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安楽椅子ニート 番外編5  作者: お赤飯
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安楽椅子ニート 番外編5

「おい、粟田、お前、A県の出だったよな?」

「はぁ。突然、なんです?」

「だから、お前、A県の出身だったよな?」

「え?、僕、田舎の話、しましたっけ?」

「お前さぁ、標準語、はなしている気でいるけど、時々、聞いた事ない言葉しゃべってるぞ?・・・俺、雰囲気で適当に相槌打ってたけど、本当は意味わかってなかったんだ。ごめんな。」

「え?それ、仕事の案件、相談してた時も、そうだったんですか?」

「すまん。意味、分かんないけど、適当に話、合わせた。すまん。」

「ええぇ?ちょっと!木崎さん、えぇぇぇ?それ、重要な案件だったらどうしてたんですか?」

「いや、ほんと、すまん。お前の顔、見てたら、言い出せなくって。だって、お前、自信満々に方言?しゃべってるから。傷つけたくなくて。」

「あああ!木崎さん、それ、一番、傷つきますってぇぇぇぇぇ!」

「他のみんなにも聞いてみ?同じこと、言うから。」

「ええぇぇえ!他の人も。和久さんとかもですか?」

「和久さんも言いづらいって俺に相談してきたからな。お前、和久さんと焼きとん食いに行ったんだって?そん時も和久さん、時々方言、言われるから、困っちゃったって言ってたぞ。」

「ちょっと待って下さい!僕と和久さんが二人で食べに行った事、なんで木崎さんが知っているんですか?」

「だって、和久さんが教えてくれたから。粟田がしつこく、、、、熱心に誘うからって。」

「ちょ待って下さい!しつこくって、和久さん、僕がお酒に誘うの、嫌がってたんですか?」

「そこら辺は男女の話だから、俺は知らないよ。先輩として和久さんの話を聞いただけで、お前が和久さんをどう思ってるかなんて、そんなに興味ないし。」

「うわっ最悪だ。ほんと最悪だ。二重の意味で最悪だ。もしかしたら三重の意味で最悪だ。」

「俺はお前と和久さんの仲に興味ないんだよ、別に、仕事だけちゃんとやってくれれば。それで、お前、話、戻すけど、田舎、A県なんだろ?」

「ええ。はい。も、どうでもいいですけど?」

「それでさ、俺、キャンプ行きたいんだよ?お前んとこの田舎。」

「・・・勝手に行けばいいじゃないですか?」

「お前、後輩として冷たくない?」

「・・・木崎さん、先輩として、僕が、おかしな事、言ってる時に、その場で注意してくれれば、こんな事にはなってなかったんですよ?意味、分からないのに適当に返事して話をすすめるから、僕はいたって標準語をしゃべっている気でいたのにぃぃぃぃぃぃぃ!ああああああ!」

「別に地方の出だからって隠す必要はないじゃん?」

「隠すとか、隠さないとか、そういう話じゃなくて、意味が通じない言葉を話しているならば、その場で直して欲しかった、っていう話ですよ!けっきょく、田舎もんってバレちゃったじゃないですか!」

「方言は宝だぜ?」

「・・・そういうフォローはいらないし、フォローするなら、一番最初にして下さいよ!」

「わかった、わかった、わかったよ、粟田。俺はキャンプに行きたいんだ。お前が好きな和久さんも誘ってやるよ!キャンプ場についたらお前と和久さんで好きにすればいいだろ?チャンスは作ってやる、チャンスを生かせるかはお前次第だ。どうだ、一緒にキャンプ、行くか!」

「木崎さん・・・和久さんが来る確率は?」

「俺が誘えば、100%来る。俺、人望厚いし。」

「・・・分かりました。行きましょう。

しかし、なんでまたA県なんかに?わざわざ遠くに行かなくても。近くのキャンプ場でもいいじゃないですか?」

「お前は和久さんがいればどこでもいいと思うけど、そうじゃないんだ。A県に、なんとかってダムがあるんだけど、そのダムを見に行きたいんだよね。」

「・・・なんとか、じゃ分かりませんよ。」

「ま、そこら辺は行けば分かるだろ。ダムなんてそんなに数ないし。」

「木崎さん田舎をなめてますよ?山間部はダムばっかりですから。一級河川の巨大なダムは数える位しかありませんが、小型のダムを入れれば百はくだりませんよ?どこのダムかは存じませんが、下調べしておかないと、場合によってはダムに近づけない場合もありますからね。」

