魔王様。ダンジョンで絶体絶命?7
ドラゴンはルシアに向けて鋼鉄のような漆黒の鱗に覆われた尻尾を振り抜くが、今度はルシアががっしりと振り抜かれた尻尾を地面を踏ん張って受け止めた。
「……とぉーりゃー!!」
ルシアはゆっくりと喋りながら尻尾を掴んだまま走り出すと、黒竜の巨体が浮き上がってそのままルシアに投げられるようにして地面に叩きつけられた。
「……ふふーん。どうだぁー」
ルシアは尻尾から手を放すとパンパンと叩いて腰に手を当てて誇らしげに胸を張っている。
ルシアは徐に手を前に突き出す。
「……来い」
呟くようにルシアが声を発すると、どこからともなく金色の大剣が飛んできてルシアの前の地面に突き刺さって止まった。
「やっぱり。首は落とさなきゃ危ない……ドラゴンをちゃんと倒す!」
のんびりと喋った後、ルシアはキリッとした表情で飛んできた大剣を掴むとそれを引きずるようにして歩き出した。
ルシアの数倍はある金色の大剣を構えると、くるくると地面を回転してコマのように高速で回転しながら黒竜の方に向かっていく。
ブーメランのように空中を飛びながら黒竜の首を切り落とすと、ルシアはそのままブーメランのように戻ってきて岩の壁に大剣を突き刺して止まった。
「ルー!! すごーい!!」
「……ありがと」
ボクはパチパチと拍手すると、ルシアは大剣を岩から引き抜いて地面に飛び降りるとぺこりと頭を下げた。
大剣を地面に刺すと、ルシアは倒した黒竜の方に歩いて行って腰のベルトを外してバッグを両手で上に掲げた。
すると、ルシアの上げていたバッグに黒竜の巨体が吸い込まれて消える。
「これでよし。もう、出て来れない……」
ルシアは満足そうにポンポンとバッグを叩いて腰にベルトを巻いた。
その直後、ルシアのお腹がぐぅーっと鳴る。
「……お腹すいたぁ~」
ルシアはお腹を撫でながら、ボクの方をよだれを垂らしながら見つめた。
「……えっ? な、なに? 食べてもボクはおいしくないよぉ!?」
「ちがう……シュークリーム」
「ああ、そういえば約束だった……なら、行こう!」
ボクはルシアへ手を差し出すと、ルシアもボクの手を握り返す。
その後、ボクとルシアはスッと姿を消した。




