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時ノ糸~絆~  作者: 汐野悠翔
第1幕 京編

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20/141

静から動へ

小次郎が藤原の屋敷を離れ、早いもので一ヶ月程の時が流れた。

あの後、髪の短い変わり者の姫の噂はあっと言う間に京の街中へ広まった。

噂の結果、藤原の屋敷は変わり者の姫の姿を見ようと訪れる、野次馬の群れでに日々賑わっていた。

そしてそれが今日は一段と騒がしい。



――と言うのも、京を賑やかせる“変わり者の姫”こと千紗が、ついに今日、裳着の儀を迎えるからだ。

慌ただしく屋敷の女中達が準備に動き回る中、姫の護衛である秋成は、いつもの如く屋敷警護の任に就きながら、野次馬が群がる竹で組まれた垣根近くで、いつもと違う屋敷の賑やかな様子を静かに見守っていた。



「秋成~!」



するとそこに突然、どこからともなく聞き慣れた声で、秋成の名を呼ぶ声が掛かった。



「っ?! おまっっ千紗?! 何でこんな所に??! 裳着の準備は??」

「じっとしているのが退屈で、抜け出して来たぞ」



秋成が驚き、声を上げるその後ろで、集まっていた野次馬達も、お目当てであった“変わり者の姫”の登場に、ザワザワと騒ぎ出す。



「あれが噂の姫か。噂通りヘンテコな髪型だ」

「あれで本当に女子おなごなのか? 家柄だけ立派でも、あのみてくれでは裳着をしたところで嫁の貰い手など見つかるまいて」

「たとえ家柄がよくてもなぁ、やはり嫁にするなら美人が良い。ブスなど口説く気にもならないよなぁ」



屋敷の外、塀の向こう側から聞こえてくるのは、クスクスと馬鹿にしたような笑い声と“変わり者の姫”を蔑む言葉の数々。

だが当の本人は、野次馬達の笑い声や蔑みの言葉など全く気にした様子はなく、彼女もまた呆れ顔で野次馬達に対する蔑みの言葉を口にしていた。



「全く……毎日毎日飽きもせずによく人が集まるの。よほど皆、暇をしているのかの?」

「なら大人しく部屋にいろよ。お前が出てくるから野次馬が集まるんだろ」

「嫌じゃ! 部屋に閉じこもってばかりいては息がつまる。じっとしているのは妾の性に合わんのじゃ! それに今日は子供でいられる最後の日。これから更に息の詰まるような日々が続くのだから、最後に目一杯自由を満喫しておかねばなるまいて」

「……お前、今からそんな調子で、この先本当にやって行けるのか?」

「うむ。既に挫折しそうじゃ。貴族とは、ほんにつまらん生き物よの」

「………はぁ」



“変わり者の姫”こと千紗の、相変わらずな様子に秋成からは深い溜息が漏れた。

本当に今日、この姫君は成人するのか? 成人などお転婆姫である千紗にできるのだろうか? 結局今までと変わりなく、彼女は自由に京の町を駆けずり、彼女の我が儘に振り回され続けているのではないだろうか?

容易に想像つく、そんな未来を想像して秋成は再び盛大な溜息を漏らした。






そんな二人の元に、慌てた様子で駆け寄って、会話に割り込んでくる者が。



「姫様~! 千紗姫様~~!! やっと見つけましたよ。この大事な日にお部屋を抜け出されるなど、貴方様は一体何をなされているのですか! さぁ早くお部屋にお戻り下さい、お父上様がカンカンになって怒っていらっしゃいますよ」