「え?そうなの。」

「普段、人が通らないような山間に作りますから。有名ダムなら道はありますが、そうでなければ地元民じゃないとたどり着けない場合もあります。あのぉ、ダムなんか見ないで大人しくキャンプしている方が、安全だと思いますよ?僕と和久さんの為に。」

「実はさぁ、粟田、お前、徳川埋蔵金って知ってる?」

「・・・徳・・・埋蔵金?・・・なんですか?それ。」

「・・・お前、知らないの?徳川埋蔵金。」

「いや、ええ?なんですか、今度やるNHKのドラマですか?」

「ばっか、お前!そんな大河ドラマやって誰が見るんだよ?・・・俺は、見ちゃうかも知れないけど。」

「家康とか綱吉は知ってますけど、“まいぞうきん”って人は何やった人なんですか?」

「・・・粟田、本気で言ってるの?」

「・・・?どういう事です?」

「埋蔵、金。埋まってるお金って言う意味だよ。徳川の埋まっているお金。」

「・・・埋まってるってどこに?」

「知ってたらお前ぇ、今頃、億万長者だよ!」

「はぁ。」

「だからな、粟田、取りに行くの。俺が埋蔵金を取りに行くの!」

「え?」

「だから、そのなんとかってダムの近くに、埋蔵金を取りに行くんだよ!」

「・・・。木崎さん、本気で何を言っているんですか?今日は早退した方がいいんじゃないですか?」

「お前、俺は病気じゃないよ?ちょっと喉痛いけど、俺は本気で埋蔵金を狙いにいくんだよ!」

「・・・。あの、僕。その埋蔵金っていうものがどういうものか、あまり理解していないので分からないのですが、たぶん、それ無いでしょ?」

「ああ。そうだ、粟田。昨日まで埋蔵金は夢だった。日本人の夢だったかも知れない。だが、今日は夢が現実になる日だ。俺、漢、木崎が埋蔵金を掘り起こし、億万長者になるんだ!・・・分かるか?」

