王城への招待
翌朝目覚めると、本当に体の疲れが無くなっていた。
どうやら、ジェシカのマッサージがいきなり効いたようだ。
そして、布団を捲ると何故か俺たちは二人で裸で寄り添っていた。
・・・何があったんだ?気にしたら負けなのか?
そして魔力量の確認をしようとノートパソコンで見てみると、なんと魔力量が一気に600になっていた。
理解度も100、熟練度も2になっていた。・・・結構速いのではないだろうか?
それに、まだ解からないことだらけで100か?どうも納得いかん。
そして、理由を聞くためにジェシカを起こそうとしたが、既に目を開けていた。 寝ていないのか?
「ジェシカ、まさか寝ていないのか?」
「元々我ら召喚物に睡眠は必要ありません。大作様がいるだけで存在できますから。なので、今日は私の他に護衛用のガーディアンを召喚なされることを進言します。」
ふーむ、それなら確かに護衛用を作っておいた方が安心だな。
「よし、・・・っと。その前に服を着ようか。幾ら布団を羽織っているとはいえ裸で話し合ってても風邪をひいてしまって、ジェシカに要らん手間を掛けさせそうだ。」
俺がそういうとジェシカは少し残念そうにしながら
「畏まりました。・・その前に・・・・・・(何をしてるいかは想像にお任せします。byジェシカ)。ふぅ、何時でもしますので我慢せずおっしゃって下さいね?では、お召し物をお持ちします。」
二人?とも着替えを済ませて数分後、大作は再び今度は服を着たままマッサージを受けていた。
「・・ん・・・んんー・・・--んーー・」
・・・ん・・何か癖になる感覚だな。
物凄く痛いのに、その直後に来る快感が忘れられずまたして貰いたくなるような。
マッサージを受けていると部屋の外から遥の声がする。
「大ちゃーん!起きてるー?」
「ああ、大丈夫だ。入ってこ・・って鍵締めてたな。ジェシカ悪い、遥を部屋に入れてくれ。その間に次のガーディアンを召喚するためにノートパソコンを持ってくる。」
「畏まりました。しばしお待ちを。」
そういって、ジェシカが遥を連れてくる間に俺はベッドに行き、ノートパソコンを持って戻った。
「昨日も思ったけどジェシカって機械とは思えないよね・・。大ちゃん、裸も他の人間と同じだったの?見たんでしょ、どうせ。」
ジトーと俺の方を見ていかにも「このスケベ」と言った顔を向けてくる。
しかし俺も慣れた物なので平然と
「ああ、何もかも人間と一緒だ。町を歩いていても、恐らくは綺麗な少女が変な服を来て散歩している様にしか映らんだろう。俺と遥の後ろで付いてきてもジェシカだけ浮くだろうな。どうする、遥?」
「どうするってもねー。傍にいて貰わないといざと言うときの備えに成んないし、いいんじゃないの?そのいざと言うときに私らを護るガーディアンを今から作るんでしょ?」
「そういうこったな。では、・・・」
基礎魔力600
召喚物
名前
ランスロット 近衛護衛人型 ベース50
戦闘魔法全般100
戦闘魔術全般100
総合武具術100
精霊魔法100
魔道具使い10
護衛体術10
計480
残り120
「こんなところか。」
「ですね。今のところはこれで良いとして後から、魔力に余裕が出来れば送還してパラメーターを設定し直せばいいでしょう。あと、言い忘れましたがガーディアンのコストについては大作様の熟練度の上昇に伴い理解度+熟練度が200に達するとベースが500に成り、今は理解度が大作様に比例して高いですが熟練度は0なのが100に成ります。また、それから100毎にガーディアンの熟練度も最初から追従します。これが全てのガーディアンに反映されますので、ドンッドンッと召喚されるのが良いでしょう。先ほど言ったパラメーターの設定も熟練度はガーディアン毎に記憶されますから、また最初からという事もありません。」
「ちょっと待って、理解度と熟練度の最大値は100じゃないの?」
「・・?なぜそうなるのですか。訓練すればするほど威力が上がる魔法や武術が100で終わるはずがないでしょう。因みに大作様の火の理解度は250オーバーです。なんせ科学反応物質の結合度合いまで分析できておりますから、私も大作様のガーディアンですので知識は有りますが理解までです。分析となると足元にも及びません。」
「・・・?大ちゃんの魔法の理解度は100って言わなかった?」
「はい。ですが、あくまで召喚魔法に対して、というより機械や電子部品に対してという事ですので、火の事や水の事は反映されません。ですので、たとえば私なら大作様の体の一部が欠損しても、粉々になっていない限り繋ぎ合わせて元の状態にすることが出来ます。」
「・・・なんか、努力したのがようやく実を結んだって感じだね、大ちゃんの場合。」
俺の過去を知ってる遥がしみじみと言った。
「ま、話していても始まらんし。早速やるか。召喚物決定。・・・お、やはり思った通り。想像したような円卓の騎士風の格好の男前の護衛だな。よし、召喚OK。」
そして、ジェシカの時のように背後に魔法陣が現れ、そこからいかにも騎士!といった感じの青年が白銀に輝く鎧を身に纏い片膝を着き膝まづいて頭を上げこちらを見ている。髪は銀髪を腰のあたりまで流し、目は黒い瞳を細めて優しげに微笑んでいる。
・・・・ジェシカの時と言い、なんでこうも人間にしか見えん奴らが出てくるんだ?
