった。残念。



薬草を集めるのに1日かかるので、

新しいボス部屋は1つしか行けないじゃないか!


朝から3階を歩く。3時ごろにボス部屋に着いた。

2度目だから、ゴブリンリーダー3匹とゴブリン3匹だった。

楽勝だったが、得られたものはローブだった。

やはり2度目は大したものじゃないな・・・


朝から4階を歩いたが、3階と変わりないようだ。

夕方、ボス部屋に着いた。

オーク2匹とゴブリンリーダー4匹だった。

「油断するなよ!」

「OK!」

3階と同じように戦ったが、楽勝だった。


お宝は、ダイヤモンドのイヤリングで、魔法攻撃力アップのスキルがついていた。


愛海に渡したサファイアのイヤリングと同じだな、

結菜とダリヤがキラキラした目で俺を見ている。

「結菜が付けてくれ。」

「ブー、またデスカ!私も魔法攻撃力アップしたいデス!」


結菜は自分で付け、少し恥ずかしそうにイヤリングをつけて見せてくれた。

「どうかな?」

「・・・ああ、とっても素敵だ!」

やはり痺れていた俺に、またもやダリヤの肘打ちが脇腹に炸裂した!

なぜだ!



7月15日


夕方、ギルドに魔石を持っていくと、ギルドに兵士があふれていた。

この街の兵士長までいる。


少し待っていると、ギルド長が後ろ手に縛られて出てきた。

余計な恨みを買う必要もないので、ギルド長を見ないようにする。


副ギルド長は問題なかったようだ。

「副ギルド長、大変だったな。」

「あなた方が来てから、大変なことばかりです。

まあ、いい方へ変わっているので、文句はありませんが。」

「あなたがギルド長になるのか?」

「臨時ですね。どこかのギルドから来るでしょう。」

「そうか、残念だな。魔石の換金をお願いする。」

「わかりました。」


「ところで、ダンジョンへいつ案内してくれるのですか。

私としては、ルイ達ともう一つの銅ランクパーティに同行を依頼するつもりです。

今日、明日は無理ですが早いうちにお願いしたい。」


おう、ぐいぐい来るな、副ギルド長の功績になるのか?まあいい。

「じゃあ、明後日出発でどうだ。

1階を1日探検するだけなら、2泊3日で帰って来られる。」

「意外と近いですね、わかりました。」


どうもギルド長は、ギルドの金のちょろまかし、脱税をし、暗殺者を匿い、

アウグストに強盗の指示までやっていたそうだ!

商人の護衛を裏切った「ギルタブ」を呼んだのもギルド長だ!

他にも若い女の冒険者を借金漬けにしてドレイとしたりともうメチャクチャだ。

厳罰に処されるそうだ。

結菜さんの眼力、スゴイッス。





読んでくれてありがとうございます。

評価いただければ幸いです。


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