天国行きから異世界へ あらすじ
天国行きから異世界へ
18歳の西野雄太が死んだとされ、神に会う。神は彼が善行が極みまで達した言い、天国行きになったが、西野は異世界へ行くことを選ぶ。
西野は森にいた。黒い学ランに制服姿だった。彼はそこから歩いていく。
森を出ると沼地だった。沼地でスライムのような泥の塊のようなものに出会う。魔法のようなものを使い、それらを撃退する。
西野は草原へ出る。草原では鹿のような生き物に出会う。またリスのような生き物にも出会う。リスは石を持っていて、それに執着している。
(西野はもう一方のそれに遠隔で繋がっていると見られる魔法の筒のようなものを見つける)
西野は草原を焼き尽くす。持っていた木の棒を立て全ての生き物の墓標とする。
西野は草原で塔を見つける。塔の内部は二重螺旋の階段になっていて、頂上まで登れない螺旋を登っていた。彼はそこから落ちるが塔中を水に満たすことで転落死を逃れ、塔の頂上まで到達する。
西野は塔の(頂上から竜のようなものが飛んでくるのが見えた。)頂上に一人の女性が立っているのを目撃する。彼女は後ろを向いていて、何かを探している。彼女はどうやら魔法使いのような格好をしている。竜は彼女に属するものである。
魔法使いと見られる女性は異世界に来た日本人女性だった。彼女の名前は錦戸咲良、出身は東京。22歳。中学生の頃に死んで、9年間この世界で過ごしこれまでに魔法を学んできた。彼女はこの草原に異変が起こったので竜に乗ってこの地に来たと言った。西野は「俺がどうにかしました」と素っ頓狂なことを言った。彼女はこれを信じた。
錦戸は西野を竜に乗せて連れて帰ることにした。彼女は彼に角の生えた帽子を被らせた。彼女の魔法使いのローブには角が生えていた。正しく赤竜角魔女である。彼女は竜の名前をジャールーであると明かしていた。
(錦戸は「神に愛されていると言うような人はいますよ」と言った。彼女はそれを王の孫の意図で言った。また彼女は外見以上に容量の大きい魔法の袋を持っていた)
錦戸と西野は野を超え山を超え、茶色い土の山に着いた。そこの穴に竜と共に入っていった。そこには汚れたような小人がいた。彼女はそれをディンボドーであると言い、西野はそれを人間と認めないが、錦戸は人間だと主張して譲らない。
西野と錦戸は山を歩いて、ゴンドラのようなものを使ってディーズリーズの街に降りていった。
ディーズリーズの街では西野が「似合ってますよ」と言い、錦戸が「それってどういう意味ですか?」と多少立腹を含んだ冗談のような揶揄いあいがあった。
その街で三体のディンボドーが争っていた。それに巻き込まれて錦戸は顔に大きな傷を負う。西野は「大丈夫ですか?」と問い、錦戸は「大丈夫じゃないです」と答えた。
路地裏に逃れた彼らはそこで西野が「錦戸さんのイメージの光」によって彼女を治療する。
(西野は錦戸を励まして、彼女が学生時代からの憧れの扉の魔法を使えるのだと主張した。彼女は魔法書のような分厚い本を参照しつつそれを使い、彼女に与えられた人里離れた家に連れていく)
錦戸の家は彼女を守るために王から与えられたものだった。そこで彼らはしばらく過ごすのであるが、そこには走竜がいた。西野には部屋が与えられ、広いところで錦戸と共に食事をする。
西野は錦戸と霊的な交流を図り、彼女が獲得した言語的、魔法的知識や技能をそのまま受け継ぐ。明示的にはできなくても、無意識にできるようになっており、この世界の人々と通訳なしに会話ができるようになった。その後彼女は彼に「何か力になれることはありますか?」と尋ねるが、彼は「大丈夫です」と返す。
西野は地下室で結界の中に低反発で押されながらも中に入って、そこで錦戸から魔法を学んだ。火の魔法であり、(外でも学んだ)。その途中西野は火の魔物を生み出してしまい、危険な状況となったが、水で押し流し、錦戸の真下に開いた扉の魔法で、彼女の知る適切な処分場へそれを捨て去った。(危機的状況に反応して甲冑の無人兵士が動き出した)
彼らは走竜に乗って、王都まで行くことになった。
その途上、西野は満天の星空を見て世界に思いを馳せる。(錦戸のテントに入って西野は寝た。そこは内部の空間が外部から見たよりも大きかった。彼女は外で寝た。西野は神に愛されているのは錦戸さんの方ではないかと思う)
