5話 魔王様。ダンジョンで絶体絶命?
ボクは平原で勇者を待っていたが、いつもはすぐに来るのに今日はなかなか現れない。
待ちくたびれたボクは勇者を探すために街に向かった。
街は人が多く、繁華街は賑わっていた。
「……勇者? どこ?」
ボクは勇者の姿を探して街を歩く。
勇者は金髪碧眼だから、探すのは簡単なほうなのだが今日は全然見つからない。
ボクは勇者を探して酒場にやってきて
いた。
ソアラの体よりも大きい木の重い扉を開けて中に入る。
酒場は人でごった返していたが、ボクは勇者を探して酒場の客を1人ずつ見ていった。
「……勇者? いない」
ボクは悲しそうにがっかりして肩を落とす。
勇者が見つからないので、諦めて酒場から出た。
次に向かったのは服屋だった。勇者も女の子だかわいい服とか買ったぐらいするだろう。
大きなウィンドウには流行りの服がマネキンに着せて飾っている。その店に入ると、店の中は女性ばかりだった。
きょろきょろしながら勇者を探す。
服屋の中で勇者を探していたソアラを女性達はキャーキャー言いながら生暖かい目で見守っている。
店内をきょろきょろしながら勇者を探すがどこにも居なかった。
「……勇者? どこ」
ボクは悲しそうな顔で瞳を潤ませながらがっかりしたようすで肩を落とす。
武器屋と防具屋にも行ったが、そこにも勇気はいなかった。
最初の意気揚々と勇者探しをしにきたソアラは、もうどこにも居ない。
肩を落としてしょんぼりしながら重い足取りで最後にメイドカフェのにゃんダフルワールドに向かった。
「……エクセリア?」
弱々しい声で店内を見渡しても勇者は居なかった。
そこにサングラスを掛けたスーツ姿の筋骨隆々の店長がやってきた。
「ソアラちゃんじゃない! なにを暗い顔してるのにゃん! ほら、笑ってにゃんにゃん!」
「……にゃんにゃん」
テンション低くソアラは店長に向かって言った。
「ソアラちゃんは今日は働いてくれないの? できればまたすぐにでも入ってほしいな。エクセリアちゃんはなんだか、修行しないととか言って当分はシフトに入れないって言われちゃって……」
「……エクセリアが修行!? ほんと!?」
店長の言葉を聞いた途端ボクは嬉しくなってパァーっと笑顔になった。
「本当よ。困ってしまってね。キャストは多い方が属性別にご主人様の帰宅率が違うのに……この店をさらに有名にするためにエクセリアちゃんもソアラちゃんも重要な逸材なのに……」
「ボクも修行するから少し来れなくなるかも! 店長さん。ありがとう! にゃんにゃん!」
ボクは満面の笑みで猫の手を作って店長にお礼を言って店を飛び出して行った。