「お初にお目にかかります、マスター。私召喚物ナンバー003、正式名称ランスロットと申します。これからも増えていくと思われる近衛護衛を統括する任務に就きますのでよろしくお願いします。それと、まだマスターの魔力が不安な現状では心苦しいのですが、明日にでもあと一体私と同じ型のガーディアンを作り、遥様の護衛に充てる事を進言します。」
そういって遥を見るランスロット。
「それは解っているがな。お前も言った通りまだ魔力が殆どない状態だ。だから、最初のうちはお前が俺達3人?を護る事になる。召喚物まで護る必要があるのかどうかは知らないがな。再召喚にも魔力が必要な事を考えれば、序に護った方が良いだろう。」
そして、起きた時は気付かなかったが、落ち着くとビーが居ないことに気づいた。
「そういえばジェシカ。ビーはどうした?姿が見えないが。」
「ああ、それでしたら外へ偵察に飛んでます。一応パソコンの召喚物リストで、ビーを選び、検索すれば現在地が表示されます。ビーの見ている光景もリアルタイムで観れますよ?」
ほー、それは面白そうだな。
「ふむ、画像の解析度合いも知りたいし、見てみるか。・・・お?」
・・・ん?なんか湯気で見にくいな。
「・・・ん?お、なんか、普通に見てるが、遥。音声出させた方が良いか?」
そうニヤッと笑い遥の方を見る。
そしたら、顔を両手で隠して指の間からバッチリとある行為の映像を見ている、遥がいた。
俺と目が合うと
「もう!大ちゃんの馬鹿!エッチ!私に聞かないでよ!」
と、そっぽ向いてしまった。
「まー、それは置いといて。ビーだけでは少々情報量に問題があるので小型の、と言うよりミクロサイズの虫型をビーの支配下に置いてそれらにも情報収集をさせたいのだが。ビーの能力では無理か?」
「いえ、魔力の宿らない端末の場合ならビーだけでもいけます。・・・ですが、魔力も残り168なので端末は今日の最後に取って置きませんか?それと、情報収集用で一人作って欲しいガーディアンがいますから。それ用にしたいのですが。」
ジェシカがそう提案してくる。まあ、まだ朝早いからいいか。
「では、それでいいか。ビーには引き続き情報収集をさせるとして、俺たちもギルドで手分けして情報収集するか。」
「「はい(うん)」」
それからリーゼに事情を話ギルド内の情報倉庫に案内して貰って読み漁っていると、リナリスとジェイドが来たと連絡が入り出迎えて挨拶を交わした。そして、新しいランスロットを紹介して、ジェイドと一緒にリナリスの店へ行く途中。
「やはり、ランスロットさんとジェシカさんは目立ちますね。遠目にもカッコイイと言った感じがあります。傍にいる我々が逆に従者になっている感じですね。」
そうなのだ。さっきからふたり?に注がれる視線が半端ない、ある意味護衛に視線を集中させて護衛対象から遠ざけると言ったやり方もあるから、間違ってはいないが。
そんなことを考えてると周りより少し大きな、建物の上に魔法陣と剣と盾を三つ横に並べた看板が立てられた店が見えた。
「あ、着きましたよ。ここが私の店です。その名も魔道具店リーナス。ささ、入ってください。ジェイドさんには精霊との干渉力を高める魔道具。大作さんにはあらゆる魔道具の根本的な知識が収められた魔道書を報酬としてお渡ししようと思いますが、一応は見るだけでも見てってください。」
そういてってリナリスは色々と魔道具の説明をし始めた。
あれから30分大体の説明を聞き終わった俺だが
「うーん、これは一旦ビリ-に預けて解析させないと今習った事だけじゃ、魔道具の発動まで理屈の説明が掴んな。理解はしても、分析から発動がどうも納得いかん。・・・リナリス、俺はやはり君の進める子の魔道書を貰うよ。ジェイドはどうする?」
「僕は魔道具の製作に関しては専門外なので、僕も進められた物にします。」
「それじゃ、そういうことだ。リナリスこれを有難く貰っとくよ。また、何か必要になればその時顔を出すよ。」
