魔王様。ダンジョンで絶体絶命?2
店長は嬉しそうなボクを優しく微笑んで見送った。
勇者が修行していると分かれば、ボクも強くなるしかない。
強くなる修行と言ったらダンジョンだ。もしかしたら、勇者にも会えるかもしれない。
期待に胸を膨らませてボクは街を出るとダンジョンを目指して走り出す。
意気揚々とダンジョンに入るとボクは奥にどんどん入って行った。
「しゅぎょ~! しゅぎょ~! ゆうしゃにかつぞ~! ボクはつよいんだぁ~!」
ボクは鼻歌まじりにダンジョンを進んでいく。
ダンジョンの中には光り輝く宝石が大量にあって、それがランプのように暗闇を照らしている。
「んふふっ……勇者がしゅぎょーしてるならボクもしゅぎょーして勇者をびっくりさせるんだぁー」
ボクは口を手で覆ってニヤニヤと笑っていた。
「しゅぎょ~! しゅぎょ~! しゅぎょ~! しゅぎょ~! しゅ……しゅ~くり~む! しゅ~くり~む! 帰ったらセシルにシュークリームを作ってもらうんだ~」
修行から帰ったらセシルにご褒美にシュークリームを作って貰おうと思いながらどんどんダンジョンを進んでいく。
なぜか、ダンジョンの中にはモンスターがいない。
だが、不思議なのは辺りには戦闘の跡が残っていることだ。
あちこちで壁や床が削れてたりしていて何者かが戦った後が残されている。
「……もしかして、勇者が倒したのかなぁ~。エクセリアがいればいいなぁ~」
ボクは辺りを見渡して勇者の姿を探し、ワクワクしながら歩いていた。
ドカンッ!!
突然、辺りの地面を揺らすほどの地響きが鳴り響く。
「えっ? なに?」
ボクはびっくりして立ち止まり、怯えたながら体を振るわせ辺りを見回した。
すると、今まではピクニックの延長くらいの気持ちだったが、
ここがモンスターがいる危険なダンジョンなのだということを思い出させてくれる。
それを思い出したら急に怖く感じてきて、足が震えだしてきた。
恐怖に足がガタガタと震えて涙目になってしまう。
ボクは恐怖心に支配されている最中だった。
ドーンッ!!!
さっきよりも大きな爆発音が再び辺りに響き地震のように地面が大きく揺れた。
「いやぁ……こわい……いやああああああああっ!!
悲鳴を上げながらボクは全速力でわけも分からず辺りを見ることなく目を瞑って走った。
「はぁ……はぁ……こわい……いやぁ……やだよぉ……もう死にたくない……」
息を切らしながらがむしゃらにその場から離れるために走り続けていると、急に地面が崩れて崖を転がり落ちた。




