★112 偵察
よろしくお願いします。
1月30日
今度は北東へ向けて出発して7日目の朝食後、急に寒気がしてきた。
「みんな、ここで待っていてくれ。ちょっと偵察してくる。昼までに帰る。」
索敵の範囲を10kmに広げた。
2時間全力で走ると何かの群れに気がついた!こっちに歩いて来ている!
さらに3kmほど走って、小高い丘のさらに高い木の上に登ってみた。
・・・ゴブリンだ、索敵の範囲の外までいる。どれくらいいるかな?2万は軽くいるな。
急いでキャンプ地に帰って、3万のゴブリンがこっちに向かってくると伝えた。
「3万って・・・」
みんな呆然としている。
「みんな先に帰って、伯爵とギルドに伝えてくれ。
俺は一日でどれくらい進むか確認してから帰る。」
「一人なんて危ないよ!」
「気配を消しているから大丈夫だよ。全力で走って2日ほどで追いつくから!」
ゴブリンの大群は夕方まで歩いて30kmほど進んだ。夜は休むようだ。
このあたりはスプートから300kmくらいだから、あと10日で城壁に着くな・・・
2日後、結菜たちに追いつき、さらに次の日の夕方、キャンプしようとしているフリッツたちと出会った。
あと7日で、3万以上のゴブリンが攻めてくると伝えた。
アメリアたんは、占いが当たったのに青ざめている。
「兵士は3千人しかいないのに・・・」
「じゃあ、今どこにいるか、正確な数は分からないわけですね。
ヒロトさん、もう一度、偵察をお願いします。
僕たちは今からスプートに帰ります。フリッツ、行こう!」
「鬼か、お前は!」
アレクの話に俺はキレてしまった。疲れ切っているんだよ、俺たち!
アレクは真っ直ぐな瞳で俺を正視し、ビシッと頭を下げた。
「正確な情報は何より大切です。正確な数、進んでくるルートを調べてください。
僕たちが出来ればいいんですが、ヒロトさんにしか出来ません。お願いします!」
チクショウ、正しすぎて反論できない!
「・・・今からたっぷり寝て、それから偵察に行くよ。」
「がんばれよ。」
お気楽にウォルターが声をかけてきた。
「お前はアレクと一緒に夜を徹して帰れ。お前が伯爵に説明しろ!」
俺の指示に、ウォルターが悲鳴を上げた。
「俺は体力ないから無理だ!」
「非常時くらい無理をしろ!アレク、フリッツ、ボリス、ウォルター、走れ!ポロッカは・・・」
ポロッカは毛を逆立てていた。
「猫人は長い距離走るとか無理!寝ないで走るとかもっと無理!」
「・・・俺たちは今から寝る。ポロッカとアメリアたんは見張りをしていてくれ。」
フリッツが用意していたテントに倒れ込んだ。
夜中の2時に目が覚めた。熟睡しすぎて、索敵していなかったかも。
愛海とアメリアたんが見張りをしていた。
ポロッカは寝てしまったようだ。
「ありがとう、見張りをしてくれて。飯を食べたら偵察に行ってくるよ。
みんなは、朝になったら帰ってくれ。」
「ヒロトさん、3万以上のゴブリンを相手に勝てるでしょうか?」
アメリアたんは不安そうだ。
女の子の不安は取り除かなければ!
にっこりと笑って余裕ぶってゆっくりと話した。
「この前、兵は訓練が厳しくなったってぼやいていたよ。
伯爵は予定していなかった予備兵の訓練をしていたよな。
周辺の土地を調べて、城壁も直していたし。
ちょっと敵が多いけど、戦略や戦術を検討する時間もできたし、きっと大丈夫だよ。
それは奴らを早く発見出来たからで君のおかげだ。
誇っていい功績だよ。」
「ありがとうございます。でも大群を発見したのはポラリスの功績ですよ。」
アメリアたんはすこし微笑んでくれた。
「じゃあ、お互い様だな。明日は早いし、もう寝なよ。」
「ハイ、お休みなさい。」
うーん、癒やされるな!
「ヒロト、やけにアメリアさんに優しいわね?」
「・・・イツモドオリデスヨ。」
「冗談よ、本当に気をつけて行ってね。」
愛海が俺の手を握って、心配そうに言ってくれた。
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