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旅は道連れ

キャンプ地に戻ってお互いの状況確認をした二人は、お互いの連れている同行者の話になった。


「では、俺の方からだが。手短に話すと、薪を集めている所にオーガに追われてる彼女に助けを求められたから、ジェイドと共に助けて、王都まで護衛する契約だ。・・・遥の方は?」


物凄く端折られているのだが、確かに手短だと諦めて黙ることにしたリナリス。


ジェイドも隣で苦笑している。


「こっちはキャンプの準備をしてたら偶然近くを通ったって言って、このマシンを興味深げに見られて。

色々と口論してたら大ちゃん達が帰ってきただけだから、あんまり進展は無いわ。とりあえず、そっちのと一緒に纏めて自己紹介よろしく。」


そうして、互いのお供の自己紹介の結果が


リナリス 大作側の連れ 王都で魔道具店を経営。


シェンナ 女冒険者 前衛職組合所属 ランクB 熟練


ガーナ 男冒険者 上に同じ


テイト 男冒険者 上に同じ


「なるほど。けど、前衛職って言うからには後衛職の組合もあるのか?色々多そうだな、覚えるのが大変だぞ。・・・カットビクン、やはり言いにくいからその姿の間はビリーと名付ける。でだ、ビリーは今まで聞いた内容は記録しているな?」


「はい。大丈夫です、マスター。そして名前を付けてくださりありがとうございます。」


「けど、大ちゃん。この話し方で男の名前はどうかと思うんだけど?」


「それは考えるな。そもそも、ビリーと言って男と連想するのは偏見だぞ。アリスとかシェリーで男かも知れないんだから、要は相手次第だ。名前を付けてくれただけで嬉しいと思うならその気持ちを大事にしてやらなくてはいけないだろう。」


そう説明すると、やれやれ、屁理屈がまた始まったよと言った感じで頭を左右に振ってため息を吐いていた。


「ではビリーの自己紹介は魔道具という事だが、詳しい説明は俺も出来ん。何といってもまだ生み出したばかりだからな、実験を兼ねたテスト段階でこの大陸へ来た物だから我々の事自体把握できてないのだ。だからまずは王都へ行き、生活を安定させることから始めようと思う。俺からは以上だ。」


「では、僕からも少し。僕達はある任務でこの辺を調査していたのですが、その情報の出所も王女の話では、宰相が他国のスパイと内密な話をしていたときに口に出していた断片的な物を組み合わせて導き出した情報で、確証は無いとの事です。それでも胸騒ぎがするので、それが収まるまで我々が調査をしていると言う訳です。なので僕らも大作さんと共に王都までご一緒し、王女に端的にですが報告します。勿論、大作さんの魔法については、詳しく解るまで詳細は解らないと報告します。この魔道具についても、珍しくて便利な魔道具とだけ説明します。・・・僕からは以上でしょうか?」


「俺はさっきあんた等にも自己紹介したから良いよな。改めて宜しくってことで。」


と二人が簡単に説明して


「じゃーとりあえず、この肉はどうする?ミキやビリーに調理させるにしても流石にでかいよ?」


と、遥が夕食の事を話し出した。


「なら俺が捌いてやるよ、こう見えても肉料理は得意だ。なんせ、冒険者になってから旅じゃ常に魔物の肉だからな、レシピは豊富だ。序に大物の捌き方も教えといてやるよ。」


と、男冒険者の一人(確かテイトだったか)が自分の獲物(鋸の様なギザギザの付いた刃の大剣)を手に、オーガの胴体の食べられる所を丁寧に素早く捌いていく。


その間に大作はこっそりとビリーに車載カメラでテイトの捌きを録画させていた。


そして、あっという間に胴体の解体を終わらせてしまった。


その手際の良さに、ジェイドも


「なかなか見事ですね。僕でもそこまで鮮やかには出来ませんよ。」


「それでこっからどうするの?まさか生じゃないでしょ?」


遥も続きが気になったのか、テイトに尋ねた。


「細かい味付けなんかはシェンナが得意だからな。その前にガーナに魔法で焼いてもらう。・・・断っておくが、前衛職と言ってもそれしかできないんじゃこの世界じゃ冒険者なんて食ってけないからな?それぞれ得意魔法は有るんだ。俺が水の派生の氷、ガーナが炎、シェンナが風だ。俺たちはそれぞれで足りない物を補ってチームで仕事をしてるんだ。・・・ま、説明も長くなるから先に飯を作っちまうか。・・・ガーナ、シェンナ頼む。」


