あっという間
ムーは、一所懸命縫ったのよ。
場所によっては、ワンポイントししゅうしたり、大胆に開けて裏から別の美しい布を見せたりしていたのよ。
だって、布でも糸でもボタン(木)でも、様々な質や素材が取り揃えられていて、使わないなんて勿体ないもの。
検品しているスノマールさんも、特に何も言わなかったので、注意しながら進めたのよ。
ある朝声をかけられて、ムーは、ボタンつけになったの。
その時も、ちゃんとスノマールさんの目を見たのよ。
信頼度 10 青
貢献度 30 緑
期待度 60 黄
スノマールさんの思考がこう変わっていたわ。
と、言う事は、概ね繕い物は評価が高かったのかな?
ホッと胸を撫で下ろして、ボタンつけに取り掛かったのよ。
今度は、似ているボタンを見つけたり全部取り替えたりと、なかなか判断が難しい。
ムーは、少し欠けたボタンの反対側をまた削って、でんぷん質をつけながら綺麗な糸を巻いてカラフルにしたり溝を掘ったり、時には、一つだけアクセントにしたりしたわ。
よほど派手でない限り、返ってはこなかったわね。
そのうち、商業職人の方を手伝わされるようになって、今まで行った事のない、東側の棟に足を運ぶはめになってしまった。
男の人達の中で、ムーはやっていけるのかしら?
不安で一杯になる。
でも、外で働くつもりなら、これぐらいで尻込みしていたら駄目よね。
気合いを入れて向かうムーだった。




