★116 アレク
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2月10日
明け方近く、ゴブリンが矢のような形に陣形を変えた。
偵察が帰らないことから敵が近いと気づいたようだ。
早朝に1人で偵察に出かけたのだが、数は5万ほどだった。
この2・3日は増えていないのか?
陣に戻って、クランっていうかアレクに報告する。
「それはおかしいですね。
・・・そうか、別働隊か!
あと、陣形ですが、矢印の隊形で突っ込んでくれば、必ず前後が間延びします。
そのときに横撃すれば必ず勝てます!」
アレクが力強く断言した。
「いや、前後が間延びしているその時に攻撃するなんて絶対無理だろ!」
俺は現在の陣形は分かるけど、敵がどう動くかなんて分からない!無理だ!
アレクは不思議そうな顔をした。
「なんで出来ないんですか?」
「・・・お前は何故できると思うんだ?」
「頭の中でですが、空からの景色が見えています。
敵の動きは予測できますしね。えっと、もしかして見えてないんですか?」
「・・・おい、フリッツ、ボリス、見えるのか?」
「見えるわけないだろ!」
「・・・愛海、アレクに特別なスキルあるの?」
「・・・ないわね。」
マジか!コイツは戦争の天才って奴かも知れん!
アレクを本陣に連れて行き、ビュコックの爺さんを呼び出した。
「ビュコックさん、このアレクを首脳部の片隅に置いてくれ。
こいつは、空からの景色が見えているんだ。
鷹の目を持っているんだよ。
その上、敵の動きの予測もバッチリだ!
こいつの話を、こいつの作戦を聞いてやってくれ!
そうすれば勝つんだ!」
俺の必死の頼みにビュコックの爺さんは大きくうなずいた。
思い当たるフシがあるようだ。
「アレク、儂の隣にいろ。意見を儂に言うんじゃ。儂が伯爵たちを説き伏せる!」
3時間後、右翼で待機している俺たちにビュコックの爺さんからの伝令が来た。
「30分後、我が軍の中央が陣の門を開け少し後退する。
その時にゴブリンの軍が間延びするから、横撃し、そのまま通り抜けろ。
左翼にはゴブリンの別働隊が攻めかかる見込みだ。その別働隊を後ろから攻撃しろ。」
・・・敵は5万で、俺たち60人ほどだよ!
別動隊までかよ!またアレクが無茶を言いやがる、やってやるよ!
全員がその伝令の命令を聞いて、緊張と闘志が高まっていた。
この中で一番弱そうなのは・・・やっぱりスピカだな。
「スピカは伝令と一緒に本陣に行け。アレクの伝令となれ。」
「ハイ!」
ルシュクルたちは大きく頷いた。
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