「あいよ」


「任せて」


と、ガーナとシェンナによる料理教室が始まった。



そして食事中


「お!これホントにアンタたちが作ったの?すごく美味しいわよ!大ちゃん、ちゃんと録画してる?この人たちと別れたら、私らだけで捌くのはやらないといけないんだから、練習用の教材は無いと無理だよ?」


「大丈夫だ、初めからちゃーんと撮ってある。心配無用だ、抜かりなし。」


そういって遥にサムズアップして答える


「大作さんに遥さん。録画とはなんですか?先ほど大作さんがテイトさんが解体中に妙な魔道具を構えてましたが、それと関係あるのでしょうか?」


「ああ。そうだ、遥。これ位なら見せても大丈夫だろうから、見せるか?」


「うーん。ま、技術を見せてくれたんだから、そのくらいは返さなきゃだめね。良いわ、みせましょ大ちゃん。」


遥が許可を出したので大作も


「あいよ、ちょっと待っててくれ。ビリー、さっき撮った映像をスクリーンタイプで前面に映し出してくれ。」


「了解です、マスター。」


そして映し出された映像に6人は口を顎が外れるんじゃないかと思うくらい空けて、呆然として見つめていた。


「何ですかこの絵は!まるで人がそこにいて動いてるようにしか見えませんよ!?このような魔道具は見た事も聞いたこともない。その乗り物の魔道具といい貴方方は一体何者ですか!謎が深まるばかりです。」


と皆が映像を見て固まる中、いち早く復活したジェイドが大声で聞いてきた。


・・・まー、この世界の基準は解らんが、クルマやパソコンを知らないような場所ならこの反応が当たり前だな。


「あまり詳しくは言えんが、この技術は全て魔法が使えなくても生活できる場所で開発された技術だ。だから、言っておくが余り魔法ばかりに頼っては人間は進歩せんということだな。」


魔法が使えなくてもと言う部分で驚いた顔をしたジェイドは


「ほー、興味深い場所ですね。私の知識には無い場所ですが、本当にそんな場所があるとすれば行って見たい気がしますね。」


「もし、行く方法を見つけたら知らせてくれ。俺も遥も、元の場所に帰れるなら帰りたいのでな?」


「見つけられるように善処しますが、期待しないで待っててください。過去に例のない話ですから。」


俺とジェイドの話にようやく回復したテイトが


「何にしても明日も早いんだ、さっさと食おうぜ。肉はまだ全然減ってねえぞ?酒が無いのが勿体ないくらいだ。」


「アンタは肉があっても無くても酒が欲しいだけだろうに。」


「全くだ」


テイトの急かしにそれぞれツッコミを入れるガーナとシェンナであったとさ。







食後、辺りはすっかり闇に覆われ魔物の気配が遠くに多数確認されるころジェンドが話し始めた。


「では、明日からの事ですが。ここから真っ直ぐに南に進むと歩きでなら一週間。大作さん達の魔道具でなら大凡三日あれば着ける距離に王都があります。そこを目指して進むわけですが、途中に魔物などに襲われた時に、ハッキリ言ってリナリスさんは戦力外、遥さんは魔法の練習中なので、大作さんに先ほどのエアーガンの使い方をリナリスさんに講習して欲しいのですが、いいですか?」


ジェイドの提案に「大作に」と言う言葉に反応した遥が


「大ちゃんはこれから色々と明日の準備があるから私がやるわ。このマシンは二人乗りだから、更に4人増えた現状じゃ、電動スケボーの方がいいでしょ。一つ組み立てれば説明を聞かなくても解るくらい簡単だから、その部品を用意して貰わないと。

