成長中!?
こんにちは、オムレツです
話でおかしな所や、分かりにくいところがありましたらドンドン教えてください┏●
では、この話より男の娘要素を出していきますので、どぞ。
「ウ~ン」
ちょうど昼下がりの頃
ユーテシアは1人、鏡の前で唸っていた。
「ウ〜ン、どう見ても女の子?にしか見えないですよねー」
ユーテシアがこの世界に生まれて5年の月日が経過した。今日が5歳の誕生日という事もあり、ユーテシアはいつもと違った服装をしようかと考えていたのだが、、、
「うがー男物の服が絶望的に似合わないとはどーいう事ですかー!」
ユーテシアは、1人で鏡に向かって憤慨する
そう、ユーテシアの容姿は、母親譲りの絹のような銀の髪は前髪は目の少し上に切り揃えられており、後ろ髪は肩ぐらいに切り揃えられている。さらに、シュッとした鼻、ぱっちりとした目、プックリとした唇という、もはやお人形と間違えてもおかしくないレベルの美少女?なのだ。
「確かに、前世で男の娘は何よりも大好きでしたが、、、
やっぱり、自分が成るのとは訳が違いますよ、、、」
そう言いユーテシアは鏡の前で沈み込む。
ユーテシアがこの5年間で変わったのは美少女のような容姿だけでなく、言葉遣いや振る舞いなども境也だった頃に比べ劇的に変わっていた。
ユーテシアが言葉を流暢に話せるようになったのは、ユーテシアが3歳の頃だった。
当初はもっと砕けた言葉で話し、一人称も『俺』だったが、言葉遣いはメイブに目ざとく注意され丁寧語となり、一人称にいたってはなんとクレアに泣かれたのだ。「ユティちゃんがグレたぁ〜」と泣かれ、1時間にも及ぶ大号泣耐久レースの結果『ボク』という一人称に落ち着いたのだった。
立ち居振る舞いや感情の起伏などは、本人は気づいてないが体の幼さに引っ張られるように少し幼くなり、子供っぽい部分が見え隠れするようになった。
「ユティちゃ~ん?大きな声出してどうしたの?」
未だ鏡の前に座り込んでいるユーテシアにクレアが不思議そうに首を傾げながら問いかける。
「い、いえ。何もありませんよ母様」
クレアは少し納得してないような顔だったが、本題を思い出したのか嬉しそうに話を切り出してきた。
「じゃあじゃあ、今暇?」
「はい、確かに今やることは特にありませんが、、」
ユーテシアはなにか思い当たる事があるのか、少し警戒した顔をするがクレアはそんなことお構い無しにユーテシアの手を引いた。
「じゃあ来てきてー♪」
「ちょっ!母様!?」
そんなこんなでユーテシアはクレアの部屋に連れてこられた。
そして、クレアはクローゼットに掛けてある1着の白のワンピースを取ってユーテシアの前に嬉しそうに見せながら言った。
「ねぇねぇ♪今日の誕生日会、これ着ない?」
ユーテシアは「わかってました」と言わんばかりの顔で言った。
「はぁ~母様。
何度もいってますがボクは男の子ですよ?」
ユーテシア少し諦め気味に言うが、、
「もちろん。わかってるわよ?
ユティちゃんはユティちゃんよねぇ~♪」
ユーテシアは内心「会話が成立しないだと!?」と戦慄していると。
「それに、さっきユティちゃん男の子のお服が似合わない~って嘆いてたでしょう?」
ユーテシアは少し恥ずかしそうに顔を赤く染めながら尋ねた。
「み、見てたんですか!?」
「うふふ~」
そんな頬に手を当てて微笑んでるクレアを見て、ユーテシアは抵抗するのを諦めた。
「わかりました、わかりましたよぉ
仕方なく、誕生日に普段着というのも味気ないですから
仕方なく着るんですよ?」
ユーテシアは言い訳じみたことをしつつ、クレアからワンピースを受け取り袖を通した。
「ど、どうですか?」
ユーテシアは少し俯き気味に尋ねた。
「、、、、、、か」
「母様?どうしたんですか?」
ユーテシアはクレアの様子を不思議に思い、意図せず上目遣いで覗き込むとクレアが急に抱きついてきた。
「かわいい~!!さすが私の娘だわ~
夜なべして作ったかいがあったわ!」
ユーテシアは、クレアに急に抱きつかれたことに驚きながら言った。
「わぷっ!か、母様!?
今さりげなく娘って言いませんでしたか!?」
「そ、そんなことないわよ~
さて、私はお料理の仕上げをしてこなくちゃ
じゃあ、ユティちゃんもうちょっと待っててねー」
クレアは目をそらし足早にキッチンに戻っていった。
「逃げた!?もー仕方ないですね母様は」
ユーテシアは文句を言いつつもワンピースを着たまま待っていると。
「ユティちゃ~ん?準備できたわよー」
「はーい。今行きますー」
クレアに呼ばれユーテシアがリビングに行くと部屋は豪華に飾られており、沢山の卵料理が並んでいた。
「おぉーー!!
