先生の家
先生のお家には、旦那様のジャコフさんと、長男のジャミル(四才)君、次男のパチェス(二才)君、それから何人かの見習いの方が働いているみたい。
長男のジャミル君は、先生に似ていて栗色の髪をした愛らしい子で、パチェス君は、赤茶けた髪をした甘えん坊さんです。
先生は、女の子を出産されて、まだ名前は決まってないみたい。
ジャミルさんのご両親が訪ねてくる予定になっていて、ご両親につけてもらうみたいなのよ。
きっと赤ちゃんも、祖父母から愛されてスクスク育っていくのね。
幸せのお裾分けをされて、こんな時なのにムーもホワホワした気分になってしまったの。
先生を元気にする為に、ムーは一所懸命料理を作ったわ。
パチェスが淋しがって、先生を休ませてくれないから、困ったりしたけど、ジャミル君が面倒をみてくれて、さすが先生の息子だわと感心したのよ。
そんな感じで一週間が過ぎてしまって、ムーはもう少し居る事に決めたの。
だって、必要とされてとても居心地がいいのよ。
でもね、そんな楽しい時間はあっという間に過ぎて、ジャコフさんの祖父母が来てからは、ムーは邪魔になったのよ。
そんな事言わないし、ジャコフ君もパチェス君も、ムーになついてくれたけど、こじんまりした家だからね。
それで、ムーは家に帰る事にしたの。
そうしたら、予定通り戻らないムーを心配したレプトが馬車を手配してくれて、迎えを寄越してくれたのよ。
なんだか、レプトはムーの執事みたいと思いながら、先生のお家を後にしたの。




