ギルドマスターの来訪
翌朝起きて、恒例になった魔力の確かめを行ってみた結果、魔力1500、熟練度30になり、もう少しで理解度と熟練度の合計が200に成るところまで行っていた。(因みに理解度は流石に上がってなかった。)
そして、もう一つ分かったことは、幾ら携帯で魔力が回復するとしても最大魔力量以上には成らないという事だ。(まだ、昨日の今日だからハッキリとは分からないが)
そういえば、召喚物にとっては必要ないが俺達人間には必要なトイレは付けているのだろうか。昨日はトイレに行く前に寝たから確認してないぞ。・・・遥も何にも言わないが大丈夫か?
「・・・ファクトール。聞くが、トイレは付けているのか?昨日はそのまんま寝たからいいが、起きたらしたくなったんだが?」
「ああ、それならこの地下室に入った直ぐの右手の部屋にギルドと同じ物を設置してある。上の住居エリアにも同じものを置いてあるからそれを使ってくれ。」
「解った。あと、ランスロットの帰りが遅くなる場合に備えて、後で俺の剣としての護衛を一体召喚するから、この研究所にホワイトホールとブラックホールの固定魔法陣を刻んで何時でも護衛を入れ替えられる様にしてくれ。前にも言ったが人間は通れないが召喚物なら空間の移動は可能なはずだからな。」
そして、召喚を始めた。
基礎魔力1500
名前
ガラハッド 護衛近衛人型 ベース50
戦闘魔法全般100
戦闘魔術全般100
精霊魔法100
総合武具術100
忍術100
錬金術100
護衛体術10
魔道具使い10
計670
残り830
「・・・試でやってみたら、忍術と錬金術が付け加えられてしまった。しかし、俺はハッキリ言って忍術や錬金術など殆ど知らんぞ。役に立つのか?」
「まあ・・・、そこは呼び出して、本人?に直接聞けばいいんじゃないか?マスターもその方がスッキリするだろう。」
「あと、忍術がOKならくノ一を作って貰えませんか?ビーが娼館があったと言っていたので、そこでの情報収集に使いたいのですが。」
「解った。ならとりあえずは決定。・・・うん、能力がチャンポンな所為か見た目もどうしても違和感が拭えぬ物になってしまった。・・・戻る。・・・・イメージを集中させて・・・・。」
そして、一分ほどイメージする。
外見は騎士でいいとして、剣の代わりに刀にすればいいか。
「・・・決定。・・よし!イメージ通りだ。これなら忍術を使えても違和感のない騎士に見える!OK!」
そして、出てきたのは黒い甲冑に身を包み口元を頭巾で隠した170位の美青年だった。背中には斜めに長刀が帯びられている。
「おはようございます、マスター。私はガラハッド。マスターの刀として生を受けた物です。存分に使ってください。」
「うむ。で、少し聞くが。私は忍術や錬金術と言った類の知識は無いのだが、・・・・使えるのか?」
「それはご安心を。威力については不安は残りますが、マスターの前の世界の映画の知識がありますので、色々と術事体は問題なく使えます。・・・因みに、<分身の術>」
ガラハッドがそういうと、いきなり三人になった。そして、30秒後元の一人に戻った。
「・・・このように、持続時間が短いなどの欠点がございますが、発動自体には影響ありません。」
「なら、火は出せるか?」
「<火炎花の術>」
そう発した直後、ガラハッドの口元の布越しに火が吹き出し一メートルほど前方に炎で出来た花が咲き乱れた。
「ほー、なかなか面白いな。他にも色々ありそうだな。これは期待できそうだ。」
「といいますと?」
「ジェシカがくノ一を作って欲しいと言って来たからな。肝心な忍術がまともに出来ないのなら、保留にするところだった。」
「そうでしたか。でも、作るなら普通の魔法も出来るようにした方が良いですよ?くノ一の性質上、尋問もされる事は明白です。」
「確かにな…では。・・・」
基礎魔力1037
名前
不知火 くノ一型 ベース50
忍術100
基礎魔法100
基礎魔術100
房厨術100
魔道具使い10
忍び体術10
精霊魔法100
計570
残り467
「これくらいか・・。あと、ファクトール。後で、冒険者用に剣や盾、鎧にそれぞれ、ポケットを利用した魔法陣の取り換え式媒体を製作してくれ。予めの威力のサンプルをスクリーン状の説明書で解るようにしてな。ギルドにはそっちを冒険者のメイン装備にさせたら少しは個々の実力も上がるだろう。」
