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そして……
そうして、差し出された薄緑色の液体は……。
「これを君に」
ムーは素直に飲んだ。
と言うか、初めての結婚の申し込みに喉が渇いただけだった。
良くわからずに飲みほしてから咳き込んだ。
「ムキョ! 酸っぱ」
「ごめん。コレじゃないんだね?」
「とっても酸っぱいわ。いったい何を入れた物なの?」
「ムーが言ってたメロンジュース……コレじゃないんだね……」
『シュンとするなんて狡いわ』
いつも素敵な騎士がそうすれば、恋する乙女はギャップ萌えしてしまう。
でも一番は、『メロンジュース』を覚えてくれていた事だった。
「紳士に申し込んだつもりだったのに……ガッカリさせてしまったよね?」
『ああ、もう!』
「ううん、小さな頃の約束を覚えていてくれて凄く嬉しい」
「本当に?」
「ん」
「じゃぁ、結婚してくれるね?」
「はい」
「やったあ!」
小柄なムーは、エリュミラードに抱き上げられてブンブン振り回されてしまったとさ。




