第四話
月曜日。
中山愛子という子が頭から離れないまま学校へ行く。
女なんか信じらんねー。これが俺のモットーだ。
しかし、なんだか放ってはいられない感じがする。
なんだ?この胸を締め付ける感情は?
「おはよーございまーす♪」
と、ぽんと肩を叩いてきたのは、ひとりの女子。
「おはよ…ございます。」
こいつは誰だ?という疑問を浮かべながらついあいさつをしてしまった。
「達也くんだよね?あたし、中山愛子です。」
この子が?中山…愛子。
セミロングで前髪を七三にわけ、化粧もしていない純粋さ。身長は160弱と高めでスラっとした体。
「あのー?」
顔を覗いてくる愛子。
「あっ…ごめん」
つい見とれてしまった。
一つの疑問が浮かぶ。
誰かに似ている。でも、誰だ?わかんねーや。
「あたしの顔に何かついてます?」
ちょっと怒った態度で聞いてくる。
「あっ、いや違うんだ。ごめん」
「てか、学校さぼって遊びに行きませんか?」
笑顔で聞いてくる。
俺はつい誘いに乗ってしまった。
「さぼるか!」
そう言って学校を抜け出した。
俺らは喫茶店に入った。
「いきなり、声かけてすみませんー。どうしても話がしたくって!」
愛子はコップの中の氷をストローでぐるぐるしながら謝った。
なんて積極的な女なんだと思った。
「いや、俺も話してみたかったから。それと、タメ語でいいから!」
少し動揺している俺。
「そうですかー?じゃお言葉に甘えて、てかあたしのこと愛子って呼んでください!」
そういうと、えへっと笑顔で笑った。
この積極的な性格、行動、そして、なによりも可愛らしいこの笑顔。
俺は誰に似ているかわかった。
香奈…だ。
この子はなんとなく香奈に似ている。
それから月日が流れ三ヶ月がたった。
一月は俺と一月それと明菜と愛子でダブルデートをしようという提案を出した。
遊ぶくらいならいいよな。そう思い、俺は賛成した。
「じゃー俺は明菜誘うからお前は愛子誘っておけよ。」
やる気満々の一月。
実はこのデートで一月は明菜に告るらしい。
「おう。」
そっけなく答える。
俺はメールで愛子を誘ってみた。
TO:愛子
来週の日曜日俺と一月と愛子と南さんで遊園地いかない?
パラララン
受信メール
From:愛子
行く行く!!!!!
答えは即答だった。
TO:愛子
じゃ来週の日曜ね!
送信
パラララン
受信メール
From:愛子
わかった!じゃねーヾ(^▽^)ノ
来週のデート正直楽しみなんだ。いい思い出になればいいな。香奈のこと忘れられるように…