紅
ミミズクが噂するのを横目に
スコッチなんて煽った
強くて吐きそうになったがなんとか耐えた
あっちもそっちもこっちもどっちも
ゴシップの大洪水
みんな聞き耳を立てている
夜道を駆ける半月が恋の歌を歌っている
恋 恋 恋 恋
来て
今すぐ駆けていくから
強い衝動があるって聞いたよ
切ない想いがあるって聞いたよ
1人じゃないって思いたくてみんな恋人をつくるのかな
慣れない酒が身体中を暴れ回る
落ちるものなら落ちてみたい
そのまま叩きつけられて死んでしまいたい
不相応なものが恋だというなら
瞳孔が開くって聞いたよ
世界がキラキラ輝いて見えるって
アスファルトの地面に仰向けになった
夏の第三角が目に付いた
星も恋の歌を歌っているだろうか
目の前を蝙蝠が横切った
そろそろ家に帰ろうか なんて思いながら
目を瞑って
恋について考えた