「なるほど、伝導効率最上級の竜の鱗なら並の魔道具より威力も上がるって事か。・・・なら、魔道具に魔力を篭める専門のガーディアンを常駐させたらどうだ?そして、魔力蓄積型の魔道具にすればよりいいんじゃないか?」
「そこまでするにはまだ早い。少しは時間を置いて、少しずつやらねば皆調子に乗るだろう。」
「まー、マスターがそういうなら、従うが・・・。」
「ま、そんなところだ。では、決定。・・・おー、これは物凄い美人だ。なんか、他人にやらすために作るには勿体ないな。まー、娼婦にするのなら、見た目がこの位でないと駄目だろうが。OK。」
そして、出てきたくノ一は、正直絶世の美女と呼ぶにふさわしい程の色香を備えていた。金髪碧眼で身長も175と長身で、元の世界のモデル並みのプロポーションだ。ハッキリ言って客が群がること間違いなしだろう。
「はじめまして、ご主人様。私、不知火といいます。一応くノ一ですが・・・。娼婦として初めはご主人様に相手してほしいのですが?どうでしょう。」
「まー、仕方ないか。では、今夜にでもするとして…そういえば遥はどうした?」
「遥様ならルードと一緒に外で魔法の練習に行ってます。丁度標的に出来そうな団体の獲物がちかづいてましたから。そろそろ範囲魔法も試してみたいと仰ってましたし。」
「へー、遥も成長しているって事か。体だけの成長で無かったという事だ。感心感心。」
「「「・・・・・」」」
「なんだ?」
「「「いえ、何も」」」
そういった途端、ルードから報告が来た。
{主、ギルドマスタ、来訪。}{解った。}
「皆、上に行くぞ、ギルドマスターが来たようだ。ファクトールはさっき言った物を造っといてくれ。」
「了解」
そして、俺たちは出迎えの為、上の住居エリアへと上がった。
「おはよう、ワシが王都のギルドマスターのハイド・リスタじゃ。昨日リーゼから話は聞いたが、少しギルドにとって有利過ぎやせんか?何が狙いじゃ?」
「何が狙いと言われてもな。俺達には俺たちの利益に成ることしかしてないから、その序にギルドにもおすそ分けをしているだけだ。心配しなくともこちらにはもう既に十分な利益が入ってきている。もう既に職員の何人かは使っているんだろう?こちらもその恩恵を少し受けているだけだ。」
「むぅ~。なんか納得がいかんが、まあええじゃろ。次に、つい先日この近くに団体の魔物の集団が押しよ押せて着ていると報告を受けたんじゃが、未だに来んのじゃが何か知らんか?」
「あ、多分それ私とルーちゃんだよ。さっき訓練がてら、数百体の魔物の群れを焼いてきたから、庭に置いてあるよ?昼はバーベキュウだね。」
「おお、でかした。ジェシカ、ちょっと捌いてきてくれ。準備が出来たら、ガラハッドにブラックホールに取り込んでもらって腐らん様にして置け。」
「はい、畏まりました。」
そんなこんなで色々と話していると。
「マスター、試作品が出来たぜ。一応剣の柄に穴をあけてそこに蓋を開け閉めするタイプで記憶媒体を填め込む仕組みだ。・・・おお、丁度いい。アンタがギルドマスターだろ?これを試してくれ、説明書がこれだ。使い勝手が良ければ、冒険者に販売の予定だ。」
そういって、ファクトールがギルドマスターに説明書と試作品の剣を渡す。
「これは!・・・なんじゃこの機能は、このような物初めて見るぞ。・・・他に試作品はあるのか?」
ワシはこの魔道具の性能の馬鹿らしさを極力表に出さないように、平静を保ちながら伺った。
「いや、まだだ。さっきマスターにアイディアを貰って、今形にしてきたばっかりだからな。鎧や盾に色々つけるのはこれからだ。」
「では、これを今日預からせてくれんか?今ちょうど剣を扱う冒険者がギルドに立ち寄ってるんでの。試をして貰いたいから、持って行きたい。誰か見届け人になる者を付けてくれてもいいぞ?」
「では、この不知火を同行させてくれ。丁度娼館に出稼ぎをさせたいと思っていたから、下見に連れて行ってくれ。良さそうな店があれば、後日そこで働かせる。・・・不知火、付いていけ。」
俺がそこまで言うとギルドマスターの爺さんは驚いたように目を見開いて
「おい、良いのか?こんな別嬪さんにそんなことをさせて、ワシなら自分だけで使うぞ?」
「そんなことをしても意味がない。必要だからやるまでだ。」
「お主がそういうなら、もう止めはせんが。・・・なら、行こうか?」
「はい。よろしくお願いします。」
そういって、二人は王都へ向かった。
忍術を填め込み完了!
まだまだ、色々と出します。気長にお待ちください