どうする?魔王様。最強勇者 対 最強メイド?5
そんな中、ルシアが賞賛されているエレナの前に歩いて行く。
「……ちがう。エレナは魔族を倒してない。だって、戦ってた魔族はそこに…………」
「……あー! わー! ルシアちゃん? 後でお菓子を好きなだけ食べさせてあげるから、今は静かにしててねぇー」
慌ててエレナは喋っているルシアの口を手で覆い隠した。
ルシアはお菓子と聞いて目を輝かせると素直に頷いた。
「じゃあ、みんなありがとう! またなにかあったら助けに来るから安心してね!」
エレナはそう言って集まった観衆に手を振ると、ボク達を連れてその場を後にした。
一旦、エレナが泊まっているホテルの一室に戻るとエレナはお金の入った袋を床に置いた。
そして、エレナは椅子に腰掛けて「ふぅ~」っと一息吐く。
「いやぁ~、結果オーライ! 予想外に儲かっちゃった!」
「納得できません。私は倒されていませんよ? その報酬は私かソアラ様に渡すべきです」
怒っているセシルにエレナが不適な笑みを浮かべる。
「なに? 文句があるの?」
「当たり前でしょう? 魔族であるソアラ様と私に対して失礼だと思いますせんか?」
「まあ、あなたにはともかくとして……ソアラちゃんには御礼をしなきゃね!」
エレナは金貨の詰まった袋から半分をボクに渡した。
「はい! これはソアラちゃんのね! また、お願いね!」
「……こ、こんなにたくさん!?」
ボクは金貨を分けられた袋を見て驚愕する。
これだけあれば一年遊んで暮らせるだけの金額はある。
セシルは金貨をソアラが受け取ったことで満足しているのか、微笑みながら頷く。
「正当な報酬です。ソアラ様? 対価は魔族にとって当たり前の権利なのです。これでも少な過ぎるくらいです……」
「なら、もらっておいた方がいい?」
「もちろんです……」
セシルにそう言われたボクはエレナから貰った袋を受け取った。
それを見たセシルは表情を和らげて微笑んでいる。
「さて、とりあえずはもう時間も遅いですし。ソアラ様もルシア様も魔王城に帰りますよ?」
「うん」
ボクはセシルに頷いたが、隣にいたルシアは不満そうにうつむいている。
「まだルーはエレナにお菓子もらってない……お菓子もらうまで帰れない」
「ほら、ルシア様。お菓子は私が作ってあげますから、帰りましょう?」
セシルがルシアにそう言ったが、ルシアは首を横に振った。
「……やだ。セシルの作るお菓子はおいしい。でも、エレナの買ってるお菓子もおいしい……手作りと売ってるお菓子は違う。ルーは両方ほしい……」
「ほら、わがまま言う子にはお菓子作ってあげませんよ? ルシア様。早く帰りましょう!」
「やーだ! おかし、おかし、おかし……」
エレナにしがみついて駄々をこねるルシア。