「・・・木崎さん、早く、病院に行った方がいいと思います。」

「ばっか野郎!粟田、お前、俺が和久さんとお前をくっつけてやろうって思ってるんだぞ?いわば愛のキューピッドだ。分かるか?」

「それは分かります。現実的ですから。むしろ木崎さんが余計な事をしなければ僕と和久さんは上手くいくと思います。」

「お前、ほんとバカだな。お前と和久さんが恋人同士になれるなんて本気で思っているのか?」

「えぇ?」

「お前、和久さんから何とも思われてないよ?仕事の同僚以下の存在だよ?」

「え?同僚・・・以下?以下ってなんです?ひどくないですか。」

「同じ職場で働いていながら、何とも思われていないって事だ。自販機以下だ。」

「説明されなくても分かりますから。」

「だから俺がお膳立てしてやって、せめて、職場の同僚くらいに和久さんの好感度を上げてやるって言ってんだ。な?」

「好感度を上げて、同僚、程度?えぇぇっぇぇ!」

「お前なんて和久さんからしてみたら、ファービーの方がまだしゃべってる量が多いぞ。」

「え、僕はファービー以下。」

「まずはファービーになれ!いいな。和久さんから話しかけれる存在になるんだ。お前、和久さんから話かけられた事ないだろ?」

「・・・そういえば。」

「だろ?」

「俺がお前をファービーにしてやる。うれしいだろ?あの箱入りの和久さんの笑顔。お前、独り占めできるんだぞ。」

「・・・うれしい気がします。」

「そのチャンスはキャンプだ。」

「・・・はい。」

「俺はそこで埋蔵金で億万長者。お前は和久さんのファービー。ウィンウィンだろ?な。」

「???」

「なんだよ?お前、読解力ねぇなぁ。共通一次?センター試験?もう一度、受けた方がいいぞ?」

「木崎さん、百歩譲って、いや、一万歩譲って僕がファービーなのはいいですけど、埋蔵金は一生、理解できないです。」

「まあ、いいよ。そこはおいおい。」

「おいおい?」

「あんまり話たくはないんだけど、俺はね、徳川埋蔵金伝説の秘密を暴いちゃったわけよ。・・・うん。俺達っていうべきかな。俺と瀬能さんとで。」

「・・・暴いた?秘密?埋蔵金、伝説?」

「まあ、昔から語られている、徳川幕府の隠し財産。なぜ伝説とされているかと言えば、未だ、それを発見した人間がいないからだ!」

「・・・無いからでしょう?あったらとっくに見つかってますって。」

「俺が子供の頃はなぁ、週刊誌やテレビで特集が組まれたり、そりゃ徳川埋蔵金の伝説は盛り上がってたんだぞ?」

「あのぉ一応お伺いしますが、伝説なのに、大っぴらになっているんですか?」

「そうなんだよ。猫も杓子も埋蔵金って時代があった。」

「・・・あったんですか?」

「今の言葉で言えば、都市伝説っていう奴なんだろうけど、子供の頃はそれこそ携帯電話もインターネットも無い時代だ。それでも週刊誌、テレビで徳川埋蔵金が特集されてな、俺達は夢中で見てたぞ。お前、人面犬、人面魚、ツチノコって知ってる?」

「いえ、知らないです。いかがわしい雰囲気だけは伝わってきますけど。」

「人面犬、人面魚、ツチノコってのはな、日本陸軍の実験施設から逃げ出した実験動物らしいんだ。戦争中は非人道的だったからな。しかも、時速100キロメートルで追いかけて来るんだ!」

「・・・ちょっと、そういう問題じゃないと思いますけど。・・・いくら戦時中でも、人間を犬にしないと思うんですが?しかも顔だけって。酷くないですか?」

「非人道的だったからなぁ。あと、妖怪テケテケ、こいつはババアなんだが時速100キロメートルで追いかけて来る。」

「その、妖怪って言ってる時点で、既に方向性が違う気がしますけど。」

「粟田、よく聞けよ。俺が言いたいのはそういう妖怪や実験動物の噂と徳川埋蔵金は根本的に違う。異質なんだよ。歴史的な背景、実在した徳川幕府。そしてそれを裏付ける古文書。すべてが揃ってる。存在していない理由がないだろ?」

「同じベクトルは感じますけど。」

「徳川埋蔵金は、発見されれば、今の資産価値で、何十億、何百億、何千億の価値があるっていう金銀財宝だ。まさに百万長者!億万長者!見つけた暁にはすぐにこんな仕事、やめるね。」

「・・・見つけるも何も、そもそも無いでしょう。」

「お前わかれよ?俺の熱量。とにかく億万長者になれるわけ!億だよ、億!お前、億、稼げる?稼げないだろ?俺はその夢を掴んだわけよぉ!」

「木崎さん、説明する時に“とにかく”で片付けるのは根拠を欠いている一番の証拠ですよ?」

「仕方がない。屁理屈を捏ねるお前に、徳川埋蔵金、その伝説の一端を教えてやろう。」

「まぁ、どうぞ。興味は無いですけど。どうぞ。」

「お前さぁ、先輩が一生懸命説明してるんだからさぁ。もうちょっと熱心に聞く姿勢っていうかさ、そういうの無いの?」

「聞く姿勢はあります。一生懸命に聞いてます。これ以上、一生懸命に聞けませんて。物理的に。」

「だからぁ、今時の奴はぁ、仕事が出来ないんだよ?お前、出世できないのはそういう所じゃないの?夢が足りないんだよ。

まあいいよ特別に話してやる。徳川埋蔵金っていうのはな、お前、徳川慶喜わかる?最後の将軍。徳川幕府、最後の将軍だ。

薩長連合が江戸幕府を倒し、明治政府を作ったのは、いくらお前でも知ってるだろう?」

「歴史で習いましたから。ただ、史実と時代劇とごっちゃになっていません?木崎さんの場合。」

「ざっくりだよ、ざっくり。お前に分かりやすく説明してやってるんだよ。

いいか?

