表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
41/46

執拗に

 闇夜に紛れて塔を出たわ。


 ところが、追ってくる者が二組もいるのよ。


 どうやら、今度の能力は、聴力が異常に良くなるみたいで、遠くの音も意識すると聴こえるのよ。


 そうか、あの塔で上がる能力って五感だったんだわ!


 ゼラニーが盛った毒もすぐに吐き出したものね。


 などと考えている場合じゃない。


 当然、テナーにも聴こえている筈よ。


 「敵と味方みたいだけど、どちらも殿下と言っているわよ?」


 「わかっている」


 足早に移動するテナーに、ムーちゃんは駆け足になったわ。


 「いざというときは、殿()()だけお逃げ下さいね」


 無視されてしまった。


 殿下ではないの?


 鈍いムーにもやっと読めたわ。


 皇太子様は、行方不明になっていたのね。


 それも、誰かに執拗に命を狙われているから、助けも呼べないし誰も信用出来なかったのだわ。


 一連の言動や行動がピッタリ填まって、ああ、この推理も能力のお陰かもしれないと思ったのよ。


 それなら、家もドーンと補償してもらいましょう。


 その為には、無事に殿下を送り届けなければならないわ。


 追っ手の二組は、時々牽制しながら迫ってくるので、こちらも気が抜けない。


 でも、追いつかれないのは、塔を持って来たからなのよ。


 この見えない塔で安心して休養して、それで、外とは時間の流れが違うから、五倍速く動けるんですもの。


 本当、殿下は私を選択して良かったのじゃないかしら。


 今なら、幸運の女神認定に頷ける気がするもの。


 「あと少しだから、気を抜かないでくれ」


 「ええ、わかりました」


 ただ、最後まで打ち明けてはくれなかった事で、ムーの中ではテナーはただの知り合いだったわね。


 皇太子様となると、本当に遠い人だわ。


 スパイ見習いにまでスキルが上がっていたから、体力が向上して注意力も上がっている。


 そこで、考えられるのは待ち伏せされている可能性だわ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