表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結】ブラック職場のヘタレがひとり美女に囲まれなぜか戦場に  作者: のらしろ
サクラ旅団の始動

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

44/338

ヘタレで悪かったな

「以上、報告を終わります」

 旅団司令部にて、アプリコットがレイラ中佐に、索敵、ジャングル内の捜査および少女サリーの保護についての報告を、要領よく済ませたところであった。


「蒼草少尉からは、今の報告について、何か補足するところはありますか?」


「いいえ、ありません。

 彼女の報告は、要点をよくまとめられており、それ以上の報告はありません」


「分かりました、あとで、書面にて報告書を提出してください。

 別命があるまで、基地内にて待機を命じます。

 解散して構いません」


 やっと、レイラ中佐から解放されたので、アプリコットと二人で司令部から退出した。


「俺は、サリーの様子を見に行くけど、マーリンさんはどうします?」


「少尉、そのマーリンと呼ぶのはやめてください。

 軍の規律が乱れます。

 メーリカ軍曹に対しても、きちんと階級などで呼んでください。

 お願いします」


「どうにも、慣れなくて、なかなかマーリンさんの要望には答えられないが、おいおい頑張ってみるよ。

 それで、これからどうします?

 別に命令ではないので自由にして構わないが。

 無理して、一緒に来る必要はないけど」


「彼女は、風呂に向かったんですよね。

 また、覗きですか。

 少尉を一人にすると何するか分かりませんから、ご一緒します。

 覗きはさせませんが」


「する訳無いだろ。

 君は、俺のことを完全に誤解している。

 いろいろ、嬉しい、違った、不幸な事故はあったのは否定しないが」


「少尉」


「ま~、そんなに怒らないで、どちらにしても、サリー一人を風呂に入れていたのだろ。

 もう上がっているよ。

 俺が向かうのは、救護所のセリーヌさんの所だよ。

 サリーの様子を聞きたくて。

 で、どうする?」


「ご一緒させていただきます」


 司令部の廊下を歩きながら、いろいろ誤解しているアプリコットの認識を変えるべく、説得??を試みたが、どうにも効果が上がっていないようだ。

 これからも、諦めず、頑張っていこうと心に決めた。


 その頃、司令部では、レイラ中佐が、無線で、帝都にいるサクラ大佐と話し込んでいた。

 時折、こめかみを押さえながら、厳しい顔をして、唸り込んでいるのが、周りにいる幕僚たちに印象づけられていた。

 今は、カオスだった司令部が落ち着いているが、これは単純に人が大方出払っているためであり、みんなが戻ってきたら、これまで以上のカオスが訪れることは容易に予想され、残っているメンバー全員が、戦々恐々としている。


 俺たちが、救護所のある建家に入ると、すぐに衛生小隊長のセリーヌ准尉に出会った。

 すかさず、彼女を捕まえ、サリーの様子を伺った。


 彼女が言うには、サリーは殊の外元気になってきたようで、しばらく休ませたら、すぐに元の健康な状態まで回復するそうだった。


 その後すぐに、セリーヌ准尉から、質問を受けた。

「蒼草少尉、どこかで医療関係の仕事でもしていたのでしょうか?

 報告書を読ませていただき、捕虜の時も感心しましたが、サリーの時の応急措置は、見事でした。

 そのおかげで、回復も早かったように思えます」


「別に、医療関係の仕事はしたことはないよ。

 学生時代に、学校で応急措置の講義をいくつか聞いたくらいだった。

 あとは、いろいろ耳に入る雑学からかな」


「それは、それは。

 私、捕虜の扱いに関して、サクラ旅団長から質問されたのですよ。

 いくら捕虜といっても、いきなり裸にしていいはずがありませんから、蒼草少尉は捕虜を虐待していたのでは?と、旅団長たちが疑っていたようでした。

 でも、今のお答えだけで完全に納得したわけではないのですが、蒼草少尉が応急措置の知識を持っていたことは理解できました。

 私が、旅団長たちにお答えした内容に誤りがなくてよかった」


「聞くのが怖いのですが、セリーヌさんはどのようにお答えしてくださったのでしょうか?」


「低体温で意識までなくなっている人は、できるだけ速やかに体温を上げなくてはなりません。

 少尉の行った行為は、女性としては、いろいろ思うところもありますが、一刻の猶予もない状態ならば、あの行為は理にかなったものだと説明しました。

 実際に、帝国の冬山での訓練等で、時々ある、低体温の兵士たちも、服を脱がせ、お湯につける治療を私自身が手伝ったこともありますから。

 もっとも、患者さんたちは皆男性でしたが」


「いろいろ、ご迷惑と、私の名誉を守って頂きありがとうございました。

 あの時は、必死でしたので、あれしか思いつかなかったものですから。


 それより、サリーの様子は、先ほどの説明では問題なさそうですね。

 面会できますか?」


「状態は、問題ありません。

 しかし、与えた薬の影響からか、今、救護所のベッドで寝ています。

 面会は、彼女が起きるまで、待ってください」


「分かりました。

 次の食事時にでも会いに来ます」


「そうですね、それがいいでしょ。

 起きたら彼女に、少尉が会いに来たことを伝えときますね」


「よろしくお願いします」


 といって、我々は、救護所を出た。

 アプリコットは、俺とセリーヌさんとの会話を聴いて、少し、彼女の持っていた誤解が解けたような表情をしていた。


「少尉、すみませんでした。

 あの時の行為は、医療行為だったのですね。

 私、誤解していました」


 急に謝ってきたので、俺はどうして良いものかわからなくなって、

「誤解が解けて何よりだ。

 今思うと、うら若き女性たちだ、もう少し、何らかの配慮があっても良かったかも。

 でも、本当に、あれしか思いつかなかったから、しょうがない。



 正直、やましい気持ちが全くなかったかと言うと、自信がないのもある。

 方法としては選択肢がなかったが、役得だと思ったのも事実だ」


 言わなくてもいいものを、最後に余計なことまで話して、尊敬の眼差しを向けていた、アプリコットが、また、いつもの冷たい目を向けてきた。


 フン、どうせ俺は『ヘタレ』だよ。

 急に美人から持ち上げられると、どうしようもなくなるのだから、しょうがないだろ。

『ヘタレ』で悪かったな!フン!








ここまでお読みいただきありがとうございます

感想、評価、ブックマークを頂けたら幸いです

また、誤字脱字、不適切表現などありましたらご指摘ください。

作文する上で、参考になりますし、何より励みになります。

よろしくお願いします。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