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急な転校 ~鴛鴦夫婦に家を追い出されました~

処女作となります。よろしくお願いいたします。

「え、転勤?」

「ああ、ごめんなぁ椿」

「突然決まっちゃったのよ」


「えええええええええっっっ!?」


皆さんどうもこんにちは。西森椿と申します。

突然叫んでしまってすみません。あまりにも突然の転勤話だったもので、つい…。

ああ、申し遅れましたがあと2週間で私、高校2年生になるんですよ。………急すぎやしませんかね?


「住むところとかはもう決まってるの?」

「ああ、まぁ、一応」

「ええ、一応ね」


何故に煮え切らない答え方をするんでしょうか?

怪しい。


「お父さん、お母さん?」


少しじと目で二人を見ます。


「う、うん実はな。なぁ、母さん」

「う、うふふ」


なっ、なんだ何だ?

お父さんは申し訳なさそうに私を見ているのに、お母さんはとても幸せそうな顔で視線が明後日の方向を見ていますが。


「椿には寮生活をしてもらうことになったんだ」

「はい?」

「お父さんとお母さんは一緒に住むけどね。あぁめくるめくラブラブライフ…」


お母さんは少し黙っていて欲しいです。混乱がとけないじゃないですか。二人が仲睦まじいのはいいことですがね。


「何で?」

「いやぁ、今度僕達が行くところというか、住むところがね近くに椿が通っているレベルの高校がないんだよ」

「別に学力のレベルなんて気にしてないけど」

「それがね、近くにある高校は地元の不良が集まる高校と男子校しか無いんだよ」

「それは確かに気にした方がいいね。でも、それなら、遠くても自宅通いでもいいのでは?」

「ダメよそんなの。椿ちゃんが大変じゃない!一番近くても片道二時間かかるのよ?勉強時間が少なくなるわよ」

「!それは嫌だ」


私の趣味は勉強なのです。勉強すれば学校での成績は上がりますし、頭も良くなるため一石二鳥です。将来のためにも勉強必要、絶対。

まぁ、勉強が好きとでも思わなければ苦行ですしね。嫌いなのにやるなんてやってられませんよ。

っと、閑話休題。


「そ・れ・に、お母さんはお父さんをひとりじめできるようになるから、一石二鳥よ」

「本音駄々漏れ!結局それがお母さん達にとっての第1目標でしょ‼というか、これは一石二鳥じゃないよ!?一人一つしか得してないからね‼!」

「西森家としては一石二鳥だよ。母さんと父さんは二人でひとつだからね」

「ハイハイ、鴛鴦夫婦ばんざーい」

「「ありがとう」」

「誉めてないから、むしろ嫌味だからね…」


お父さんには照れ顔でお母さんにはいい顔で感謝されました。皮肉のはずだったんですが。


「色々と不安もあるかも知れないが、いい経験になると思うんだ。どうだい?」

「かわいい子には旅をさせよっていうでしょうし」

「……うーん…わかった。やってみるよ」

「そう来なくっちゃ。さすがは私の娘よ」

「すまないな」

「ううん、気にしないで」

「よし、そうと決まれば細かい手続きをしなくっちゃ」

「そういえば、編入試験って無いの?」

「「あっ……」」

「「あっ……」、じゃないよ!?」


二人して口をあんぐりと開けてこちらを凝視しているんですが。正直いってどういう意味で驚愕しているのかは聞きたくないです。

ダガシカシ。


「で?」

「ごめん、椿!ここ最近忙しくて伝えるのを忘れていたよ」

「ごめんなさいねぇ、椿ちゃん。お父さんとイチャイチャできると思って浮かれちゃってたわ。テヘペロ」


おうふ……。一体何をやってたんですか。得にお母さん…ブレないですね、あなた…。 てか、誰ですか!?


「そ、それでね?明後日に試験が行われるから頑張ってちょうだい」

「性急過ぎるよ!?」

「ま、まあ、頑張ってくれ。椿なら大丈夫」

「ごめん、お父さん。チョトシンジラレナイヨ」

「うっ、すまん」


ハハハ、似た者同士ですかね?


というわけで、寮生活始まります。

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