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実の子が見つかったからと邪険にされたので、屋敷を出た養女の話  作者: 山田 勝


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20/20

国際貿易幼女メアリー

「ミレーヌ様、弟君のダネルハインケン様は見られなくなりましたわ」

「クスッ、如何したのかしら」



人は至高を貶めるのが大好きだわ。だから私は正直に言う。


「ダネルは平民への投石で自宅謹慎状態ですの」


すると呆気にとられた顔をするわね。


「「まあ」」

「オホホホ、大変ですわね」



退屈なお茶会を早々に切り上げ屋敷に戻り策を練る。

私が王妃になる策よ。

そう、私はこの令嬢達よりももっと至高を貶める事が出来るわ。


あの平民好きのローズマリーを王妃の座から引き釣り落とすわ。



「お父様、策が出来ましたわ」


平民を一万人殺せば私が王妃になれる策だわ。


「滅多な事をいうでない!」


お父様は優柔不断だわね・・・反対されたわ。なら次善の策よ。



「では、これならどうでしょう。ローズマリー様が平民救済で始めた事業を潰すのですわ」


「うむ・・・良かろう」


早速、私は視察を申し出た。





☆☆☆王都近郊の都市リオル


ここにはお針子から織物職人が集まる都市。何よりも絹産業を中心に栄えている。

蚕という虫から糸を出すのね。


数百年前に西域国家から持ち込まれ細々と行われていたがローズマリーの政策で一極集中、今は西方国家で一番の絹輸出国にまでなりつつあるわ。



「ミレーヌ様、王妃殿下のおかげで皆お金持ちになりました」

「素晴らしいわ。蚕はこの葉をたべるのね」

「ええ、そうです」


「美味しそうに食べるのね」

「はい、葉が大事です」


【大変だ!火事だ!】


あらかじめボヤ騒ぎを仕込んでいた。

この隙に病気の精霊の元をばらまくわ。


「大変です。ミレーヌ様、見てきます」


フフフ、この虫を殺せば私は王妃になれるわ。



「・・・ミレーヌ様、ボヤ騒ぎでした」

「そう、大変ね。帰るわ。私がいたら仕事に支障が出るでしょう」


およそ一月ぐらいで発症するから、私にまで疑いが来ないわ。


みるみる内にリオルの惨状の噂が上がって来た。・・・クスッ。



王宮でお父様が奏上をする。



「陛下、やはり虫などに頼ってはいけなかったのです。病気のリスクがございます。元々間違いでしたのです」


「・・・うむ・・蚕は全滅か。チィナや、ワアク国から援助は期待出来ないか?」


「陛下、チィナは海禁政策、ワアク国は鎖国政策です・・」


フフフフフ、いい気味だわ。私が王妃になる。貴族で周りをがっちり固めるわ。



「良い。誰でも良いからこの問題を何とかせよ。諸外国に援助を申し立てよう」

「西域国家では女神信仰圏国家を閉鎖しております・・無理です」


「諦めてはいけない。リオルの都市は30万人規模だ。住民は一気に職を失うぞ。暴動が起きるかもしれない」


陛下は焦っているようだわ。

市井にも立て札が立てられた。この問題を解決せよとの事だ。


そこで私は父上と一緒に奏上をした。

陛下の隣にはあの女、ローズマリーがいる。


あら、私の後ろに人がいるわ。男爵?ダン家ね。最近、ウキヨエ関係で聞く名だわ。



「グルジア家。ミレーヌでございます。弟の罪を償わせて下さいませ。まず一つ、一極集中は間違いでした。今回のような問題がございます。グルジア家の領地でも養蚕を行うべきでございますわ」


「うむ。それは良い。しかし、今の急場だ。蚕はどうする?」


「次に二つ。策はございます。いささか、チィナとは縁がございます。向こうにも裏組織はございます。使者を派遣し裏組織と接触し。内陸奥地まで旅行者として侵入し賄賂で蚕を手に入れますわ」


