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【完結】ブラック職場のヘタレがひとり美女に囲まれなぜか戦場に  作者: のらしろ
新生 蒼草中隊 始動す

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蒼草中隊の全員

 今回で、新生蒼草中隊の全員が揃いました。

 この先どのように展開していきますことやら、どうぞ本編をお楽しみください。

 とりあえず、今日の作業員の全員が集まったところで、俺はいつものように全員で体操を始めさせた。


「「「「え???え?」」」」

 当然のように、海軍の陸戦小隊の皆さんは、不思議そうな顔をしていたが、そこは優秀な皆さんだ、上官の命令に素早く反応して体操を始める。


 しかし、やはり新たに回されてきた新兵の40名は、ただオドオドするばかりで、なかなか体操ができない。

 彼らも一応は帝都で訓練を受けてきた身だが、俺らが実施しているようなことは慣れていないようだ。


 おかしい、訓練では必ず体をほぐす意味でも体操はなされているはずなのだが、どうしてできないのだ。


「やっぱりね~~」

 メーリカさんが納得したように声を上げていた。

「メーリカさん、どういうことなの?」

「だって、彼らは、今日の場合、作業を言いつかって集まったのでしょう。

 なので、なんでいきなり体操をさせるか分からないのよ。

 訓練では、体操から始めるけれど、今日は訓練じゃないもの。


 いつもと違うことに、順応できていないのよ。

 あの子達も最初は一緒だったから、こうなることは予測の範囲よ。

 いいわ、任せてください」


 と言って、メーリカさんは、体操を中断させて、彼らを昔の仲間だった新兵たちとペアを組ませた。

 その上で、俺のやり方に慣れている彼女たちに、ペアの新人君たちの面倒を見させることにした。


 そうすると、今まで全体の動きがぎこちなかったのが、どうにか動き出してきた。


 ヤレヤレ、体操ひとつから躓くとは、今日の作業は安全には特に気を付けないといけないな。


 どうにか体操を終わらせた後、一旦全員を集め、集会を始めた。

 今日の作業内容を細かく説明し、作業するごとにグループを分け、グループごとに作業監督者を決め、その上で、今度はグループごとに集会をさせて、特に安全面で徹底させた。


 その上で、もう一度全員を集め、最後に標語を唱えて、作業に当たらせた。

 標語とはあの『安全第一』ってやつだ。


 慣れていない連中も多かったのだが、作業慣れしているのが、多数いる上に、今まで何回もやっていた作業なので、作業に入ったら、一応使えるレベルで、作業が進んでいく。

 見ていると途中ハラハラさせられることも多数あったが、慣れている人が、その都度指導していくので、怪我や事故はなく、今日の作業を終えた。


 今日の締めくくりに、もう一度全員を集め、今日の作業の総括をしたあと、解散させた。


 解散後に海軍陸戦隊のケート少尉が俺に話しかけてきた。

「驚きました。

 工兵でもない私たちでも営舎を作ることが出来るのですね。

 勉強になります」

 俺に対する誤解からか、俺のことを尊敬でもするような態度で話しかけてきた。

「私の隊ではあんなことばかりやっていたものだから、新兵たちが自分たちの兵科を誤解していたくらいでした。

 本当は、一般の兵科の連中にやらせていいものか分かりませんが、ここでは自分たちの住むところが無いものだからしょうがなかったんです。

 野営する時や、塹壕などを作る時には一般の兵科でも作業をするのだから、自分たちの寝床を用意させる意味でも作らせたのが始まりなんですよ。

 副官に言わせると、ここは何もかも異常だそうです。

 申し訳ないのですが、俺の隊にいる間は、こんな作業が多くなりますが、お付き合いください」

「ご心配は無用に願います。

 私どもは、隊長の命令に全力を持ってお答えする所存です。

 うちの大隊長からもしっかり学んで大きく成長して来いとも言われておりますから、これからもご指導をお願いします」


 なんだかな~~、と思いながら俺らは、まだ詰所がないので、今まで使っていた元『喫茶サリーのおうち』に向かっていた。


 しばらく歩いていると、司令部建家の付近が騒がしくなっていることに気がついた。


「マーリンさん、アレなんだろう?」

「さ~、なんでしょうね。

 私どもは何も聞かされておりませんが、新たな部隊でも到着したのでしょうか」

「あ~、そういうのだったら納得ができるね。

 ならば、関係ないよね。

 今は、自分たちの住処をどうにかしないといけないから、余計なことには首を挟まないようにしていようね。

 この基地では、藪をつつかないでも蛇しか出てこないから、できる限り司令部には近づかないようにね」


 俺は、後ろからついてくる副官のアプリコットに話しかけていたら、その横を歩いていたジーナが、

「隊長、そうもいかないようですね。