「キヨ。むむむ……もう見つかってしまったか。」



主であるはずの千紗に、何の物怖じもせず説教するこの女性は、千紗姫と仲が良い侍女のキヨだ。

千紗とは一回り近く歳が離れているものの、何かと面倒見の良い性格から、千紗もキヨには本当の姉のように懐いている。

そんなキヨの後ろにはもう一人、見慣れない侍女の姿もあった。

ちょこちょこと、まるで金魚のふんの如く、キヨの後ろをくっついて走ってくるその人物に、秋成は驚いたように大声を上げた。


「あぁ! お前はっ、盗賊の仲間だった」

「ヒナじゃ。ヒナは先日から侍女見習いとして、キヨと共に正式に妾の側仕えになったのじゃ」



秋成の驚きの声に、冷静な声で諭す千紗。

千紗からの紹介に、秋成は眉を潜めた。



「侍女見習い? こいつが?」



秋成から向けられる冷たい視線に恐怖を感じているのか、小さく震えていたヒナは、キヨの着物を握りしめ彼女の背中へとそっと隠れた。



「こ~ら秋成、ヒナをイジメるでないぞ。ただでさえお主は、女子おなごに刀を突き付け怯えさせた前科があるのだからな」

「別に、イジメてるわけじゃ……それにあれはお前を助けようとして」

「何があろうと女子(おなご)に刀を向けてはならぬ!」

「ぁ~ぁ~ぁあああ~~~分かったよ! 何もかも俺が全部悪いんだな!! ったく、お前はいつもいつも……」



自分のせいで、言い争いを初める二人に、責任を感じたのかヒナは、キヨの背中からこっそり顔を覗かせ二人の様子を盗み見た。

瞬間、ムスッと不機嫌そうな秋成と視線が重なって――

蛇に睨まれた蛙のように固まって動けなくなったヒナ。


明らかに怯えてウルウルと瞳を滲ませている少女の様子に、秋成はポリポリと頭をかきながら小さく溜息を付くと、目の前に立つ千紗の脇をすっと通り抜けて、一歩二歩とヒナの元へ歩みを進めた。

そしてキヨの背中にしがみつき、硬直したままブルブルと震える彼女の側にしゃがみ込み、怯えるヒナの頭に手を伸ばす。



「……悪かったな。もう何もしないから、そんなに怯えないでくれ」



ヒナにしか聞こえないくらい小さな声で、謝罪の言葉を口にすると、秋成は彼女頭をポンポンと優しい手つきで撫でてやる。



「…………」



突然の事に、それまで固まって動けなかったはずのヒナが、側にしゃがむ秋成へと自ら視線を下ろした。

そうして再び視線が重なった時、ヒナの顔は一瞬にして赤く染まる。


何とも怪しい二人の空気感。

少し離れた位置に立つ千紗も、その急に漂い始めたなんとも言えない甘酸っぱい空気感に気が付いたのか、

「ん~?」と首を傾げながら口を挟む。


「お主達、いつまでそうやって見つめ合っているつもりだ?」

「っ?!」


千紗からの問い掛けに、はっと我に返ったヒナは、パッと秋成から視線を反らすと、恥ずかしそうに握りしめていたキヨの着物へと顔を埋めた。



「……はぁ」



彼女の反応に、やはりまだ怖がられているのかと今日何度目かの溜息を漏らした秋成は、ゆっくり立ち上がるなり千紗やヒナ、キヨ達に背を向け、そのままの進行方向へと歩みを進めて行ってしまう。



「待て秋成。どこへ行くのだ?」

「仕事だよ、仕事。お前がこんな所に出て来たせいで、騒ぎ出した野次馬連中を追い払ってこないと。お前も、いつまでもこんな所で馬鹿やってないで、さっさと部屋へ戻れよ。これ以上俺の仕事を増やさない為にもな」



秋成を呼び止めた千紗に、彼女の方を一度も振り返らないままそれだけ言い残すと、秋成は千紗達の元を去って行った。



「…………相変わらず、憎たらしい奴だな秋成は。一言嫌味を付け加えねば気が済まぬのか」



ムスッとした顔で秋成を見送りながら、ぽつりと不満を呟く千紗。

だが直ぐその後で、視線をヒナへと移すと今度は優しい口調でこう声を掛けた。



「ヒナも、またあやつにイジメられるような事があれば妾に申せ。妾が必ずそなたを守ってやるからな」

「………」



千紗なりの、優しさのつもりで掛けた言葉……だったのだが今のヒナには千紗の声が聞こえていないのか、どこか呆けた様子でじ~っと秋成の背中を見つめたまま、いつまで待ってもヒナから、掛けた言葉に関する返事がされる事はなかった。