王都は廃墟から始まってそれが長く続いた。人が住んでいる領域の外側を廃墟帯が包んでいるのである。
錦戸と西野は宿屋に泊まった。西野は「泣いても笑っても偉大な仕事はできない。今自分にできることをやろう」と心の中で言う。その夜そこで元々は同じ階の別の部屋だったが、西野は夢で歩いている時に突然闇に落ちる夢を見る。そのため彼は死を恐れた。彼は錦戸の部屋に押しかけ「一緒に寝てください」と言う。彼は一人でベッドの下にいたつもりだったが、朝起きるとベッドで一人寝ていた。体育座りして俯いていた錦戸は顔を上げ「今度はちゃんと一緒に寝ましょうね」と言う。
錦戸は西野を連れて王城へ行く、そこで王に謁見する。王は彼女を知っていて、西野は錦戸のパートナーということになっていた。演技という観点で「そこは有り余る才能でどうにかする」と西野は心に言う。そこで彼らは王の孫で王位継承者であるデゴルボルンと出会う。
(冒険者ギルドに知り合いがいて、そこで彼らはゼイログという白い鹿のような生き物によって願いを叶えてもらうことにした)或いは(何かしらの問題が起こっているので解決することにした)
冒険者ギルドでダギル及びディークという男性とビジャステラという女性と出会う(ビジャステラは「私ビジャステラ」と自己紹介する)
彼らは硬貨と走竜を交換して、その場に召喚し草原へ向かっていった。西野はディークの走竜に乗っていた。
草原でゼイログに出会う。その生き物は去っていく。その途中戦闘民族と出会う。
西野はビジャステラの結界の中に留められていた。西野以外の一行は魔法を使い戦闘民族と戦うこととなった。
(ダギルは死ぬが、西野は死者蘇生魔法を発案し、彼を蘇らせる)
西野は後先を考えずそこから抜け出して、大水によって全てを押し流した。(その場には魔法の袋が残されていた)錦戸咲良は消失した。
西野の他に「一なるグドア」を名乗る戦闘民族の一人がいた。
彼は色々と話したが話が噛み合わない。彼らは走竜に乗ってゼイログの森へと行くことになった。
ゼイログの森に着いた。(ここでのタイトルが不満月と未満月)
森の奥に湖があり、白い鹿のような生き物であるゼイログがその上を歩いていた。
(ゼイログに望み、記憶を消した状態でダギル、ディーク、ビジャステラを元に戻す。西野は黒い真の球のような塊を頭にした生命を作り出し、ダックスフントのように歩かせ、湖の中に倒れさせる。ディークは西野に「魔法の袋に人を入れることは罪に問われなければならない」ということを言う。西野はどの立場からでも正論は作れると心の中で言う。)
(「悪なる衝動」「懐柔と生還」というタイトル)ゼイログは悪夢を見せた上でその人の願いを叶える。時には自殺衝動に駆られることもあるというが夢の記憶は消され感情だけが残される、西野は問題なかった。彼は錦戸咲良の召喚を望んだ。(或いは新しい創造)水の中に黒い影が現れ、引き上げると錦戸咲良であった。
(彼女以外は全て元いた都市などへ帰した。錦戸の状況だけが困難だったのである。)
西野と錦戸はゼイログに乗り、東へ向かって飛んでいく。その道中、西野の錦戸への一人称は僕から俺へと変わり、力関係で彼女に優越するような雰囲気が漂い始める。
ゼイログに乗る西野と錦戸が行く中、竜が空に固まって飛び交っている場所に辿り着く。そこで彼らはその竜の結界を貫く(「貫く神銃」)
巨大な砦が見えてくるそれは手前から地平まで覆うような複雑な構造である。錦戸は西野にザナレルという魔王の城であることを示唆する。
城砦の上で錦戸は落ちる。西野は急降下し「錦戸さん、絶対に助けますから」と叫ぶ。その言葉通り彼は彼女を救う。
城砦の広場において、そこはまた二重螺旋の塔の頂上のような場所なのだが、そこで西野はゼイログを結界の中に押し込めて、丸い眼球のようにして、捨てる。「お前は使えないな」「お前の使い方が悪い」というのが彼らの最後の会話である。
西野は沈降と隆起を繰り返しながら最終的に命を失うくらいが丁度良く死の恐怖も感じないと思いを巡らす。