 レイラ中佐が、あ、師団長閣下もいらっしゃるようですが、こちらに向かってきていますね。

 その後ろに中隊を率いておりますが、なんとなく嫌な予感しかしませんよ」

「ジーナ准尉、俺も同感だ。

 ひょっとしなくとも、後ろの中隊ってやつは、俺のところに配属される連中だろう」


 俺たちは歩くのをやめてその場で待機した。


 サクラ閣下たちが近づいてくると、アプリコットやジーナだけでなく、彼女たちの同期である准尉二人も一斉に声を上げた。

「「「「あ、先輩。

 メリル先輩だ」」」」


 どうも、彼女たちの士官学校時代の先輩も一緒にここに来たようだ。

 彼女たちの様子を見る限り、あの先輩という人は彼女たちからすると学生時代の憧れの存在だったような気がする。


 すぐに俺らの前にサクラ閣下たちが到着した。

 俺らは一斉にその場にて敬礼をした。

「閣下、わざわざここまでお越しにならなくとも呼び出していただけたら直ぐに参りますのに、恐縮です」

「蒼草中尉、心にもないことを言わなくてもいいわよ。

 それに、ついでですから気にしないでいいわ」

「ハ、ありがとうございます。

 して、ご要件は何でありますか」


「前に話していた兵士が先程ここに到着して、今受け入れたばかりなのよ。

 ちょうどあなた方が見えたので、そのまま配属まで済ませようかと、ここに連れてきています」

 そのあとをレイラ中佐が受けて、

「下士官がいませんが、兵士200名と少尉1名をあなたの部隊に編入させます。

 アプリコット少尉、これが命令書と名簿です」

 と言ってアプリコットにちょっとしたノートくらいの書類の束を渡してきた。

「あなた方も知っているように、この基地は人材がことごとく不足しております。

 非常に心苦しくもありますが、200名の兵士に一人しか士官を割けなくて申し訳なく思っております。

 しかし、我々には、ゆっくりする贅沢を許されてはおりません。

 直ぐに、中隊の編成に取り掛かってください。

 中隊の編成内容は書類にて司令部に報告すること。

 期限は……そう~ね~、今日を入れて3日は待ちましょう。

 明後日の午後5時までに司令部に提出すること。

 いいわね」


 オイオイ、また無理難題を吹っかけてきたな。

 どうせまともにできそうにないなら、そのまま編成しちまおう。


「ハ、了解しました。

 蒼草は直ちに中隊の編成かかります」

「あ、ちょっとまってね。

 メリル少尉、あなたも蒼草中尉の中隊に配属されますから、ここで、ご挨拶しなさい」

「ハイ、蒼草中尉、本日付をもちまして蒼草中尉率いる中隊に配属されましたメリル・ファーガソンといいます。

 少尉です。

 中尉の副官をしておりますアプリコット少尉たちとは一年上で士官学校卒業しており、中尉の隊ではメーリカ准尉を除きますと士官全員を学生時代から面識があります。

 また、中尉のご活躍は宮中にいた頃からお聞きしております。

 よろしくお願いします」

 と言って敬礼をしてきた。

「あ~、ハイハイ。

 こちらこそよろしくね」

「相変わらず、あなたは締まらない挨拶をするのね。

 ま~いいわ。

 補足して説明するけど、彼女は、ジーナたちの一級上の卒業生で、彼女はその時代の主席でした。

 とても優秀なので、異例ではありましたが、卒業と同時に宮中駐在武官補の見習いとして皇太子府担当をしていたところを殿下の計らいで今回こちらに転属してきたのよ。

 彼女にとっては不本意かも知れないけれども、私たちにとってはこれ以上ないくらいの人材の補強なのよ。

 でもね、今回の人事についてはね、これ以上あなたに暴走させるわけにはいかないから、私たちも泣く泣くあなたに預けることにしたのよ。

 アプリコットやジーナたちはとてもよくやってくれていたけれども、あなたの部隊も大きくなってきたこともあって、あなたの(たずな)としての働きは力不足を痛感していたの。そこで本当に遺憾ながら、あなたのところに配属させることにしたわ。

 アプリコット少尉とジーナ准尉、メリル少尉とよく協力して、くれぐれも中尉の暴走だけはこれ以上させないでね。

 あなた方にはそれ以外の重要事項はありませんから。

 よろしくね」

 とサクラ閣下はそのまま本音をぶつけてきたぞ。

 それにしても酷くはないかね。

 大体俺の成果だと言われていた物のほとんどがサクラ閣下の命令からだよ。


 しかし、今までこの基地にいた連中は、『何を今更』って感じでサクラ閣下の愚痴ともつかない話を聞き流していたが、当の本人であるメリル少尉と海軍から来ているケート少尉には驚きであったようで、非常にびっくりとした顔をしていた。

 『帝国の新たな英雄に対して、今やレジェンドとなりつつある英雄サクラ閣下が何やらとんでもないことを言っている』って感じに受け取っていた。

 なので、俺の最初の仕事は決まった。

 彼女たちの誤解を解く作業からだ。

 しかし……先が思いやられそうだ。


 

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