徳川幕府は倒され、権力は明治政府に移った。権力の次に必要なのはなんだ?そうだ、金だ。

そりゃそうだ、国を動かすには金がいる。いくら政府だって全国にはまだまだ言う事を聞かない連中がごまんといる。そこで目を付けたのが江戸幕府の金庫よ!いくら戦争に負けたとは言え四百年続いた幕府だ。金銀財宝大判小判が山ほど眠っているに違いないと踏んでいた。その金を元に明治政府を運営しようと、時の内閣は考えていたわけだな。

しかーし!幕府の金蔵を開けてみてびっくり!

金がないんだ。

金が。

薩長の連中も驚いただろうよ。将軍様のお城だよ?将軍様って言えば御上って言われる位だから、雲の上の存在だ。神様と同じ。

明治政府を維持させらられるだけの金があると踏んでいたのに、金蔵の中は空っぽだ!

政府も慌てて探したが、影も形も見当たらない。

その消えた幕府の金銀財宝っていうのが、伝説の徳川埋蔵金。

徳川幕府が、後に、明治政府を逆に転覆させる為に、使うはずだった資金源だと噂されている。

けっきょく、明治政府も、政権内のごたごたに振り回されながら近代国家の道を歩み、徳川も表舞台に返り咲くことは叶わなかった。武士の時代は終わったんだ。

だがな、歴史に埋もれた伝説は今も語り継がれている。

それが、」

「よくわかりました。よくわかりました。」

「・・・お前、ほんと分かったのかよ?」

「良く聞く話ですよね。権力を持った一族が姿を消すと、財宝伝説が生まれるっていう。ロマノフ王朝の財宝とか、ハプスブルク家の財宝とか。」

「お前さぁ、そういうの知ってるくせになんで徳川埋蔵金は知らないんだよ。」

「木崎さん、ああいうのってみんな眉唾ものですよ。出てきた事、ないじゃないですか?」

「はぁ?」

「あるならとっくに見つかってますって。これまで見つからなかったんだから、今後も見つからないって事ですよ。」

「お前も瀬能さんと同じ事、言うな。」

「・・・瀬能さんが正しいと思います。」

「いやな。待てよ。話を聞け。前に瀬能さんと徳川埋蔵金に関して討論を交わしててだな。俺は昔から徳川埋蔵金はある派だ。確実に徳川埋蔵金は存在している。だけどな、瀬能さんは無いって言うんだよ。」

「・・・仕事中に何の話をしているんですか?まず、徳川埋蔵金ってワードが世間話から出ないですよ。」

「待てよ。違うんだよ。瀬能さんに言わせるとだな、

徳川幕府の当時の勢力、戦争状態、財務状況を考えると、明治政府が金庫を開けた時に空だった、というのはあながち本当だったって言うんだよ。

まったくお金がゼロだった、という事じゃなくて、そりゃ幾らかはあっただろう。だけど、新政府を維持していく資金としてアテに出来るだけのお金は残されていなかった、というのが瀬能さんの見立てだ。」

「・・・瀬能さんは意外と論じてますね。」

「戊辰戦争時、幕府だってバカじゃないから、劣勢なのは承知のはず。薩長側と内通していた奴もいただろうし、江戸から逃げ出してた奴もいただろう。最後の最後にゃ将軍様の命より自分の命の方が大事になるのは当然だろうからな。だから、薩長に負けたっていう見解もできる。

粟田、命の次に大切な物って分かるか?もちろん金だ。幕府の為に使うか、自分の為に使うかは分からないが、金が自由になる奴らは、その金をどこかに移しただろう。金さえあれば親分が幕府になろうが薩長になろうが関係ない。金で保身を買う事もできるからな。

