★109 結婚相手
よろしくお願いします。
ギルドでネメアーの獅子退治の賞金をもらったので家に帰ろうとしたら、
アメリアたんが決然と声を挙げた。
「ヒロトさん、ユウナさん、アレク、一緒に私の父に会ってください!」
おう、なんで俺まで会わないといけないんだ〜
「ヒロト、行ってらっしゃい!頑張ってね!」
俺の心の叫びを無視して、愛海が俺に声をかけた。
伯爵は俺たちの顔を見て、イヤそうな顔をした。
そりゃ可愛い娘が、どこかの馬の骨に取られそうだからしょうがないけど・・・
「お父様、話があります。
私は自分が結婚する相手は自分で決めたいのです。
このアレクと結婚したいのです。許していただけないでしょうか?」
「許すわけがないだろう!お前はサンカーディン伯爵家に嫁ぐことが決まっている!
お前も了解していただろう!今頃何を言っている!」
「私の幸せは彼とともにあります。私を不幸にしたいのですか?」
伯爵は激怒しているが、アメリアたんは堂々と自分の希望を言った。
大恋愛しても別れることはよくあることらしいけど・・・
天才少年が凡人で終わることはよくあることらしいけど・・・
貴女にとっては王子様でも貴女の家族にとっては詐欺師ってよくあることらしいけど・・・
そんなこと言えない、言えないわ!
伯爵可愛い可愛い娘のわがままに困り切っている!
「冒険者などと結婚しても苦労ばかりだ。わからないのか?」
「彼はただの冒険者ではありません。今回の獅子退治では名案を思いつきました。
強いだけではなく、知恵や優しさも持っています。
もっともっと強くなりますし、いずれこの国にとても重要な人となるでしょう!」
「・・・それは占いの結果か?願望だろう!」
「願望ですが、アレクは駆け上がりますよね、ヒロトさん!」
おう、キラーパスが飛んできたよ!
「・・・アレクは、たいしたものです。
冒険者としてどんどん成長していますし、高潔な人格は尊敬に値します。」
「サンカーディン伯爵家へはどうする?お前たち責任取れるのか?」
当然、取れないので黙り込んでしまった。
「伯爵様は、アメリア様が占星術師であることをどう思われていますか?
極めて珍しい職業だとアメリア様は仰っておられましたが・・・」
結菜の質問に伯爵が不機嫌そうに答えた。
「占いの結果を信用したからこそ、親元を離れカラカスに行かせたのではないか!」
「アメリア様、直近の占いの結果を教えてください。」
結菜の問いにアメリアたんが答えた。
「いつもどおり「強くなりなさい。」です。」
「つまり占いの結果は、新しいことをしなさいではなく、
まだこのスプートでやるべきことがあるということではないでしょうか?
結婚するとアメリア様は王都に住まわれますよね?
結婚した後、この街に危機が訪れるという占いの結果がでれば、いかがでしょう?
あなた様が占いの結果を知るのは1ヶ月以上後ですね・・・」
伯爵の不機嫌そうな顔が一変した。
「どのような危機なのだ?」
「さあ、今はまだわからないから、強くなりなさいってことでしょうね。
ゴブリンの大群が襲ってくるとか、魔王の幹部が襲ってくるとか、
私たちのクランがすごい宝物を見つけるかもしれませんね。」
「いや、しかしそんな理由で・・・」
「私も今のアレクでは、アメリア様にふさわしくないと思います。
ただ、占いの結果を信頼するならば、しばらくはダンジョン攻略を続ける方がよいと思います。
しかし、これはご家族で考えるべき問題でしょう。
ヒロト、アレク、お暇しましょう。」
さすが結菜さん、伯爵様を怒らせずに再考させることに誘導しちゃったよ!
「ヒロト、もしアメリアがサンカーディン伯爵家に嫁ぐなら、この街を出て行くわよ!」
「ハイ!」
怒ってる、怒ってる。
だけど、自分はいやだといえば俺を独占できたのに、辛抱してくれたんだよな・・・
「結菜、ありがとう。」
「?どういたしまして。」
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