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実の子が見つかったからと邪険にされたので、屋敷を出た養女の話  作者: 山田 勝


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12/15

悪役幼女メアリー➁

「どうですか?私の考案した串焼きは?」

「却下なの~」

「ええ、何故、美味しいですよ!」


「トーマス商会は警備と場所の権利を貸してるの~」



 時々、勘違いをして、メアリーに美味しい串焼を売り込む輩が来る。

 違うのだ。うちは強いて言えば不動産屋だ。


 午後は精一杯仕事をして。


 夜8時には寝る。幼女だからだ。


「メアリー様、布団ずれていますよ」

「有難うなの~」


 マリーさんに時々子守歌を歌ってもらう。


「メアリー様は良い子ネンネ~♩」


 さて、そんな日々を過ごしていたら思い出した。

 今日は、串焼き勝負の日だ。


「忘れていたの~」

「メアリー様・・・」


ヤンさんから報告を聞くまで忘れていた。ボイドを預けていたのだ。


「ヤンしゃん。ボイドの様子はどうなの~」



 串焼きの研修を受けてもらおうと思ったが。


「それが秘伝のレシピがある。技を盗む気かと拒みました」

「ハニャ」


 まあ、そうかもしれない。


 勝負は王都東地区のフランキー商会に仲介を依頼し。繁華街で勝負をすることにした。中立の勢力だ。


 勝負場所は繁華街、酒場街だ。ボイドの主戦場らしい。相手の得意場所で勝負をするのだ。そうだ。ワザと負けてギャフンと言ってやる。




 夜5時から0時まで、メアリーちゃんは平民の服を来て目立たないようにする。

 それぞれ屋台は一人だ。


「じゃあ、勝負始めだ!」


 フランキーさんの合図で始める。


 メアリーちゃんの串焼きは・・・


「何だ。あの串焼きは!」

「見た事ない」


「どこまでも、どこまでも、馬鹿にして、そんなの串焼じゃない!」


ボイドは奮起したな。それで良い。


 フルーツ串焼きだ。東京にあったな。誰が食べるのだろう。買っている人みたことない。

 負けるにしても全力で負けなくてはいけない。

 これは売れないな。ボイドはボチボチ売れて来た。



「いらっしゃいませ!」

「おう、空きっ腹に酒は悪い。買うか・・・」



 メアリーは両手にフルーツ串焼きを持ち。宣伝する。パイナップル的な物だ。


「銅貨10枚なの~、買って欲し~の欲し~の!」

「高いな」


 日本円で1000円くらいか。

 対してボイドは銅貨2枚、200円か。


 これは売れないだろう。メアリーちゃんの負けだ。

 と思ったが・・・




 ☆☆☆1時間後


 売れ始めた。


「キャア、旦那様、買って!」

「キャサリンがそう言うのなら」


 酌婦のお姉さん達に人気だ。そうだ。フルーツが嫌いな女子はいない・・・

 東京で売られていたのはそういうことか?田舎者が買うのだとばかり思っていた。

 同伴出勤というものか?


 でも、そろそろ売り切れだ。ここで勝負は終わった。と思ったが。


「メアリー様、果物の追加ですわ」

「ハニャ、ルール違反なの~」

「いいえ、材料のサポートは規約違反ではありませんわ。ボイドさんにはヤンさんがついていますわ」


 マリーさんが果物を差し入れてくれた・・・


「ハニャ!」

 包丁で果物をさばく。主婦の包丁さばきだが。


「スゲー!」

「まあ、幼女なのに感心ね」


 ヤバい。人が集まってきやがった。

 ボイドは閑古鳥だ。


 どうしよう・・・・このままでは勝ってしまう。


 更に一時間半が経過して・・・・そろそろ8時か・・・。


「メアリーはおねむなの~、寝るの~、だから帰るの~」

「はい、はい、そうですね。帰りましょう」

「ヒン、ヒヒン?」(乗るの?)



 勝負を打ち切って帰った。これでメアリーの負けだ。

 後、4時間もある。


 と思ったが・・・



 翌日・・・フランキー商会で勝負の結果を聞いた。


「メアリー嬢の勝ち!」

「何でなの~!?」


 あの後、ボイドさんの串焼きはほどほど売れたが、売り上げも本数もメアリーが圧倒的だったらしい。




 知らないおっさんが言う。


「新規性か。串焼きはこうでなければならないと言う思い込みを打ち砕いたメアリー嬢の勝ちだ」


「誰なの~」

「串焼き評論家のダールと申します」

「知らないの~」


 ボイドは悔し泣きをしている。


「グスン、グスン・・・そんな親父から受け継いだ味なのに・・・」


 興味を持った。


「一本くだしゃいなの~」


 食べて見たが・・・・


「何で味普通なの~!むしろ不味いの~、こういうのは隠れた実力がないといけないの~!倒産はお前のせいなの~!」

「グスン、グスン、ウワー」


そうか、料理ってあれだよな。主婦が何十年料理を作ってもシェフにはなれない。

舌が馬鹿になった酔客に売れたのか・・・そこで成長が止った。


 泣き出しちゃったよ。

 仕方ないな。


「トーマス商会で研修を受けるの~、でなきゃ、衛兵隊に突き出すの~、お前の性根を徹底的に鍛えるの~」

「グスン、グスン」


「さすが、メアリー様、勝負に勝ち喧嘩でも勝ったわ」


 マリーさんが手を組んでピョンピョン飛び跳ねている。


 まさか・・本当に悪役幼女になってしまわないか?着物をジャケットとして着ている派手だ。これからは控えよう。


 と思ったが、トーマス商会に所属した事で奥様と息子は帰ってきたらしい。


「あなた・・」

「父ちゃん」

「帰って来たのか?」


 トーマス商会に所属したことで生活基盤ができたからか?

 この世界の裏組織は日本とは違う。親分が子分の仕事を世話するのだ。上納方式ではない。育てて場所代などをとるのがトーマス商会のやり方だ。



 めでたしめでたしにはならなかった。


「メアリー嬢だな。話を聞いてもらおう」

「お引き取り願うの~!」


「メアリー、ワシだ、ゼークトだ。帰って来てくれ」

「道をふさがないの~」


 ボイドの成功体験で馬車をふさぐ人が出てきた。まるで、大物お笑い芸人に土下座して弟子入りを許されたことがあった。その後土下座弟子志願者が殺到したのと似ているのか?


「帰るの~!メアリーはとっても忙しくてよなの~!」


 ますます悪役幼女になってしまう自分に嫌気がさすぜ!




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