西野は絶壁になっているところにいた、そこで錦戸が「死んだらどうするんですか?」と言ったのに対して「俺は死にません」と言ったことを宣言する。
西野が2秒で考えたようなと比喩したキメラのような竜が来た。西野と錦戸はこれを銃弾のように貫いて殺した。竜から血が出る。
(「盤面は詰んでいても人生は続くということを錦戸さんに見せてあげたい」)
錦戸は竜の血を飲んだら永遠に生きるようになるというこの世界の言い伝えを西野に知らせる。
すると竜から赤い血液が溢れ出し、全てを飲み込むように洪水となった(タイトル「死滅と氾濫」)。西野は錦戸がいない状況で結界を張り難を逃れる。
(竜の血から跳ねた丸い何かはある意味では生きていた。)
西野は結界についての考察をし、竜の血についての考察をし、前者では内部の空間の広さを外見とは異なるようにした時に時間の流れが内外で変わること、後者では竜の血による謎の生き物を「流竜血塊」と名付けた。(「粒々と掛かっていてお得だった」)
西野は竜の血の塊から抜け出した。すると錦戸がいた。「西野さんを探していました」(西野には長くても数十分、錦戸には三週間の経過であった。)「どうして探したんですか?」「だって死なないって言ったじゃないですか?」「流石に僕も死にますよ」
西野は魔法の筒と扉の魔法の組み合わせで元いた場所へ帰れると確信する。錦戸の力によって、二人で過ごした人里離れた家に戻る。彼女はその家で彼と食事をとりながら魔法の禁忌を破ることの重大性を半ば冗談混じりに伝える。彼女自身はそれほど規則を破ることに深刻さを感じていない模様。
(錦戸は度々「偉大な魔術師たちが決めたんです」と魔法使いの規則について言及する)
西野と錦戸は王都の王城にある錦戸の部屋へ行く。王城はそもそも空間が歪んでいて、そこだけで生活している人がいるほどである。散髪屋などもある。
西野は思うところがあり錦戸の元を離れようとする。何より彼は彼女のことを鬱陶しく思っていた。ある種の保護者のように感じていた。
錦戸は彼の両肘の辺りの両袖を掴み「西野さんは私のこと嫌いなんですか?」と言った。西野は「いや、好きですよ」と言い、彼女の顔が可愛くなったような気がしたのでキスをした。錦戸は「ここにいてください」と言って、扉の魔法を使いその場を離れる。
西野は彼女の言いつけを守らず家を出た。様々なことを考えながら、どこへ行こうかと思い巡らせた後、元いた彼女の部屋に帰った。
その夜錦戸は「お金なら私が出します」と言って、彼の生活を支えることを伝えた。しかし西野は「人の心を動かす魔法はありますか?」と錦戸に尋ねた。彼女は「ありますけど、そんなの駄目です」と首を振る。彼は「もう一度キスしてもいいですか?」と聞く。彼女は沈黙する。「駄目ですか?」彼女は首を振る。「じゃあ来てください」彼女はゆっくりと彼の元へ歩み出す。西野は錦戸の肘の辺りの腕を掴み、逃げられないようにして口付けをした。
西野は何度も繰り返すように口付けをする。錦戸咲良は「いつまでやるんですか?」と尋ねる。西野雄太は「錦戸さんが倒れるまで」と答える。半ば無限ループといった状況になった。彼は彼女の背中に手を回し、彼女を抱きしめ、「疲れましたよね。休んでいいですよ」と声を掛けて、彼女の背中をさする。彼女は彼に寄りかかるようにして静かになる。彼は大人の重さの女性を抱き上げて寝室へ連れていく。彼女の顔を眺めたか眺めなかったか、彼は言葉をかけてその部屋を後にする。
西野は一人で生きていくためにはどうすればいいかを金の工面という観点で考える。王都を歩きながら、結界魔法を応用して、瞬間移動を果たすように進んでいく。彼は西の方へ向かう。
西野は西の方の都市に到着した。そこは様々な色合いの建物があった。
歩いていると一人の人が来て親切に案内をすると言った。彼は西野に「名前は?」と聞き、西野は「東の魔法使いです」とはぐらかし、彼は「今日日魔女でもそんなこと言わないよ」と返した。西野は彼の言葉に途中まで従ったが、途中で翻してその場を離れた。
彼は日本の大学のような場所へ来た。そこで食事をし、何かが守られている場所を目撃する。
彼は夜にコロッセオのような場所に行く。そこで歌いたいことはないと言ったが、何かを歌ったかもしれない。