いつまでもいつまでも、秋成の姿が見えなくなるその時まで、秋成を見つ続けるヒナ。

そんな彼女の頬が、やはりどこか赤らんでいるように見えて、千紗は不思議そうに首を傾げ続けていた。



「ふふふ、皆様若くて微笑ましいですね」

ただ一人、キヨだけが全てを理解しているのかのようにクスクスと小さな笑いを零しながら、優しい眼差しで三人を見守っていたのだった。







そして実はもう一人、屋敷の外からも千紗達の様子にじっと熱い視線を送り、見守り続けている人物の姿があったのだが――



「御門……そろそろ」

「ああ、分かっておる。牛車を出せ」



この時はまだ誰も、“彼”が千紗に向け送っていた視線に気付く者はいなかった。



供の者に牛車を引かれ、車が揺れ始めてもまだ、千紗に向けた視線は揺らぐ事はなく、“彼”の視線はいつまでもいつまでも藤原の屋敷を捉え続けていた。

藤原の屋敷が見えなくなるその時まで――



「あぁ、千紗姫様……髪が短くなり、確かに見た目は変わられたけれど、天真爛漫に輝く姿はあの頃のまま。あの方の、あの真っ直ぐな瞳に、私は心奪われた。あと少し……あと少しであの方は、我のものに――」




***




その後、藤原の屋敷を離れた牛車は、千紗達が暮らすこの都“平安京へいあんきょう”の中枢であり、宮城きゅうじょうである大内裏だいだいり、その正門にあたる朱雀門すざくもんへと入って行く。


四方をぐるぐると、高く聳える築地塀ついじべいに囲まれた見た目からも分かるように、ここ大内裏は強固な守りで固められ、出入り口に東西南北併せて14カ所の門が存在するが、それら全ての門に警護の人間が配置されている。

ここに入る事が許されているのは、位を与えられた高貴な貴族達だけ。

貴族達は、与えられた役職に応じて与えられた仕事をしに大内裏へと通う。

大内裏とはいわば、貴族達の職場だ。


更に大内裏の中には、内裏だいりと呼ばれる天皇の住まいが存在し、内裏の中には、更に位の高い、ごく限られた貴族しか入る事が許されてはいない。

平安京の中でも特に神聖で、崇高な場所。それが内裏。

その内裏へと続く今度は建礼門けんれいもん承明門しょうめいもんを潜って牛車は内裏の中へと進んで行く。





時を同じくしてその頃、内裏内では――

千紗の父であり、摂政の位を賜る忠平が、今は亡き前天皇、醍醐帝だいごていの妃である隠子やすこに呼び出され面会していた。



「兄上様」

「はっ!」


隠子に呼ばれ、緊張した面持ちで返事をする忠平。

“兄上”と呼ばれているように、隠子と忠平は、兄妹の関係だ。

それなのに何故忠平は緊張しているのか?それは、ここに呼ばれた理由にわけがあった。



「今日は兄上の娘、千紗姫の祝いの日でしたね。後ほど伯母として宴の席に出席させて頂きますね」

「ははぁ。皇太后こうたいごう様自らおいで頂けるとは、娘もきっと……」



御簾向こうにいる妹へ深々と頭を下げながら、相変わらずの緊張した様子で感謝の言葉を述べようとした忠平。だが隠子は、兄の畏まった言葉に待ちきれなくなった様子で強引に遮った。



「兄上、この場には私と兄上しかいないのです。兄妹の間に堅苦しい挨拶など不要ですよ。ところで兄上、千紗姫が裳着を済ませると言う事は先日の話、了承を頂いたと解釈しても宜しいのでしょうか?」



隠子の期待に満ちた問い掛けに、ビクッと大きく肩を振るわせる忠平。



「それは……誠に申し訳ないのですが、我が娘千紗はとてもお転婆な性格ゆえ、寛明(ゆたあきら)様の許婚者にはとても、似つかわしくないかと存じます」

「まぁ驚いた。あの話、まさか兄上に断られるとは……。兄上は誠、時忠ときただ兄上と違って欲のない男なのですね。帝となった我が息子、寛明との婚姻話など、今後兄上の地位を更に確固たるものに出来る最高の機会でありましょうに。それを自ら断るのですか?」