・・・大ちゃんの事だから予備に5個分くらい持ってきてるんでしょ?何かって言うと予備の事に関しては5って数字が好きなんだから。それに、そろそろ人工衛星が機能しだすはずじゃない。そっちの準備もして貰わないといけないし。やること多いんだからあんまり大ちゃんばかり使わないでよね?」


遥の意見にジェイドは苦笑し


「そうはいっても・・・。どれだけやることが有るのか僕は知らないですし、そういった情報はまだ教えたく無いでしょう?なら、聞いてる情報だけで出来る事をやろうとするのが我々の仕事ですから。ご容赦ください。」


と遥かに謝罪しながら遠まわしに、「もっと情報よこせ」と言っているのであった。


そんなジェイドの意見に「むぅ・・」と唇を尖らせる遥、その時


ピーーン  ポーーーン  と言うメッセージ前の効果音が鳴り響きアナウンスが流れる



「目的地付近に到着しました周囲に障害物なし、これよりリアルタイム情報中継を開始いたします。なお、熱源は赤、魔素濃度はねずみ色、高低差は等高線で表示されます。更に既に照会された個人該当人物はズームにより体の異常などの症状も表示されます。町および村については詳細データが不明の為姿のみの表示となり随時更新されます。ピーーー ガイダンスを終了します。」


アナウンスが終わると大作は「やっとか!」とビリーにノートパソコンを取り出させ、更新させると確認する。


「それじゃー確認するか、どれどれ?・・・お!かなり大きな規模の箱型の街だな。こういうのがこの大陸の町か、いうなればヨーロッパの街並みだな。人口密度もかなり高いし、中央に大きな城があるな。これが王城か。・・・ん?ジェイド。これは何をするところだ?人はあまり住んでないのに面積だけは他の建物の何倍もある場所が何か所かあるぞ?」


・・・ん?反応が無いな、どうしたんだ。


「あのー、これはどういった物でしょうか?このような四角い板にこのような詳細な情報が載った魔道具は見たこと無いのですが・・・。ギルドカードを大きくしたような物にも見えますが、取り扱う情報の量の桁が違いすぎます。それに質も高すぎます。ここにいるのに、まるでその場にいるような感覚で情報を得られるのは斥候や密偵の価値が無くなってしまいます。・・・ジェイドさん。貴方ならこの魔道具の恐ろしさが解るのではないですか?」


とリナリスが驚愕の表情でジェイドに振るが、他の遥以外のメンバーの表情は皆一緒だ。


そして、ジェイドは頷きながら


「リナリスさんの言う通りです。普通戦争の場合、まず相手国に密偵もしくはスパイ、斥候を放ち相手国の情報を得ます。

そのスパイが優秀なほど敵国の情報は筒抜けになりますし、偽の情報を掴ませることが出来ます。その工程をこの魔道具は一気に半分は減らせ、なおかつ、仮にスパイを送り込むにしても、かなり安全に潜入させることが出来ます。

なんせ、あらかじめ相手国の危険な場所が想像できるのですから。その他にも平地で戦闘の最中に各部隊に風の魔導師を一人配置しておけば、指揮官にこの魔道具を使わせて全体を把握させ、各部隊長に命令させることが可能になり、戦争の仕方が根本から変わってきます。

・・・今言ったことはこの魔道具を使った一例なので他にも色々ありますが、要は貴方を他の国に獲られたくないという事ですね。王女殿下にも一部ですが話をして、場合によっては城の方に来てもらいます。その場合は申し訳ありませんが強制ですのでご容赦ください。

・・・あ、勘違いの無いように言っときますが、王女殿下は風聞ほど愚かでも強引でも有りませんから、他の者に何か言われても相手にしないでください。・・・それでは、先ほどの電動スケボー、でしたか。そのことについて話を聞かせてください。」


