魔王様。ダンジョンで絶体絶命?5
「あっ……たすけ……」
「……こくん」
女の子は頷くと拳を握り締めて穴の中に向かって振り抜いた。
すると、物凄い風圧と一緒にスライム諸共ボクの体を穴から押し出した。
穴から噴き出たボクを女の子が空中でキャッチすると、地面に着地してボクの顔を不思議そうに見つめた。
「……大丈夫?」
「はぁ……はぁ……ありがとう……ありがとう……ぐすっ……ひぐっ……こわかったぁ……こわかったよぁ……」
ボクは女の子に抱きつくと、助かった安堵感から涙がとめどなくあふれ出してくる。
「スライム……気持ちいいけど……あまり長く入ってると……あぶない。だから、ようす見にきた」
「ありがとう……おかげで助かったよ。ボクはソアラ……きみは?」
「ルーはルシア……ルシア・エイドリックス。長いからルーでいい」
「うん! ルー。本当に助けてくれてありがとう! お礼に帰ったらセシルにシュークリームを作ってもらうから一緒に食べよ!」
「……うん」
ボクはキラキラとした瞳でルシアの手をぎゅっと握ると、ルシアは小さく頷いた。
「ルーはなんでここにいるの? ダンジョンは危険なんだよ。誰かと一緒?」
「ルーはひとりできた。モンスター狩ってお金貰ってる……ここに来たのは強い魔力を感じたから……そしたら、ソアラが気持ちいいことしてた……スライム。気持ちよかった?」
「気持ち良くない! 死ぬかと思ったんだから! あんなの怖いだけで、ぜんぜん! 気持ち良くなんてない!」
ルーは怒ったボクを見て不思議そうに首を傾げている。
「ルーも気持ちいいからたまにスライムの中に入る。ソアラは違うの?」
「ちがう! 気持ち良くなんてない! もう、いいよ……それより早くここを出よう」
「……あっ、ソアラ」
「んっ? ルーどうしたの……うわっ!!」
ふらふらしながら歩き出したボクはルシアの方を振り向いた直後、また別の穴に落っこちた。
「んあっ……ま、また……んっ……やだぁ……おまたにぃ……はいってぇ……はいってこないでぇ……んんっ!!」
「……気持ちいい?」
「んっ……あっ……ルーたすけてぇ……」
「気持ちいいって言ったら助ける」
しゃがみながら穴に向かって言ったルーに、スライムにもてあそばれたボクは顔を真っ赤にさせながら叫んだ。
「ごめんなさいでした……きもちいいですぅ……だから……はやく……はやく、たすけてぇ……もうやだぁぁぁああああああああああっ!!」
そんなボクの悲鳴だけかダンジョン内に響いていた。




