魔王様。メイドになるにゃん?7
「ご苦労様! なら、この金貨は約束通り私の物ね!」
「ちょっ……ちょっと! それはボクが働いて貰ったお金だよ! 返して!」
「はぁ? あんた……責任取るって言ったわよね?」
エクセリアはソアラを鋭く睨むと威圧するように迫った。
「でも、でも……それはボクが働いて貰ったお金で……それに金貨一枚なんて大金。弁償するにしても高すぎるから……」
「はあー? 迷惑料でしょ? 金貨一枚でも格安よ!」
「でも……でも……だって……ボクのお金……」
エクセリアは金貨をソアラから取り上げる。
「うるさいわね! ガキは早く帰って寝てなさい! しっしっ!」
「ひぐっ……ひぐっ……ひっく、ひっく……うぅ、ひどい……ひどいよぉ……ぐすっ……ひぐっ、ぐすん」
エクセリアから受けた仕打ちに、瞳に涙を溜めて堪えていたソアラはとうとう泣き出してしまった。
「魔王のボクからお給料を奪うなんて……ひぐっ……勇者めぇ……おぼえてろよぉ……うぅぅ……ひぐっ……うわぁああああん! ひとでなしぃー!! エクセリアなんて大っ嫌いだぁああああああああ!!」
ソアラはそう言って泣きながら姿を消した。
魔王城に帰ってきたボクは泣きながらセシルに抱きつく。
「うわぁああああああああん!! 勇者にお金取られたよぉー!! セシルぅうううううううう!!」
「あらあら、よしよし……いい子、いい子……」
セシルの胸に飛び込んだボクは泣きながらセシルに甘える。
彼女も分かっているのか泣いているボクを抱きしめて優しく頭を撫でてくれる。
「ソアラ様。今日はよく頑張りました! ソアラ様は世界一えらいですよぉー」
「ぐすん……セシルぅ……ひっく……ありがとう……」
「もう、甘えん坊さんなんですから……ふふっ、そうだ! 頑張ったソアラ様には、ご褒美にオムライスを作ってあげましょうねぇー」
「オムライス! やった~! ボク、オムライスだいすきぃ~」
泣き止んだボクが嬉しそうに笑って顔を上げると、優しく微笑んだセシルがボクを抱きしめてくれた。
優しいセシルにはついつい甘えたくなって、心が癒されてすごく落ち着く。
「私の作ったオムライス。美味しいですか? ソアラ様」
「うん! 美味しい!」
「あらあら、ソアラ様? ほっぺたにご飯粒が付いてますよ?」
「えへへっ……ありがとう!」
笑顔でセシルにお礼を言ってボクはまたオムライスを食べ始める。
「セシル……ボクね。またセシルにオムライス作ってもらえるように、いっぱい頑張ってきっと勇者を倒すね!」
「はい。またソアラ様の好きなものいっぱい作ってあげますからね。頑張るのもいいですが、無理はしないで下さいね……」
「うん!」
ボクはセシルの愛情がたっぷり入っているオムライスを食べると意地悪な勇者に絶対にリベンジすると心に誓った。




