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はなしをしようか

きがつくとそこは十字路だった。今までずっとあるいてきたけれど、そこは何時までたっても十字路だった。


背景に森が見える。一時はその森に向かって走ってみたものだが、それでもこの十字路から出ることは出来なかった。


十字路の真ん中でくたびれて座り込む。道に面した土地には家があり、灯りもついている。まるで住宅街だ。だが、人は誰も居ないし家を訪ねても誰も出ない。無理矢理扉を開けようともしたが、どの家も開かなかった。


そして、何時までたっても薄暗く、明け方なのだろうか、太陽が昇ってくることはない。解らない


「お困りのようだね」


唐突に声が聞こえた。ビックリして後ろに振り向くと、そこには謎の女性が微笑んでいた。


「ついてくるといいよ。あたしの森に連れていってやるよ」


背景に見えるあの森の事だろうか。ようやくこの十字路から出られるのだろうか、その女性についていこうとしたとき、何者かによって、手を掴まれた。


「ダメだよ。その人についていったら。君も背景に見えるあの一員になってしまう」


手を掴んだのは、小さな子供。あの女性はいつのまにか居なくなっていた。


「僕はゆじうよき。ここはアカルイクライモリ。旅人さん、僕の話に付き合ってよ」


奇妙な名前だ。なんだ、ゆじうよきって。由時雨節樹?いやいや、何か違うだろ。


「別に話するくらいなら」


わざわざ断る必要はない。何で旅人と言われたのは謎だが、迷子って事を言いたかっただけなんだろう。もしかしたら、この子供が何か脱出する方法を知っているかもしれない。


「それじゃあよろしくね。永遠に永久に腐り果てるまで・・・話をしようか」

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