「申し訳……ございません。ですが私は、娘の意思を尊重したいのです。娘は自身が惚れた相手と結婚したいと申しておりました。ゆえにまだ会った事のない寛明様との婚姻は嫌だと……」



申し訳なさそうに、深々と頭を下げ謝罪する忠平。



「……そうですか」


そんな忠平に、怒るでもなく少し困惑気味に溜め息を吐く隠子。

二人の間に、沈黙が流れる。

その沈黙に息苦しさを覚えた忠平が、遠慮がちにポツリと一言、ある疑問を口にした。



「あの……一つ伺っても宜しいでしょうか?」

「何ですか?」

「何故千紗を、寛明様の妃にと望まれたのでしょうか?」

「それはですね……」



忠平から成された疑問に、手にしていた扇で口元を隠しなが、クスクスと楽しそうに笑い出す隠子。

どこか焦らすように、少しの間を置いたかと思うと隠子は突然二人の間を隔てていた御簾を上げ、忠平の前へと姿を現した。

何事かと慌てる忠平を他所に、隠子は兄の隣にちょこんと座ると、耳元に口を近づけ楽しそうにこう言った。



「一目惚れしたのだそうですよ。」

「………は?」



内緒話でもしようかと言う体勢。

小声で囁かれるのかと思いきや、予想外に大きな音量で、更には予想もしていなかったような答えを返され忠平は、何とも情けない声を漏らした。



「だから、寛明が兄上の娘に一目惚れしたのだそうで」

「母上っ!」



忠平の間抜けな反応に、理解出来なかったのかと隠子が再び忠平に理由を告げようとしたその時、突如として背後から二人の会話に割って入る声が上がった。

驚き振り向けば、忠平が通されたその館の庭先に一台の牛車が乗りつけられ、牛車から今正に駆け下りて来ようとするひとりの幼子の姿がそこにはあった。

歳は10を少し超えるかと言うくらいの年齢で、声変わりもまだしていない可愛い容姿の男の妾。



「おや寛明、お帰りなさい。兄上が来る事は伝えてあったはずですが、今までどこへ行っていたのですか?」

「千紗姫様に逢いに、藤原屋敷に行っていたのです」

「まぁまぁ、千紗姫様に逢いに? それで今日こそはお近づきになれたのですか?」

「……なれていません。でも今日の裳着の儀式でこそは絶対に……て、そんな話をしているのではありません! 母上、あの話は内緒にとお願いしていたではありませんか!」

「まぁ、そんな所から盗み聴きですか? はしたない」

「違います。母上達の話を盗み聞くつもりなど無かったのですが母上の声が大きいから……聞こえてしまったのです! って、だからそうではなくて……私の気持ちは内緒にと、お願いしていたはずなのにどうして忠平に話してしまったのですか、母上」

