歯みがき
わたしたちはどうしても
ことばに意味など求めてしまう
ことばはただ無邪気に遊んでいたのに
意思伝達のために役立てと隷属させてしまう
わたしは自分の人生に意味なんか求めて
わたしの人生に意味なんてないと知って
月のてっぺんから飛び降りたい気持ちになって
その時はじめて希望は地の底にあると知った
地上に激突しながらわたしはふわりと立って
はははと笑う
わたしのからだからたくさんのことばたちが飛び出して
一緒になってムイミをぶちまける
世界はクモの子でいっぱいだった
そのうち9分の1が食われて死んだ
生き残った子たちは月を見あげて笑った
いつかただあるがままに死ねたらいいな
さぁ
ただ生きよう
難しいことなんてわからなくていい
ただ元気なクモの子のひとつのように軽やかに駆け回ればいいんだ
また始まるいつもの毎日
朝の光に煌めく白い歯ブラシ




