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花嫁修業対決

 それからは、当然注意を受けて散々でした。


 くすん。


 大公公爵様がいらして、話しを聞いてしまわれたから、後日、花嫁修業対決になりましたの。


 それはそれは楽しそうにお決めになったのよ。


 ムーは、一所懸命ムイムイしたのに。


 対決の内容は、婦女子の嗜み。刺繍でも絵画でも得意な物で良いらしいわ。


 それから、お料理ね。


 あとは、簡単な筆記試験みたい。


 まるで、免許取得みたいで嫌になっちゃう。


 そうしたら、大公公爵様が「どちらが、エリュミラードに相応しいかな?」と、おっしゃったのよ!


 私としては、ペットとして飼ってくれるなら、別にユリアナ様に花嫁の座は譲るのに。


 でも、一緒に行ったレモングラス先生が、とてもやる気になってしまわれて、いったいどうしたらいいのかしら。



 ▽



 あっという間に当日になりました。


 大公公爵様と隣りには、エメラルドグリーンの瞳の美しいピエナ姫様と優しそうなその旦那様。そして、何故かエリュミラード様までいらしていたわ。


 他には、ユリアナ様のご両親の伯爵様夫妻に、レモングラス先生。


 正直、あとは知らない。


 ユリアナ様は、大公公爵様の前に出るととても緊張して、挨拶を噛んでしまっていたわ。


 ムーは、仕方ないから普通に挨拶したの。


 その時の大公公爵様と、エリュミラード様とレモングラス先生がとても驚いた顔をされて、それが楽しかったから、とびきりの笑顔が出来たと思うのよ。


 どうしてムーが緊張しないかと言うと、こういう物はきっと、身分で決まると思っていたから、早く終わる事だけを目指しましょうと考えていたからよ。


 それだから、難癖をつけられて揉めて遅くなるなんて論外。きちんと挨拶して、スムーズに済ませてしまわないとね。


 あの時の神官様が審判をされるみたいだわ。


 最初の婦女子の嗜みは、嫌と言う程作ったカゴを作る事にしてあるの。


 用意されたテーブルの上で作業開始。


 木の皮をなめした物で大きく編んでしまい、レースや布を通してリボンで飾り、可愛いツマミ布で作った花もあしらって出来上がり。


 ユリアナ様は、美しい布に丁寧に刺繍をしているみたいで、とても時間がかかっていたわ。


 ムーのは、出来上がりの品をヒソヒソと大公公爵様とピエナ姫が相談していたようよ。


 やっと、出来上がったハンカチを、ユリアナ様の執事が恭しく大公公爵様に捧げていたわ。

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