「僕もそういう事です。それじゃ、また、会いましょう。」
「はい、お二人とも、今回は本当にありがとうございました。」
「「じゃ、また」」
そして、再びギルドに戻った俺たちは、カイルが迎えに来るまで情報倉庫に入って情報収集に勤しんでいた。
時は少し遡りカイルが大作からエリクサーを受け取り王城に戻った時
「カイルさん、ジェイドと例の方々は何処ですか?姿が見えないようですが。」
カイルが戻ったと聞いて急いできたエレナが開口一番聞いてきた。今はエリスがエレナの代わりに皆の所にいる。
「は!実はその方々に会いに向かったところ、既に事情をジェイドから聞いており、その方との約束により、詳しくは申せませんがエリクサーを作成して下さっていたので今日の処は私のみ戻り、早く治してやれとこれを預かってきた次第です。作成した方の説明によれば、全ての毒の無効化、体力、魔力の回復、気付け効果があるとの事。説明を聞いて直ぐに戻りましたし、色々と調べる事があるらしく今日はギルドに泊まり、明日の朝旅で知り合った護衛対象の所へ報酬を受け取った後、ギルドにて私が迎えに行くのを待つとの事。ここにお連れするのは明日の昼くらいには成ると思いますが、確実に来てくれるはずです。」
一気に説明をしたカイルは、聞き苦しくなかったか心配になったが、エレナが微笑んでいたので安心した。
「そうですか。早速その薬をタブラル兄様に持って行ってください。私もお供しますから。・・・行きましょう。」
「?」
タブラルの部屋へ向かう途中カイルにさっきの間について説明するエレナ
「・・・という事です。エリスは今は兄様の部屋で父様、母様と一緒ですから心配ないですが、兄様が治る可能性が一気に上がることでゼリスが何をしてくるか解りません。ですから今はなるべく一人にならない様にしているのです。」
「ですが・・・。ゼリス王子はお世辞にも優秀とは言えない人ですよ?そんな王子に付く者が城の中にそこまでいるとは思えませんが・・・。」
ここでエレナも頷いて賛意を示すが
「しかし、既に厳重に枷を付けていたゼリスが手足のかせを外して、牢屋の番兵を気絶させ、縛って逃走しているのです。誰か上の方の役職の者が手を貸しているか、もしくは他国と繋がっているか。・・・もし他国なら帝国が可能性としては大ですが、かの国は内乱の最中、とても他国の政治に関わってくる余裕があるとは思えません。・・・っと、着きましたね。少し周りを見ていてください、解除キーを差し込みます。」
エレナがそういって魔道具でもある部屋のロックの解除キーを差し込むと、キーの先端に刻まれた魔法陣の半分とノブの差し込み口の中に仕込まれた魔法陣が重なり、ロック解除の魔法陣となり、鍵が開かれた。
「開きます。」
そして、エレナたちは部屋に入って行った。
その様子を見る使用人の目があることに気付かないまま。
「ただいま戻りました。カイルさんも一緒で、例の方から薬を頂いてきたそうです。・・・カイルさん。」
「はっ!ここに。」
と王妃であるシレーナへエリクサーを渡す。
「これがそうなのね・・・。これを普通に飲ませればいいの?」
「特に何も注意点などありませんでしたから、それで良い筈です。あの者なら、特別なことが有るなら前もっていうでしょうから。」
「解ったわ。」
王妃はそういって頷くと、タブラルの体を起こさせ、少しずつ飲ませる。
全部飲み干されたのを確認した全員が見守る中、急にタブラルの中から光の粒子が辺りに舞広がり、再び体の中に入ると次に紫の粒子が体からまるで光の粒子に押し出されるようにでていった。
それから、光の粒子は体の内側で光り続けると次第に収まって行き、光が消えたと同時にタブラルが目を覚ました。
「はっ!・・・俺はいったい・・・?。…どうして、親父たちが俺の部屋にいるんだ。俺は食事を・・」
「よかった。目が覚めたのね、タブラル。本当に良かった。」
