★113 スプート軍
よろしくお願いします。
5日後再度の偵察から戻ってくると、スプートから30kmのところにスプートの軍が陣を張っていた。
柵を設置し、その前には堀まで作っていた。
「よう、ヒロト!」
「イワンじゃないか、なんでここにいるんだ?」
「今年になって中隊の副隊長に出世したんだ。
出世したてだから先陣だよ。しかも予備兵の中隊長としてな!
ここで手柄を立ててネヴィルより先に出世してやるよ!わはは!」
顔が引きつっているぞ。
予備兵を指揮する隊長クラスが不足しているんだな・・・
「・・・そうか、気をつけろよ。」
「ああ、中隊でまとまって行動するよ。」
イワンがスプートの上層部がいる天幕に案内してくれた。
ラウダシオン伯爵、将軍のアラマンサス子爵、その幕僚たち、ビュコックの爺さん、ギルド長などがいた。
将軍って1万人以上の指揮者って聞いていたけど、凄まじく盛っているな。
常にいるのは、千人なのにな。まあ、最前線だから許してね。
「24時間前に、ここから北北東30kmのところにいた。数は5万5千くらい。
一日に1割増えているようだ。
真っ直ぐこっちに来ているよ。」
「3万と聞いていたが・・・1日に、1割増えるのか・・・」
天幕の中が静まり返った。
「そうか、ご苦労だったな。休んでくれ。」
「ヒロト、お主の索敵の範囲はどのくらいだ?」
伯爵のねぎらいの言葉が終わるやいやな、ビュコックの爺さんが質問してきた。
さてどう答えるか?
10kmがマックスだけど内緒にしたい・・・
「2kmだよ。」
「そうか、凄いな。おかげでこれだけ準備できた。感謝している。
明後日の朝から戦うことになるだろうが、引き続き戦闘も頼む。」
伯爵はまだ、何か言いたいみたいだ。
「・・・アメリアの占いを信じてくれてありがとう。」
伯爵から心のこもったお礼の言葉をいただいた。
天幕を出てクランの元へ向かうと、妻たちが駆け寄ってきた。
「明後日の朝からゴブリン6万と戦うことになる。
状況を教えてくれ。籠城じゃないんだな?」
俺の問いに結菜が答えてくれた。
「6万・・・凄く多くなったわね。
ここで戦うわ。水利施設を壊されたり、井戸に毒を入れられる可能性があるからね。
基本的には正面は軍隊、両端を冒険者で受け持つ予定ね。
私たちが右翼、アクルックスが左翼の主将よ。
しばらくは柵と堀を使って守備に徹して、私たち冒険者が奇襲をかけてって作戦よ。
食事は1週間分用意したわ。」
「結菜と愛海の範囲魔法って、今は何匹攻撃できるんだ?」
「私は100匹で愛海は50匹よ。
クランには10個、パーティが参加できるから、もういくつか声をかけているの。
アリオトは、まだ帰ってきてないわ。
ゴブリンキングは必ずいるけど、統率のスキルを持っていることが多くて、
さらにジェネラルとは比べものにならないくらい強いらしいわよ。
あと、こんなに急激に増えるのもキングの魔法かもだって。
もしかしたら、ゴブリンエンペラーがいるかもだけど、
そのキングよりはるかに強いらしいわ。」
事前に聞きたいことを伝えていたので、テキパキと教えてくれた。
「そうか、統率ですべての魔物が能力アップしたら手強いな。
軍の能力ってどうなんだ?」
「軍隊は、小隊で固まることで武力アップ。中隊で固まることでさらに武力アップ。
大隊で固まることでさらにアップだそうよ。
うちの将軍も統率のスキルがあるらしいわ、レベルは低そうだけどね。」
「最前列の兵士ってどのくらい死ぬのかな?」
「どういうこと?」
最後の質問は妻たちの意表をついた。
「イワンが中隊の隊長として最前列で戦うんだって・・・」
「イワンが最前列で?・・・個人の感情より、この戦いに勝つことが大事よ。」
結菜が声を絞り出した。愛海もやはり心配そうだ。
勝手だが、友人が死ぬかもって思うとどうにか出来ないかと考えてしまう。
「じゃあ少し休ませてもらうよ。」
「こっちよ、ヒロト、うふふ。」
グレイスが俺をテントに案内してくれたが、
一緒に寝ようとしてつまみ出された。・・・疲れた。
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