魔王様。勇者の双子の妹と出会う!?5
ボクは前を歩いているエレナに話し掛けた。
「ねぇ……どこに行くの? さっきからずっと歩いてるけど……」
「えっと~、ほら! ちょっと、道に迷ってるだけでぇ~」
明らかに動揺しているエレナに、ボクは不信感を露わにしながら訝しげな目で見た。
(……やばい。完全にソアラちゃんに疑われてる! お腹いっぱいにしてお散歩してれば、眠くなって宿屋に連れ込めると思ってたけど、全然眠くならないなんて!)
エレナは冷や汗を掻きながら、再び歩き出す。
ボクとルシアは無言で歩き続けるエレナの後をついていく。
エレナはボク達を連れて来たのはホテルの一室だった。
彼女は頼みたい事があるということだったから、どこに連れて行かれるのかという不安があったが、ホテルに来たということは大したことではないと分かって安心した。
ホテルの部屋に入ったら、エレナはボク達にジュースを出した。
「歩いて疲れたでしょ? はい。ジュースでも飲んで!」
「ありがとう」
「……おいしい」
ボクとルシアは出されたりんごジュースを手に取った。
ジュースに唇を付けると、ボクはジュースを一口飲んだ。
エレナは少し言いにくそうにもじもじしながら話し出した。
「……じつはね。ソアラちゃんとルシアちゃんにお願いしたいのはこれなんだ……」
そう言ったエレナはゴソゴソと何かを探すように部屋のクローゼットを漁ると、大きなボードゲームを取り出す。
エレナはボードゲームを広げるとボク達に微笑みかけてきた。
それは駒を使ってマス目の上で戦わせるゲームだった。
「これをやって欲しかったの。実はうち、こう見えてもボードゲームとかのパーティーゲームが趣味でね! でも、ボードゲームとかって一人ではできないでしょ? だから、ソアラちゃん達に手伝ってもらいたくて……」
エレナは少し恥ずかしがりながらもボク達に言った。
だが、これもエレナの作戦だったのだ。
(ふふふっ、子供はゲームが好きだからね! ゲームで心の距離を縮めて、脳を使わせて疲れさせてしまえば、後はこの子達が眠ってしまえばこっちのものよね!)
そんな思惑を持っているエレナは口を押さえてニヤニヤと笑っている。
それを見たボクは純粋にエレナがボードゲームができて嬉しいのだろうと思って笑顔になった。
エレナが持ってきたボードゲームは猫をなって、サイコロを振って進んで大きな魚に変えていくというものだ。
最初はメダカから始めて、最後にはクジラになる。クジラはさかなじゃないって?
ゲームだからいいのです……
ボードゲームを持ち上げてボクとルシアに見せたエレナがゲームの説明を始める。




