表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
実の子が見つかったからと邪険にされたので、屋敷を出た養女の話  作者: 山田 勝


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

16/16

欲しがり義妹メアリー

「メアリー様、是非、当家の食事会に来て下さい!」



ストリートで串焼きをほおばっていたら貴族の使者が来た。

こいつ、金貨を投げて渡した奴だ。


「今、食事しているからいいの~」


としか言えないな。

顔がガーンとなっている。

でも、仕方ない。


聞けば。


「貴方は爵位あるの~?、貴族の子弟なの~?」

「平民でございます・・」


平民らしい。そうか、貴族に近い平民の使用人が威を借りて威張り散らしているのか?

本物の貴族は平民などどうでも良いだろう。生産の手段としか見ないと思う。



ハンス馬車工房に行かなければならない。新商品の子供向けの馬車は注文が来ない。

困ったものだ。




と馬車で向かっていると。

馬車の前をふさぐ女の子がいる。令嬢だ。


「ちょっと、あなた、メアリーね!」


仁王立ちだ。後ろに使用人達を大勢引き連れている。10歳くらいか?

赤毛で、紺のドレス、勝ち気なお顔だ。


ヨサブロウさんを制して馬車から降りた。



「ちょっと、あなた。私はカールハインツの姉のヘレネーゼ・ベレッケよ」


カールハインツ?カール君のことか?


「初めましてなの~、メアリー・ダンなの~」


「フン、男爵家ね。カールが会いたいと言っているのだから会いに来なさいよね!」



どうやら侯爵家のようだ。そくざに家門から爵位を言い当てるなんて、貴族を全て暗記しているのか?


「ダン家って、援助と引き換えに養子を受けるわ。でも、奇跡の建て直しをしたっていうの。運が良かったわね。もう少し遅かったら男爵令嬢になれなくってよ」


それにしても、この子・・・



「まあ、噂通りの変な馬車ね。見せなさい」

「中以外はいいの~」

「入れなさいよ!」


反抗したくなるお年頃だ。意図したいことと反対の事を言えば良いのだ。


「まあ、中は意外としっかりしているわね・・・走らせなさい」

「はいなの~」


「まあ、揺れないのね。乗り心地最高じゃない」


「メアリーは、これから馬車工房に行くの~、だからお別れなの~」

「連れて行きなさいよ!」


とこのまま連れて行き。ハンスさんに引き合わせた。



「お好きな馬車にカスタマイズできますよ」

「お城の形できるかしら」

「ええ、もちろん」


何か商談になっている。


「金貨600枚になりますが・・」

「まあ、お小遣いでなんとかなるわ。御者はメイがやりなさい」

「え、さすがに屋敷の敷地内にしましょう・・ねえ。お嬢様」

「まあ、恥ずかしいって言うの!」



顧客にしたい。砂場遊び仲間にすることにした。誘う。


「まあ、砂場遊びになんて子供っぽいわ。私はもう10歳よ」

「メアリーは7歳なの~」


「って、何よ。それ、お城を作っているの?」

「そうなの。ヘレネーザ様、お城が好きだからなの~」


砂遊び用のスコップ、バケツも作ってもらった。


「し、仕方ないわね~」


と言いながら、砂場遊び用の服も買って本格的だ。



そして、屋敷にお誘いを受けた。


「ちょっと、メアリー、屋敷内に砂場を作るから意見を聞きたいわ。来なさい!」

「行くの~」

とカール君の屋敷に行くことになった。カール君は部屋のベッドで療養していた


「お嬢様!ゴホ、ゴホ、会いたかったです」

「ちょっと、寝てなさいよね」

「お久しぶりなの~」


薄らと細めで見ると、やはり膨大な魔力に体がさいなまれているようだ。

針治療で魔力を外に放出できるように出来れば・・・


でも、いきなり鍼は怖いだろう。今できるのは、お呪いだ。額に手を当てて。


「病魔よ病魔よ飛んでいけ~」


とやったらカール君は真っ赤になった。


「メアリー!接触は厳禁よ」

「はいなの~」

「メリー、おやつ持って来なさい」


お部屋で楽しくお話をしていたら。



「お嬢様は留守です! ダネルハインケン様」

「え~、いつも居留守つかうじゃん」


わざとらしいメイドの大声が聞こえる。

先触れもなしに来たらしい。


ドタドタと駆け足が聞こえる。



ノックも無しにドアが開いた。


「やあ、いたじゃん。ヘレネーゼ、会いに来たよ」


何だ。12,3歳くらいの子だ。金髪碧眼だ。顔にニキビがあるな。


ヘレネーゼは、固まっている。恐縮している。

相当な高位貴族か?



