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★3 友道結菜

よろしくお願いします。

ブックマークありがとうございます。

「ところで大林くん、眼鏡はどうしたの?」

「気が付いた?なんか見え方がおかしいなって思ったら、視力が良くなっていたみたい。

でもメガネを外すとなんか気持ち悪かったから、レンズだけ外してみたんだ。」


そのうちに、小さな川にたどり着いた。

「痛っ」

「どうしたの?」

「草で手を切っちゃった。」

右手の傷を結菜に見せた。

「少しだけど血が出ているね。絆創膏あるよ。」

「いや、それより回復魔法を試してくれないか?」

「そうだね、やってみるよ。えっと・・・」


結菜はどうやったらいいのか、一瞬考え俺の手を取った。

そして傷口に手を当てるとたちまち傷が治ってしまった。

結菜の手はすぐに引っ込められた。

「どう、どんな感じ?」

「ありがとう!痛みもなくなったし、傷跡もないな。完璧だね。」

もう少し長く手を繋いで欲しかったとは言えなかった。


少し川を遡ると岩場があった。

その岩場に、ちょうど隠れ家っぽいスペースがあったので、ここで今夜は休むことにした。


まずは、彼女の魔法を試してみないとな。

「明るいうちに魚を捕ってみよう!」

「どうやって捕るの?」

「友道さんの魔法で。川の真ん中にゴブリンの長剣を突き刺すから、

それめがけて雷魔法を使ってみて。」

「了解、全力でやってみるね。」


ドーンと雷が落ちた。・・・びっくりした。魚が20匹ほど、浮いてきた。

ヤマメやイワナの大きめを選んで捕まえた。


さっきの魔法なら、あと10発はいけるとのことだ。

結菜ってすごいな、戦ったら必ず負けそうだ。


次に、魔法がどこまで届くのか、連続で撃てるか最大の魔法で試してみた。

思ったより遠くまで届いたが、次に撃つまで1分は必要だ。

ゴブリンなら一撃で死ぬだろうが、耐えられたときは俺が守らないと・・・


無詠唱のスキルを持っているのに、何か呟いていた。

「どうやったら魔法が出来るの?」

「なんか、頭に浮かんでくるんだよ。」

「へー、そうなのか。何か呟いていたけど?」

「うん、呪を呟いたほうがやりやすいね。」

呪文じゃなくって、呪を唱えるのね、陰陽師だから・・・



日が暮れた。寒くなってきた。枯れ木等を集め、火をつけた。

魔法ってほんと便利、人差し指が着火マンになるんだぜ。

結菜は凄いよ。


火があるほうが、気分が高揚するな、やっぱり。

2人で、弁当の残りと焼き魚を食べた。


調味料がないので、魚はおいしくなかった。

空の弁当箱を眺め、母親、家族とはもう2度と会えないのかと思って泣きそうになった。


「どうやったら帰れるかな?」

結菜も家族のことを考えていたようだ。


「来たんだから帰れるハズだけど・・・

神様が呼んだのなら、神様にお願いしないとダメかな。まだ何にもわからないけど・・・」


「絶望的だね・・・」

「そうだな・・・ あっ、リンゴがあるんだ。1個ずつ食べよう。」

「・・・ありがと。」


「ごちそうさまでした。」


風向きが変わり、俺が風上、彼女が風下になったから

焚火の向かい側に座っていた結菜が俺の隣に座った。


俺はドキドキしながら話しかけた。

「なあ、さっき大体の能力を聞いたけど、詳しく教えあわないか?

能力のすり合わせをして、お互いの得意・不得意を把握して助け合おう。それで生き残ろう!」


ちょっと考えて付け加えた。

「元の世界に一緒に帰ろう!」

「うん!」

薄暗いのに笑顔がまぶしかった。


「窃盗のスキルってどんな感じ?」

結菜が尋ねてきた。

「ああ、戦闘中なら心臓のあたりにタッチすれば、相手のスキルを奪えるみたい。

狙って取れるかは分からないけど。

戦闘中でなければ3秒ほどタッチしていれば、相手のスキルをコピーするみたいだね。」


「だから、さっき、左胸を触っていたんだね?」

「うん、戦闘中に回避、殴打、索敵を奪った。」


「えっと、じゃあ、最初は窃盗だけだったってこと?ひどいね!

でもみんなから盗んじゃえばすぐに無敵になるのかな?」

「戦闘中に胸を触るって難しくない?さっきは出来たけどさ!

戦闘中じゃなくっても難しいよね。」


「胸、3秒触らせてくれる、ダメだよね?」

ダメだ!


冗談のつもりで大げさなジェスチャーをしながら言ってみたけど、完全にセクハラだ!

嫌われなかったか?

許してくれるのか?

いや、許してください!


結菜はモジモジしている!

「・・・いいよ。」

「ゴメンね、当然ダメだよね、っていいの?ホントにゃ?」

動揺して語尾がへんになってしまった。

いや、そんなことどうでもいい!


コクンと恥ずかしそうに頷く結菜。なんて可愛いんだ!

ホントにいいのか?いくぞ!


恐る恐る結菜の左胸に右手を伸ばしていく。

途中で止まってしまった。ホントにいいのか?


結菜の左手がおっかなびっくり俺の右手を掴み、膨らみの下へと誘導する。


触った、結菜の胸にさわったよ。うん、もう少し上だな?

あっ、山の裾に手が当たったよ!って感激していたら、

結菜の右手が俺のほっぺをひっぱたいた!


「痛っ!」

「あっ、ゴメン、でも成功したでしょう?何をコピーしたの?」

「あ、うん、無詠唱だね。」

・・・魔法できないのに、無詠唱ってどうなの~


「まあ、きっとレアスキルだからかな。他の奴は持っていないんだよ。」

「そうね、アハハハハ・・・」

結菜の目つきが怖い!


「ずいぶん寒くなってきたね。」

「寒いし、疲れたよな、交代で寝よう。まず1時間だけ、俺に眠らせて。

その後友道さんが6時間寝て、もう一度交替して、俺が3時間ほど寝るということで。」


ジャージを着こんで、火を背に横になった。

下が堅い!眠れるかな、コレ?

しかし、明日からどうしよう。

食べ物はあと、魚とリンゴだけだよ・・・

早く街を見つけないと・・・

米、もう食えないのかな・・・

家のベッドで眠りたいな・・・・



読んでくれてありがとうございます。

毎日18時に更新します。


評価いただければ幸いです。

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