これはイース王国が茶葉を手に入れた方法だわ。


しかし、ローズマリーが難色を示す。


「陛下、ミレーヌ嬢の策はいささか信義を損なうと思います。チィナ皇帝にお願いをしては如何でしょうか?」


また、綺麗事だ。


「王妃殿下、チィナの皇帝は傲慢にして我国の事など眼中にないでしょう。しかも、養蚕は国家機密でございますわ。それしか方法はございません。3年もあれば蚕を手に入れるでしょう」



「ミレーヌの言う事はもっともである。しかし、ダン男爵の策を聞いて判断しよう」


えっ、このしょぼくれたおっさんが策を言うの?


「・・・はい!メアリー、いや、私の策でしたら・・・あ、落とした」


紙を落としたわね。



「行きに・・三ヶ月、帰りに三ヶ月、予備を考えて1年以内には蚕様を・・・お迎えできるの~、ではなく、蚕をお迎え出来ます!」


「本当なら褒美は思いのままだ」


「はい!しかし、知己のトーマス商会を使います!貿易でかかった費用と、利権は後で相談しましょうとのことです・・・」


馬鹿らしい。

結局、私の策とダン男爵の策は同時並行になった・・・


私は準備をした。イース王国の商人と接触し。蚕を盗む算段をしている最中。

あの謁見から数ヶ月後。我が王国の港に船が入って来た・・・



「陛下!ワアク国から多量の蚕卵紙を積んだ船が参りました!商業都市連合経由です。国書もございます」


「何!手柄だ。どうやって交渉をしたのだ。まさか、盗んだのではないのか?」

「それが・・・トーマス商会が馬と交換したそうです。馬はこらから船に乗せて運びます」


な、何ですって。あの頑なワアク国をどうやって落としたのよ。


「キィ!誰よ。あの男爵がやったとは到底思わないわ」




☆☆☆



港にはメアリーがいた。

男爵の裏でメアリーが動いて作戦を立てていたのだ。


「お馬さんたち。ワアク国では大事にしてもらって下さいなの~」


「ヒィン、ヒヒヒ~~ン?」(草美味いのか?)

「ヒヒヒ~ン」(軍馬になるってよ。でも戦のない世界だってよ)



・・・フウ、上手く行ったぜ。


立て札を見て応募をした。


幕末、幕府とフランスは交流があった。

フランスの蚕が全滅をして日本に救援要請をした。

当時の14代将軍徳川家茂は応じた。


その後、フランスからアラビア馬を寄贈されたそうだ。

欧州に日本の蚕が広がっていくきっかけになった。



そして、ヨサブロウさんから聞いたが、今の将軍は・・・


『織田家康様でござる』


思わず。

『おい!』


と言ってしまった。まるでナポレオン・ブルボンではないか?


『姫・・?』

『何でもないの~』


商業都市連合はワアク国に商館を持っている。

ちょうど、魔道通信機を日本幕府に寄贈したばかりだそうだ。


魔石を多量に使い連絡したぜ。

そしたら、簡単にOKをもらった。


ヨサブロウさんの正式な名前は・・・


『拙者、平与三郎義家でござる』

『もう、いいの~』


もう、ツッコムのはやめた。


『将軍閣下の護衛をしていたでござる』

『お願いしてみるの~』



通信したら、べらんめえ調で返信が来た。


『おい、べらんめえ、こんちくしょう!帰ってこんかい!』

『上様!』


何か分からなかった。日本語だが、なまりがキツすぎたぜ。


そして、全ての準備を終えてからダン男爵に上奏をお願いした。

ちょうど商業都市連合の船が出るので乗せてもらったぜ。


グへへへ、大もうけだ。いや、これで皆が助かればいいな。がいたいけな幼女の正しい考えだ。


国際貿易をしてしまったキャリア幼女になったぜ!





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