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【完結】ブラック職場のヘタレがひとり美女に囲まれなぜか戦場に  作者: のらしろ
新生 蒼草中隊 始動す

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蒼草中隊への出動命令

 俺の中隊が発足して新兵が配属されてから、かれこれ1週間が経った。

 この1週間はほとんど代わり映えしない生活が続いていた。

 平和な時間だとも言えるが、時々メーリカさんからは、なんで服務経験が1年以上の兵たちに新兵訓練をさせなければならんのか、との愚痴を聞かされた。

 彼女たちも今では整列がきちんとできるようになり、どうにか行進も見られるレベルにまでなってきたのだ……オイオイ1週間も掛かって行進しかできなかったのかよ、と言いたくなってきた。

 君たちこれまでの軍人として何をしてきたの? とじっくり問いたいが、時間の無駄なのでそのまま訓練を山猫さんたちに任せている……苦労をかけて申し訳ない。


 今では交代で例の訓練施設を使っての訓練に入っている。

 残りは、営舎の建設をやらせている。

 当然彼女たちだけでは何もできないし、危なっかしくて見ていられないので元の部下たちが彼女たちの面倒を見ている。……こちらも面倒をおかけしてごめんなさい。


 そんな俺らの様子を師団司令部に詰めている幕僚たちがちょくちょく確認しに来る。

 サクラ閣下がしびれをきらしているのだとか。

 要は早くジャングルに入って仕事をしろよお前らって感じらしい。


 部下の訓練の様子を見て何も言わずに帰っていくのだからプレッシャーは感じるが、俺としても言えることはない。


 営舎の建設は何も俺らだけではなく旧花園連隊の皆さんも手分けして行っていた。

 こっちも徐々にではあるが新兵を中心に配属されているようだ。

 なので現場では一緒に作業することも多く、今では俺が現場の総監督のような位置づけで建設現場の調整を行っているのだ。


 外交官のアンリさんから文句が出ないかって? ……それは大丈夫なのだ。

 これに関しては俺自身を褒めてやりたい。

 最初こそ不満をぶつけてこられたが、俺らが今後ジャングル内を移動するときにもついてくるようなので、アプリコットと一緒に例の訓練施設で訓練をしてもらっているのだ。

 もともと幼少の頃からの知り合いだったのかアプリコットと仲良く一緒にいるようだ。


 今の基地全体の様子はとにかく騒がしいの一言だ。

 サクラ閣下が初めてこの基地に赴任してきた当時もかなり慌ただしかったそうだが、今ではそれ以上に騒々しい。

 とにかく施設が足りないので建設ラッシュが始まっているのだ。

 それもおやっさん率いる工兵隊の主力を欠いてだ。

 本来ならば素人工事でとんでもないことになっているはずなのだが、以前にやったこともあり問題なく工事は続いているのだ。


 ではおやっさんたちはどこに行ったかって? ……おやっさんは殿下から直々の命令で旧場外発着場の拡張とそれに伴う関連施設の工事に加え、飛行場に併設して連隊の駐屯地も作るのだとかで俺以上にとんでもないことになっている。


 本当にここはブラックの見本市みたいに仕事が途切れない場所だな。

 軍隊なんか戦闘がなければ、それこそ日がな一日訓練でもしていればそれ以外は暇なはずじゃなかったっけ(すみませんこれは筆者の偏見です。)

 大体工兵でもなければ工事なんか早々やらないはずなのだが、ここではそれが本業のように工事仕事が舞い込んでくる。

 絶対におかしな職場だ。


 俺がここで愚痴ってもしょうがないか。

 仕事がひっきりなしに舞い込んでくるんだよ。

 ヤレ木材が足らないとか、場所が邪魔だからここでないところで作り直せとかといった調整作業がそれこそ立て続けに舞い込んでくる。

 なので忙しそうに現場を走り回っていたら、今日は珍しくアプリコットが俺のところにやってきた。


「中尉、サクラ閣下がお呼です。

 私と一緒に出頭してください」

「へ?

 何で、まだとてもじゃないが俺の隊は外には出せないぞ」

「わかっていますが、至急呼んで来いとの命令ですので四の五の言わずに行きますよ」


「分かりましたよ。

 シバ中尉、俺閣下に呼ばれたので現場を頼みます~」

「わかった。

 任されたから行っておいで」

「ありがとうございます」


 俺はアプリコットに引きずられるように師団司令部の置かれている建家に向かった。


 司令部建家の最上階で一番日当たりの良い場所にある師団長室に通されサクラ閣下と対面している。

 本当にここは場違いなくらい立派な部屋だな。

 最も調度品は情けないがそれもしょうがないか。

 ほとんどの物が前の連隊長が置いていった物の再利用なのだからってそんなことはどうでもいいか。


「急に呼び出してすみませんね、蒼草中尉」

「いえ、構いません……が、私の隊はまだ使い物にはなりませんよ」

 俺は早速予防線を張って構えた。


「あなた方の部隊の様子はよく理解しております。

 とてもじゃないが軍隊とは呼べるレベルにないことは理解をしています……が、あいにく敵は待ってくれなかったようなのですよ」

「は???

 どういうことなのでしょうか?」

 するといつものようにサクラ閣下の横でレイラ大佐が解説をしてくれた。


 先ほど帝都から情報が入り、また敵がジャングル内で精力的に活動を開始したというのだ。

 ジャングル内で少なくともこのあたりの警戒を強化しなければならないのだが、この基地では動かせる部隊などひとつも存在しない。


 なので、いつものように面倒事は蒼草へという感じで命令が下された。


 『直ぐにジャングルに行って警戒せよ』


 そんなの無理じゃん……ってダダをこねたら、行ける人だけ連れてでも行けと無理やりケツを叩かれた。


 本当に勘弁して欲しい。


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