そんじゃービリーに出して貰うか


「ビリー、俺のバックのサイド側に伸縮型の電動スケボーがあるから3つ出してくれ。それと解りやすいように、投影型のスクリーン解説を出して音声ガイダンス付きで頼む。」


「解りました。・・・皆さん見やすいように一列にお並び下さい。今からご説明申し上げます。」


俺の命令にビリーが道具を取り出し、皆に指示を出して説明を始めた。


俺はその隙に遥を呼び、自分のノートパソコンで現在の能力の解析をさせる。


「どうだ、何か新しい情報はあるか?」


俺の問いに遥が頷き


「うん。どうやら自分の状態をステータスとして見る事が出来るようになったよ。私の4つの属性の訓練具合も「熟練度」って項目で出てる。まるで、一昔前のゲーム感覚だね。それに、熟練度の他に「理解度」ってのがあるけど、多分これは自然界の法則をどれだけ理解してるかってことじゃないかな?私の理解度が結構高くなってるから、まず間違いないよ。もし、この世界の事だったら理解度ー火100、水88、風88、地60、無70なんて有りえないから。そして、あの3人より威力が小さいのは恐らく「熟練度+理解度=実威力ってことでしょ。その証拠に熟練度は火4、水3、風3、地0、無0だから。仮にあの人たちのガーナが、炎が得意ってことだけど、派生ってことがゲームで言うレベルアップなら熟練度75の理解度30位じゃないかな。さっき肉を焼く時もさほど酸素を燃焼させている感じじゃない火の色だったのに実際はガスバーナー並みの熱が出てたしね。・・・そしてなんと!私の魔力量も解りました。他の対象が居ないから何とも言えないけど、魔力量8000だって。後魔力強度ってのがあるけど、これは多分同じように魔力を篭めて使った時の威力の差だと思う。それが200~10000だって、何かムラが有る様だけどあんまり解ってないうちは仕方ないね。・・・私の方は以上だよ。大ちゃんは?」


「俺の方も大方同じだ。ただし、88と0だがな?これは機械や物に対しての俺の理解度がまだ未知のしらない事が有ると理解しているという事だろう。もしくは、魔道具と言う存在を知ってしまったから新たに理解しないとだめだと言っているのかもな。魔力量は500だが・・・、これは召喚できる条件にも依るな。仮に重量で考えるとして1でキログラムなら結構きついぞビリーに合わせれば二台呼べないし、ガーディアンも一日5体が良い所だ。魔力強度が無いのは呼んだ物の材質に依存するという事だろう。・・・これ位か?」


俺の確認に


「そうだね。後は情報収集の度に確認しようか。」


と頷く遥だった。










その頃ビリーの説明を聞いていたジェイドとカイルは、ジェイドの風の精霊のおかげで大作たちの会話を盗み聞いていた。


「どう思いますか?今の話。ゲームとかはよく知りませんが、理解度や熟練度なんかは僕も心当たりは有りますが・・・。」


「俺もだ。何より、王都の学園で頭のいい奴で訓練をよくサボる奴と、頭は悪いが愚直なまでに自分の魔法を磨くやつに差が殆どないのも今の話で納得できるってもんだ。・・・なあジェイド、俺あいつ等に俺の能力がどんな物か聞けると思うか?」


「難しいでしょう。何より彼らも自分たちの状況を理解するのがやっとと言った感じですから。もう少し彼らの心にゆとりがあり、魔法の事も解ってからの方が色々と考えてくれるでしょう。今のところは王都まで同行しギルドを紹介して彼らの生活基盤を作りましょう。場合によれば、エリス様を通して彼らに仕事を回す手配も考えましょう。彼らなら色々と仕事は早そうですから。・・・討伐系は無理しないで欲しいですがね。」


「そうだな。・・・お、そろそろ説明終わるな。やっと動ける、聞くだけじゃ、なんか要領を理解しにくいからな。」


「確かに。」








そして、一応全員電動スケボーをマスターする事が出来て、寝ずの番にジェイドとカイルが着き、就寝した。







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