「ああ、そう言えばそうでしたね。申し訳ありません。つい口が滑ってしまいまして」

「口が滑ったなんて酷いです母上!」



親子喧嘩を始める二人。

恐縮しながらも二人の間に挟まれていた忠平が、恐る恐る口を挟む。



「み、帝……今の話は誠ですか?」と。



忠平からの問いに、隠子からは寛明と呼ばれ、忠平からは帝と呼ばれた男の妾は、恥ずかしそうに俯きながらもコクんと小さく頷いてた。


そう、彼こそが前天皇、醍醐帝隠子の間に生まれた子供であり、今現在この国を治める今上天皇、後に朱雀天皇と呼ばれるその人だ。

そしてこの国一番の権力者である帝からの求婚を断らなければならない、それが忠平が緊張しきっていた理由。



「せっかく己の気持ちを兄上に告げた所申し訳ないのですが寛明、残念な事にたった今、正式に婚約を断わられていた所ですよ」

「えぇっ!ど……どうして……それは朕が子供だからか?」


突然母から告げられた言葉に、今にも泣きそうな顔になりながら必死な様子で朱雀帝は、忠平に理由を問うた。



「そ、そのような事は決して。ただ千紗は……己が自ら惚れた相手でないと嫌だと」

「千紗姫には想い人が?」

「父親の私が知る限りでは、今はいないかと存じます」

「……そうか、ならば朕にもまだ可能性はあると言う事だな!」

「それは…………」


言いよどむ忠平。

彼の言葉を遮って、朱雀帝は高々と宣言を始める。



「見ていてください母上! 今夜千紗姫様の裳着を祝う宴の席で、必ずや千紗姫様とお近づきになってみせます。僕はあなたの“こんやくしゃ”ですと」

「そうですか、そうですか。一度断られてもへこたれない、さすが我が息子。それでこそ、国を背負って立つ男に相応しい器ですよ!」

「…………はぁ」


国の最高権力者である天皇、寛明。

その寛明の母として、前天皇醍醐帝亡き後、まだ幼い帝に変わって実質国のトップに立っている皇太后、隠子。

権力者二人の会話を聞きながら、一人忠平は深い深い溜め息を吐いた。




婚約の話を白紙に戻せなかったこの状況、娘に何と説明すれば良いのだろうか?と――







垣根かきね

敷地を限るために設ける囲いや仕切り。ここでは竹で組まれた垣根なので竹垣のことを指しています


御門みかどみかど

天皇の別称。


平安京へいあんきょう

かつて日本の首都であった都市の名称。平安初期に桓武天皇かんむてんのうによって造られた。

現在の京都市、京都市街でありは、当時の街路をほぼそのままに主要都市として現存している。


大内裏だいだいり

平安京の宮城。平安京の北端中央に位置していた。東西約1.2km、南北約1.4kmの広大な敷地に、行政施設・国家儀式や年中行事を行う殿舎、天皇の居住する内裏が設置され、この時代の政治の中心地。

大内裏の周囲に築地と呼ばれる大垣が張り巡らされており、東西南北14の門が設けられている。


内裏だいり

大内裏の内部、中央東寄りに南北約300m、東西約200mの広さで存在していた天皇の私的区域。内裏もまた築地で2重に囲われ、その内部は北側に後宮、南側に天皇の政務所である紫宸殿や日常生活の中心地である清涼殿などがあった。


築地塀ついじべい

泥土をつき固めて作った塀。 古来より公家の邸宅や寺院、官舎などに特に見られ、今でも御所や寺院などで見られる。規模の大きい物は「大垣おおがき」と呼ばれた。


朱雀門すざくもん

大内裏において南面する正門であり、14ある門のうち最も重要な門であった。

平安京の中央を南から北に貫く大路、朱雀大路すざくおおじ(現在の千本通に相当)に通じる門。


建礼門けんれいもん

内裏の二重に囲われていた壁、外側の外郭門の1つ。内裏の南正面に位置していた門。


承明門しょうめいもん

内裏の重に囲われていた壁、内側の南正面に位置していた門。外郭の建礼門とは向かい合って並んでいた


醍醐天皇だいごてんのう

平安時代、第60第天皇。菅原道真を太宰府へ左遷した天皇として知られ、道真死後、生涯道真の呪いに怯えた。醍醐天皇の死は道真の呪いによるものだとも噂されている。

朱雀天皇の父であり、隠子の夫。


藤原隠子ふじわらやすこ

醍醐天皇の妻であり、朱雀天皇の母。また、藤原忠平の妹。


皇太后こうたいごう

先代の天皇・皇帝の皇后であった者、およびその称号。


朱雀天皇すざくてんのう

平安時代、第61第天皇。醍醐天皇の突然の死によって7歳と言う幼い年齢で天皇になった人物。

治世中は、平将門、藤原純友が乱を起こしたり、富士山の噴火、地震や洪水、災害など変異が多かった。

源氏物語に出てくる朱雀帝のモデルだったとも言われている天皇。

諱は寛明ゆたあきら

この方は、この後深く物語に関わってくるので、あまり詳しくは書かないでおきます。

また、朱雀天皇とは、死後につけられた名前ではあるかと思いますが、この物語の語りの部分だけでは呼び方に困るので朱雀帝と表現させていただこうか思います。


今上天皇きんじょうてんのう

日本において在位中の天皇を示す呼称。



今回紹介する言葉がたくさんに(^^;)

書いてる本人も勉強しながら書いてるので間違ってたらごめんなさい。


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