いきなり自分に抱きつく母に戸惑いを向け、傍に揃っている(ゼリスは既に眼中にない)家族に目を向ける。
「兄様、実は・・・」
エレナが兄に起こったことと、カイルの話によって助けてくれた旅の者がいると聞いたタブラルは
「くそ!あの、愚弟が何も出来ないと思って見逃していてやったものを。親父、至急王都中に伝令を俺が動けなかったのを広めなかったのは正解だが、その間にあの馬鹿が他国、特に帝国と手を結んでいるなら厄介だ。直ぐに触れをだし、怪しい輩を検分し、集めさせろ。特に魔道具は厄介だ、種類が多すぎて特定しきれん。後、この王城の中にも間者が潜んでいる可能性がありすぎる。姿を変える魔道具を持ってたりすれば見慣れた使用人ほど警戒は甘くなる。」
そこまで言ったタブラルは、カイルの方を向き
「カイルと言ったな?お前はエリスの駒らしいがもう少し俺が使わせて貰うぞ。ジェイドとやらも同様だ。お前らは、明日その、俺を助けてくれた薬を作ったという者を城に招き、今の俺の指示を伝えろ。何か用事があるっていうのならその用事が済んでからで構わん。その際護衛もお前らが担当しろ。ここまでで質問は?」
カイルは少し悩むと
「指示の意味は何となく解るんですが。王子様はどうなさるんで?」
その疑問にタブラルは微笑むと
「なに、俺も少し魔道具屋の知り合いがいるんでな。最近忙しくて会ってないが、その魔道具屋と友達の友人がこの王都で店を構えたと半年前にあった時に聞いてな。俺もその伝手を辿って魔道具を探す魔道具が無いか聞いてみるために町へ行く。勿論信頼できる護衛を付けてな?」
ここまで聞いて、大作らに何をさせたいか悟ったカイルは
「解りました。エリス様聞いての通りですので少しジェイドと二人離れますので、国王様たちと一緒に居てください。それでは、もう少しで戻ると思われるジェイドと打ち合わせをするので、これにて失礼します。」
「くれぐれも城内だからと安心するなよ?」
「は!」
そうしてカイルはその場を後にした。
「タブラル、回復したばかりなのだからあまり無茶はしないでね?」
「大丈夫だ、母上。どんな毒だったのか知らんが、薬が凄まじい所為か、気を失う前より体が軽いくらいだ。本当になに者なのだろうな。」
「明日には解かるでしょう。連れて来てくれることになってますから。」
「ああ、楽しみだ。」
そんな話をしながらタブラルはゼリスをどうやって公開処刑にするかを考えていた。
時は少し進み、翌朝。
タブラルは護衛と共にリナリスの魔道具店に来ていた。
勿論、王子であることの諸々は秘密にしてあるし、護衛も冒険者仲間という事にしている。
そして、リナリスに昨日の事で話を聞いているのだった。
「・・・難しいですね。あ、顔を変えるという事がではなく、発見する事が、という意味ですね。観察眼のスキルでも一人一人調べるのは骨ですし、魔道具でも条件は同じですから。調べている間に本命に逃げられたら意味ないですからね。・・・知り合いに可能そうな人がいるので紹介しましょうか?」
「いや、俺の知り合いにも最近知り合った奴を連れてくると言ってるから、俺は俺で探そうと思っただけだ。話を聞いてくれた礼に何か買って行こう。」
そんなこんなでリナリスとタブラルは同じ者の話をしているのであった。
そして、時は戻り。
現在ギルドの前にてカイルの到着を待つ一行。
そして
「すまん、待ったか?」
「いや、それ程は待ってない。少し、後の魔力量でどれくらいの性能の奴が作れるか、考えてたんだ。」
「へー、まあいいか。話は王城についた後だ、少し状況が変わったから、皆揃ってから話す。もしかしたら、と言うより確実に王様と王子様が出てくるが、お前らの事は言ってるから。俺が傍にいる限り間違われない筈だ。その時、そこの新顔の事も合わせて聞くよ。・・・じゃ、行こうか。念のためビリーさんとミキさんは置いて行ってくれ。無いとは思うが取られたらヤバいだろ?」
そういう事で、俺たちは歩きで王城に行くことになった。