「ご挨拶を申し上げます。ダネルハインケン・グルジア様・・・」

「ダネでいいよ。婚約者になるのだし。僕は赤毛でも気にしないよ」



・・・何だ。これは。カール君の方を見る。口をへの字にしている。



「カール、僕が当主になったら、南国の暖かい地で療養してもらうよ。さあ、ヘレネ、お茶会をしよう」


渋々、ヘレネーゼは連れ去られた。


カール君から事情を聞いた。


カール君は病弱だ。だから、当主はヘレネーゼ様が継ぐ話も出ているが問題は婿だ。

グルジア大公家が名乗りを出た。


断れないそうだ。婚約の契約日を何とか引き延ばしている。現在、ダネルがヘレネーゼにもうアタック中だと?


「ヘレネーゼ様はニキビ男はお嫌いなの~」

「ええ、性格に難ありです。それに義姉になるミレーヌ様は何か怖いです」



そうか、カール君が元気になれば良いのだな。

鍼は・・・・あるか。


「カール君、メアリーを信頼して欲しいの~」

「何をいまさら・・・お嬢様、私を助けてくれたじゃないですか?喉に詰まったニンニクを取ってくれました」


鍼を刺す。徐々に魔力を放出する回路を作る。まるで星座のようだな。


「カール君は、ベレッケ家を継ぐの~」

「自信ありません。でも、ダネルハインケン様が婿になって姉上が泣くのは嫌です」


「分かったの~」



それから、何回も通った。


ニキビ男は毎日来ているな。


だから、お茶会に乱入することにした。



「ヘレネーゼ様はズルいの~、いつも、イケメンと楽しくしているの~、メアリーも仲間に入れて欲しいの~」


何だか、欲しがり義妹みたいになった。


「ズルいの~、ズルいの~」

「君・・・まあ、いいか。そこのメイド、席を用意してあげなさい」

「メアリー・・・」



それから、メアリーは、東方諸国ワアク国の巫女の服を来てヘレネーゼ様が来る前に乱入した。



「メアリーのドレスなの~、見て欲しいの~」


ニキビ男はハッとしている。


「メアリー嬢は・・・ベレッケ家の親戚かな・・・」

「そんな感じなの~」

「金髪碧眼・・・むしろ貴族に相応しい。メアリーをヘレネの代わりにするように侯爵殿に・・・言えば・・・」


何だか、取らぬ火トカゲの皮算用をしている。

泣くか?


「グスン、グスン、メアリーはヘレネ様の代わりなんて無理なの~」


無理なの~と言ったら、ますます食いついて来た。本当に法的にも無理だ。嘘は言っていない。


「そんなことはない。貴族は血だ。血は髪と目に出てくる。貴族の色と言うものがあるのだ」



それから、ヘレネーゼを袖にし続けるようになった。2人だけのお茶会になった。


奴は勝手に目論見を話し出した。


「大丈夫だ。契約の日に結ばないと宣言を出せば成立しない。メアリーを指名するよ。父上と母上、姉上も反対しない。出来ないのだ」


「無理なの~、グスン、グスン」


そして、婚約を結ぶ契約の日に・・・



「僕はヘレネーゼ嬢と婚約を結びません。そこのメアリーと婚約を結びます!理由はヘレネーゼ嬢は貴族のちが薄いからです」


と両家のご家族の前で宣言を出した。

すると、カール君も部屋に入ってきた。



「失礼、私は大丈夫です。父上、母上、姉上の好きな相手と婚約を結んでもらうべきです」

「カール・・・」

「もう、いいの?」

「はい、すっかり病気が治りました。当主教育を受けれます」


カール君も元気になっていた。


これには大公家も目論見が外れて驚いている。


あ、私、メアリーちゃんは。


「グスン、グスン、ウワ~ン、メアリーはダン男爵令嬢なの~、独立した家門なの~、無理なの~、馬車の商談で来ただけなの~」


と泣いて誤魔化した。


「な・・・メアリー、どうした。親戚ではないのか?」

「知らないの~、だから無理と言ったの~」



「ダネル、行くわよ。帰ったら・・・分かっているわよね」

「ミレーヌお姉様・・・」


大公家の方々は去った。


カール君が元気なのを見て目論見が外れて諦めたようだ。


それから、私は・・・


「ヘレネーゼ様、馬車できたの~、お届けに来たの~」

「メアリー、様はいらないわ。ヘレネお姉様と呼んで良いのだからね」

「メアリー様、私はカールと呼んで下さい」



姉弟に引っ張り凧だ。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