魔王様。メイドになるにゃん?2
「そう、ソアラね。ねぇ~、ソアラ? 私の服と装備をスライムで溶かしてくれたわよね?」
「……それは勇者がボクの瓶を奪って……それに、ボクだって服を溶かされ……」
「わ・た・し! の……服と装備を溶かしてくれたわよね?」
「……はい。そうです」
エクセリアの威圧感にソアラは小さくなってうつむいてしまう。
「なら責任取って私と働いてもらうから……あと、ソアラは何歳?」
「……10歳です」
「分かった! 20歳ね! なら、募集要項は大丈夫ね……あと、私の事は勇者じゃなくてエクセリアと呼ぶこと! いいわね?」
「……はい」
それを見たエクセリアは微笑むとポケットから紙とペンを取り出す。
ソアラはエクセリアが差し出してきた紙を受け取ると、涙を流しながら震えた手でサインするのであった。
にゃんダフルワールドの店に入るとエクセリアはカウンターにいる猫耳と尻尾の生えたメイド服を着た巨乳の少女に向かって笑顔で話しかけた。
「この求人募集ってまだやってますか? 私と友達も一緒に働きたいんですけど?」
「はーい。にゃんにゃん! お帰りなさいませにゃん! お仕事の面接ですね! なら、奥の部屋にどうぞ! 店長が待ってますにゃん!」
エクセリアとソアラは店の奥の部屋に入る。
店の奥の部屋に入ると猫耳と尻尾の生えたサングラスをかけたスーツ姿の筋骨隆々の男が座っていた。
男はソアラとエクセリアの前まで来ると拳を握りしめたまま頭の上に振り上げる。
「ようこそ! 私が店長のダリルだにゃん! さっそく面接を始めるかにゃん?」
ダリルは手を猫の手のようにすると猫撫で声で小首を傾げながら言った。
今にも泣き出しそうな表情で瞳に涙を溜めたセリアの横で、エクセリアは引きつって笑ってそれを見ている。
ソファーに向かい合って座る店長はエクセリアとソアラの顔を前屈みになって見つめるとニヤリと笑った。
「二人とも可愛い子だから即採用にゃん!」
「でも君、本当に20歳か? 見た感じ10歳くらいにしか見えないが……」
サングラスがソアラの顔を凝視し、恐怖に震えたソアラが泣き出してしまう。
「ひぐっ……ひぐっ……」
「ああ、すまない! 泣くほどとは! 疑ったつもりはないんだ! ごめーんにゃん!」
どえやら、ダリルはソアラが泣いた方を別の事に解釈したらしく謝罪しながら頭の上で猫の手のポーズを取る。
冷や汗を流してその様子を見ていたエクセリアはホッと胸を撫で下ろす。
「さて、それじゃ! 二人にはさっそくお給仕して貰うにゃん! この制服に着替えるにゃん!」
ダリルがパンッと手を叩くと猫耳と尻尾を付けたメイドがやってきた。
「はい! あなた達もこれに着替えて!」
「……にゃん!」
ダリルが叫ぶと、猫耳メイド服を着た少女が慌てて言い直す。
「……ッ!? これに着替えるにゃん!」
「はい! 分かったにゃん!」
「……にゃん」
エクセリアは制服を受け取って敬礼する。




