読み取り
ある時、洗礼式の為のドレスを新調する為に、採寸に訪れた洋裁職人の見習い少女から、視線を感じてうっかり目を合わせてしまったのよ!
すると、その人の【思考】と言うグラフが頭の中に浮かんできたの。
喜:10%
怒:20%
哀:40%
楽:30%
何か少し悲しい事があって、仕事で気が紛れている……と言うところかしら?
私の寸法を計り終えた女性が、巻き尺を渡していた。
メモをしていた見習いの方は、真剣に最終チェックをしている様子。
メイドさんがドレスを着せてくれている時に、二人の会話が聞こえたわ。
「もう少し、お嬢様にも気をお配りなさい。いつもの、明るい笑顔はどうしたのです? 何かあったのですか?」
「チーフの考えに至りませんでした。お許し下さい。大切な物を手放したばかりで、忘れようと仕事に集中しておりました」
「それでも、お嬢様はまだお小さいのですから、年の近いお前が、気にかけて緊張をほぐして差し上げるべきでしょう」
「はい。チーフ」
答え合わせのような話しに、ムーは、フラグが立った気がしたわ。
エリュミラード君は、学校が忙しくなってしまい、塔に来るのは夕方から夜になってしまったの。
だから、お手紙を置いておくのよ。
何回かに一回は返事が置いてあって、ムーには、それが今一番の楽しみになっているわ。
だって、ムーの可愛い声を聴きたいとか書いてあるのよ。
うふふ。エリュミラード君に飼われるのもいいかなあ。と、妄想がふくらむわ。