こんなにも卵料理が!!ここは天国ですか!?」
ユーテシアが大興奮で喜んでいると、メイブが微笑みながら言った
「今日は、ユーテシア様の誕生日ですので奥様と一緒に出来るだけの卵料理を作らして頂きました」
それを聞くやいなやユーテシアはクレアに飛び込むように抱き着いた。
「母様!ありがとうございます!大好きです!」
ユーテシアに抱き着かれクレアは嬉しそうに顔を緩めた。
「うふふ。私も大好きよユティ〜」
「ユーテシア様?奥様だけですか?」
メイブは少し悪戯っぽくユーテシアに言った。
「もちろん。メイブも大好きです!」
そう言ってユーテシアはメイブに抱き着いた。その2人を羨ましそうに見ていたブレイブが割り込んできた。
「俺も!俺も飾り付け頑張ったぞ!」
そんな様子がおかしかったのか、ユーテシアは少し笑いながらブレイブに抱き着いた。
「父様もありがとうございます!父様の事も大好きですよ!」
ブレイブはユーテシアに抱き着かれ嬉しそうに言った。
「ユティは本当に可愛いな〜
クレアの小さい頃にそっくりだ!」
ユーテシアは抱き着いたまま首だけ上げ尋ねた。
「父様は母様の幼馴染みなんですよね?」
「そうだぞー
クレアとは5歳からの知り合いで、俺が冒険者を辞めて王国騎士になった時もクレアは一緒に付いてきてくれたんだ」
そう、実はボクの父様は、王国に仕える騎士団の団長を務めていたらしいのだ。メイブに聞いた話によると風属性の魔法を交えた剣術はかなり有名で『疾風の騎士』とまで呼ばれていたそうだ。
あと、母様も国に仕える治癒魔道士をしていたらしく、一部では『銀の女神』と呼ばれる程優秀な魔道士だったらしい。
「でもボクが生まれる前に母様も父様も辞めてしまわれたのですよね?」
ユーテシアがそう尋ねると
「そうだな。
俺もクレアもずっと国を守るために仕えてきたが、もっと大切で守りたいものができたからな。
2人で話し合って、騎士もやめて、ユティがのびのび暮らせるように王都からここに移動してきたんだ」
ブレイブはどこか懐かしむように話した。
「でも、本当にやめてしまってよかったのですか?後悔とかはしてないですか?」
そうユーテシアが尋ねると、ブレイブは一瞬キョトンとしすぐに笑いながら、そして誇らしそうにいった。
「後悔なんて全くしてないよ。国を大事に思う気持ちはまだあるけど、それ以上にユティと過ごす日々はすごく楽しくて、今が人生の中で一番充実してるって胸を張って言えるよ」
「そうよ、私たちはユティちゃんと一緒にいるのが一番の幸せなのよ」
ユーテシアは2人のまっすぐな愛情に対し少し照れながらいった。
「ボクも!ボクも今すっごく幸せです!」
「ユティが私たちと同じ風に思ってくれて嬉しいわ。
さぁせっかくの料理が冷めてしまうわ。席につきましょう」
クレアがそういうと皆、席につき各々が好きなものもを取り分け食べ始めた。
食事が始まり約1時間が経過した頃にクレアが思い出したかのように話を切り出した。
「そうだ!ユティへのプレゼント渡さないと!」
クレアは少し席を外すと『魔法教本』と書かれた本と、15cmほどの杖を持ってきた。
「はい!ユティちゃん。
これは私から、魔法の教科書と杖をあげるね!ユティもついに5歳になったから約束どおり明日から魔法教えてあげるね」
ユーテシアは満面の笑みでそれらを受け取った。
「母様ありがとうございます!」
ユーテシアは約3歳の時にクレアに魔法と剣術を学びたいといっていたのだが、まだ体が未成熟ということで5歳まではゆっくり過ごすと約束していたのだった。ユーテシアはこの時を今か今かと待ち望んでいたのだった。
「俺からは、これをやるよ。あと俺も明日から稽古つけてやるからなー」
ブレイブはそういいながら木剣と籠手を渡した。
それに続くようにメイブも何冊かの教材を渡した。
「私からは、此方の教材を差し上げます」
ユーテシアはもらったプレゼントを大事そうに抱きながら言った。
「母様、父様、メイブ、本当にありがとうございます!
ボクこれから頑張りますね!」
その日グレイス家は夜まで楽しそうな声に満ちていた。
読んでいただきありがとうございます
いかがだったでしょうか?
今回は少し長めになっています。
次回よりついに魔法と剣術をもっと表に出していきます