村に住む少年、死んで女の子で魔王様になる。3
女性は妖艶な笑みを浮かべたままボクの手首を握っている。
「可愛い反応ね……その反応。あなたはもう立派な女の子なんだから、諦めなさい?」
ボクは必死で腕を振りほどこうとするが、女の子になったボクは非力過ぎて彼女の腕はびくともしない。
「はなして! ボクを男の子に戻せないなら、せめて家に帰してよ!」
女性は小さくため息をついた。
「だから諦めなさいって。あなたはもう普通の生活には戻れない……だって、あなたはもう魔族なんですもの」
「……ま、まぞく?」
ボクが驚き目を見開いていると、彼女は悪戯な笑みを浮かべると片手でボクの両腕を掴んだまま、指でボクの下腹部を突いた。
すると、下腹部が焼けたように熱くなり赤い紋章が浮かび上がる。
そして、下腹部に電撃が走ったような感覚が貫きボクは仰け反った。
「ふぇっ!! んんっ……あっ!!」
彼女はボクの下腹部にある紋章を指で撫でる。
「ひゃああんっ!!」
背筋に電気が走るような感覚と共に強烈な快感がボクを貫き、腰が砕けたように膝から崩れ落ちる。
彼女はニヤリと微笑んで言った。
「あなたには私の代わりをしてもらうわ。今日から私に代わって魔王になってもらいます」
「……ま、魔王!?」
ボクは驚きを隠せずにいると、彼女は悪戯な笑みを浮かべて言った。
「そう、魔王です。私は勇者を倒したら、なんかなんにもやる気がなくなっちゃったの……世界征服とかもう飽きたので引退してバカンスに行くことにしたの。だから、あなたは私の代わりをしてもらうことにしました」
彼女はそう言ってボクの両腕を引っ張ってボクの顔を真っ直ぐに見つめる。
「あなた、胸はないけど……顔は可愛いし、ちょっと全体的に幼い感じだけど十分魅力的よ。あなたなら私の代わりにしても合格だわ……」
「なにを勝手に! ボクは魔王になんてならな……んっ! んあっ!! あっ……んんっ!!」
彼女が再びボクの下腹部にある紋章を指で突くと、ボクの体に電撃のような衝撃が走り下腹部の紋章が真っ赤に輝きお腹が熱なってどうしようもなく疼いて全身の力が抜ける。
「ふふふ……これは命令に逆らえない魔族印よ。これを体に刻まれた者はご主人様の命令に逆らうことはできない。絶対服従の証……ほら、お腹が熱くて疼いてたまらないでしょう?」
「はぁ……はぁ……や、やめ……てぇ……んっ、あんっ!」
頬を赤らめながらボクは唇を噛み締める。
「私……フィオレア・ベルゼブブが命じる。我が半身ソアラ・ベルゼブブは今日より魔王となり世界を征服せよ!」
「うっ……んっ……は、はい……わかりました……」
口が勝手に言葉を発すると、下腹部の赤く光っていた紋章が収まる。