彼は昼にコロッセオのような場所に行くと、デゴルボルンと竜と男性がそこにいて、客席の壮年の男性に話を聞くと「竜と男性が戦っている」とのこと。これは過去の競技を現代に蘇らせたもので、西野はこのように形にできるものを尊敬すると考えた。
男性が死にそうだった。黒い学ランの制服姿の西野はその場に躍り出て、デゴルボルンに立ちはだかった。その場は混乱しているが、その原因は今となっては明らかではない。
「デゴルボルン様、あいつが東の魔法使いです。一度は私の話に従っておきながら忽然と姿を消した男です」
「サクラはどうした」
西野は答えたくないので沈黙した。
西野は自分の学ランの第一ボタンを外し、右手の親指と人差し指の第二関節に挟んで、それをデゴルボルンに向けた。それまでの魔法を用いた銃的な機構から発想した。ノーモーションで放つのもどうかと思い、「バン」と言ってから彼の肩に打ち込んだ。
デゴルボルンは倒れこんで苦しんだ。西野は彼と言葉を交わし、彼の腹を蹴り、更に苦しめてから、彼の魔法の袋を奪い、その場を後にした。彼はその時、客席にいた人々に話しかけ気を遣っている。
彼はコロッセオのような場所を抜けて、防空壕のようなところに身を寄せる。そこには男性と女性がいて、非常食のようなものがあった。彼はそれを食べていいかと聞いた。「咎める人はいないよ」と返ってきたので、彼はそれを食べた。
それから夜になった。彼は大学のような場所の何かを守っているところへ行った。その中には火が燃えていたのだが、その入り口で二人の少年と出会う。一人は残り、一人は逃げ出す。彼らは街の問題を解決するためにここへ来たと思われる。
残された少年はジンと言い、西野は「勇気があるのはともかく戦いの中で成長できなければ蛮勇に過ぎなくなってしまう」と心の中で言った。また、「エドとかメグとかネーミングセンスの良い名前がこの世界にはいない」と心の中で嘆く。彼は結界の中をその少年の手を引いて入って行き、神殿の中の火を見せた。
彼はそれを「千年前から燃えているものだ」と知りもしないのにそう言って、魔法の力によってその火を消した。結局この程度のものなのだということを示して、少年を再び結界の外へ戻して、彼は離れた場所へ姿をくらませる。彼は少年の様子を眺め思いを巡らす。
西野は空に高く登り、明かりのない街を眺める。彼は数日の出来事を終え、戻ることにした。
草原を歩いている中で天幕と走竜を見た。彼はそれが馬と番犬の役割を担っているのなら凄いと感じた。彼はまた自分の名前が永遠に刻まれることがあるはずなく、西野雄太という名前ではあり得ないはずだと思いを巡らす。
彼は夜に王都へ戻ってきた。錦戸の部屋の扉を叩くと、彼女が出てきた。彼女はやや薄着していた。彼は「結局自分一人では何もできませんでした」と言った。彼が風呂に入りたいと言ったので、彼女はそこまで案内する。かれはそこでシャワーはなかったが水を浴びる。
それから二人は共に過ごした。(それが西野雄太にとっての初めての経験だった)
翌朝錦戸咲良は西野雄太をテーブル越しに見つめていた。彼は「錦戸さん、昨日はちゃんと眠れましたか?」と聞いた。彼女は「ええ、よく眠れました」と答えた。錦戸は昨日と変わらない表情を浮かべていた。
それから数日後西野が錦戸と歩いている時デゴルボルンが拘束されたという情報が飛び込んできた。更に数日して王が死に、錦戸は悲しむ(タイトル「王の死」)。西野は彼女を慰める。王の葬儀があり、西野は錦戸の魔法使いの服を借りて参列する。そこには年相応ではない格好をした壮年の女性がいた。
錦戸は彼女の部屋で友人のビジャステラと話し、西野は少し気まずそうにする。
西野は錦戸からこの世界の文字について教わっていた。彼女は可愛らしい文字でそれを書いていたと西野は心の中で述べた。(タイトル「日々」)
西野は錦戸を連れて手を引いて、どこまでも行ける気がしていた。
西野は大魔王デゴルボルンは仮にそうだとしたら凄みがないと思いを巡らせる。
その後錦戸は「ユウタにも来てほしいな」と食堂での食事の席で話す。というのも彼女はブレドツリュウゲという都市で魔法使いとして雇われることになっていた。
彼らはその都市へ行く馬車に乗っていた。