栓
年末年始は実家に帰省してました。
で、今回の帰省では雪が凄かった。すごかったんです。そういうイメージですよね。あとはまあ、あれだ・・・私は実家に帰省する際、特に知り合いとか学生時代の友人等々に連絡しないんです。理由はなんていうかな、気恥ずかしいとか、そう言うのかな。多分。それにあっちだって家族いるし、家庭を持ってる人だっているし。
だからまあそんな訳で、年末年始は何することも無く実家で気兼ねなく過ごしたわけです。毎日温泉行ったり、映画観たり、お酒飲んだり、箱根駅伝観たりして。
「一生ここにいるときっとストレスだけど、たまの帰省はあれだな、楽園だな」
そんな感じで、石油ストーブの温かいご飯が出てくる実家でぬくぬくと何も考えずに過ごしていたもんだから、すっかりあれですね。我が身を顧みることもしなくて。
先日、久方ぶりに鏡を見たらすごい長い太い鼻毛が出てました。鼻から。右鼻穴から。
なんていうの?実家で過ごした際の欲って言うか、煩悩って言うか、大晦日の除夜の鐘で払ってもなおまだ千も万も億も兆も存在する私の中の煩悩。煩悩懊悩の塊。
それが形となったような、そんな鼻毛が鼻から出てました。あとずっとマスクもしてたからさ、ほんと全然わからなかった。鼻毛。全然気が付かなった。鼻毛。鼻と口の間になんか犬とか猫の顔の濡れてる所みたいな空間あるでしょう?その鼻毛、そのエリアまで伸びてました。口まで届く勢いで伸びてました。夏の朝顔みたいに。鼻毛。朝顔の蔓みたいに。鼻毛。
で、そんな鼻毛を見つけて、で、まず叫びそうになったけど、でも事を大きくして騒ぎになるのも困ると思って、ぐっとこらえて。で、抜いたんです。すぐ抜いたんです。抜けました。すぐ抜けました。長い分ね、掴める空間もあったから。鼻毛。だからすぐ抜いたらすぐ抜けたんです。部屋に落ちてたら陰毛と勘違いされそうな鼻毛でした。驚きの?驚きの鼻毛。ゲーハナ。
無事に抜けてよかったなと思いました。ほっとしました。
でも、
それから鼻が不調になってしまったんです。
というのも鼻水が止まらなくなってしまったんです。鼻水もそうだし、あと鼻の中がずっとむずむずするんです。ずっとこよりを入れられてるみたいな感じで。だからくしゃみも出るし。
で、その時思ったんです。思ったって言うか分かったって言うか、確信めいた感情。良く出来た小説や映画にあるみたいな、
「あの時のあれはあれだったのか」
みたいなそんな確信。
あの鼻毛、ゲーハナは栓だったんだ。
そう思ったんですね。
栓という例えがしっくりこないんであれば、それをあるエリアのボス猫としてもいいです。ボス猫がいたおかげで平穏が保たれていたその場所。でもボス猫がいなくなった。するとどうなるか?新たなボス猫を決める戦い。あるいは選挙でもいい。ガースーが辞任した後にダーキシになるにあたって、それなりにあーだーこーだあったでしょう?選挙に詳しくない素人でも、そういう想像は容易でしょう?それです。
私の鼻の中でそれが起こったんですね。鼻の栓が抜けたばっかりに。抜いたばっかりに。新たな栓を決める戦いみたいなもの。
辛い。
とめどなく(大河)鼻水が出るのも辛いし、ずっとむずむず(気持ちが途切れる)するのも辛い。こよりをずっと入れられてる(ずっと他人といるみたいな感じがストレス)感じも辛いし。くしゃみだってそんなにしてると、今の時期オミクロンとかあるからさ。オミクロンだと疑われて、差別的な目に合うのも嫌だし。
「お願いします」
という訳で、取り急ぎ流れ星にお願いしました。なろうの童話祭の時期だったって言うのもありまして、
「よしもう流れ星にお願いしてみるか」
という脳内環境になるのにそれほど時間はかかりませんでした。
だから、流れ星にお願いしました。
「今のこの状況を何とかしてください」
って。
そしたら次の日、起きたら鼻から筆みたいなのが生えてた。
赤ちゃんの筆みたいな。胎毛で作った筆みたいなの。胎毛筆みたいなの。
だからいっその事それで筆作ろうかなって思った。
で、柄とか箱とか、黒檀にしてもらって実家に送ったら喜んでくれんじゃないかな。意外と。もしかしたら。
「孫生まれたのか?」
とかって、言われて喜ばれるんじゃないかな。
で、
「コロナが怖いから今は連れて帰れないけど」
とか言っておけば、しばらくは騙せるんじゃないかな?
どうだろか?親孝行という事で一つ。
あと2万円から3万円くらいするらしいけど。筆作るのって。特に黒檀は髙いみたいだけど。
でも、親孝行という事で一つ。
あとあれだ、
流れ星この野郎。