結果的に、新政府が来た時には、ものけの空だったっていう筋書きだ。

瀬能さんは、戊辰戦争の時から、既に幕府の内通者が、資金を薩長側に横流ししていた、っていうのが大方正しい流れだと見ている。

そうでなければ、薩摩、長州、土佐と集まった所で、幕府の軍勢に勝てる訳がない。

表向き、目で見える戦争をしていたけど、実のところ、母屋が既に壊れていたから、戦争する前から勝負はついていた、って言うんだ。」

「瀬能さん、面白い見解ですね。」

「幕府は資金を、後から取られようと、前から盗まれてたとしても、どっちにしろ、金蔵に金は無く、埋蔵金なんてものは無いって言うんだ。

夢がないよな~。」

「どんな形であれ、時の権力者がその金を必要としたのは事実でしょうからね。」

「俺はな、瀬能さんに言ってやったんだよ、そんなハズはない!ってな。」

「・・・はぁ。」

「別に根拠はないよ。俺はただ、そう思ってる!ってな。」

「根拠がないのに言うのは一番、駄目なパターンですよ!」

「じゃあね、なんで、日本各地に徳川埋蔵金伝説があるんですか?って逆に瀬能さんに聞いたんだ。」

「・・・瀬能さん、かわいそうに。初めて同情します。」

「江戸幕府、勘定方の古文書とかさ、老中やら大老の手紙とか、出てきてる訳でしょ?

無い訳ないじゃん。

粟田、お前、俺と瀬能さん、どっち信じる?」

「・・・出てきてるって言われても。えっ、今のところ、九分九厘、木崎さんが不利なんじゃないかと、思いますが。」

「粟田、お前、本当に見る目ないんだな。かわいそうに。」

「・・・僕、かわいそう?・・・ちょっと待って下さい。なんでですか?」

「本当は見せたくなかったんだが、お前があまりにも不憫でならないから、これを見せてやる。他言不用だぞ?」

「・・・不憫?・・・あと、木崎さん、他言無用です。」

「これは俺がブックオフで見つけた宝の地図だ。」

「・・・えーっ。」

「お前を信用するから見せるんだぞ。」

「・・・あのぉ、どこから、つっこんでいいか。ブックオフって何ですか?ハードオフならいいとかそういう問題でもないし、二千歩譲って古文書ならまだわかりますが宝の地図って。木崎さん、絶対、騙されてますよ?それ。」

「ああ。だからお前は不憫なんだ。一生、お前は和久さんのロボット掃除機なんだよ、アイリスオーヤマの。」

「ロボット掃除機も大概ですが、せめてルンバにしてくださいよ。」

「いいか、粟田。これは俺がブックオフの郷土資料史コーナーで見つけたものだ。」

「・・・それっぽい所から出てきてるぅ。」

「ブックオフでも誰も見に行く人がいない、万引き犯かエッチなDVDの内容を確認する為に、わざわざ入らざるをえない、店員ですら掃除にこない、謎の空間。それがブックオフの郷土資料コーナーだ。」

「実際、誰が買うのか分からない本ばっかりですけどね。郷土資料史とか美術史とか、定価じゃとても我々の買える品物ではないですけれども。欲しいとは思わないですし。」

「お前、甘ちゃんだよ、あまちゃん、じぇじぇじぇ、だよ!」

「じぇじぇじぇなんて今時、言わないですよ。」

「お前ねぇ、あの手の本は転売用だろ?常識だよ。常識。」

「・・・転売しないんで。僕。」

「ブックオフで安く買って、神保町界隈で高く売る、そういう転売システムなの。狭い界隈で異常に高く取引される訳よ。その手の転売目的のハンターは日本中で希少価値のある本を探している。万引き目的、スケベDVD目的だけに存在している訳ではないの。あんなのは税金で買った本ばっかりだ。素人には手が出ない本ばっかりだ。学校が廃校になったり、図書館からの払い下げで市場に出回っている本が大半だ。ブックオフは転売ハンターの夢の楽園だよ、まったく。」

「・・・むしろブックオフの方がお宝の臭いがしてならないんですが。」

「この“なんでも鑑定団”の本の中に、」

「ちょ、ちょっと、ちょっと待って下さい、木崎さん。郷土資料は?美術史は?」

「だからこのなんでも鑑定団のムックの中にだなぁ、あ、お前、なんでも鑑定団って知らない?」

「知ってますよ。知ってますよ、たまに見るテレビない時に見てますよ、え?は?なんでも鑑定団?」

「俺は渡辺先生を敬愛していてだな、この渡辺先生っていうのはだな、横山大観の弟子でぇ、」

「逆です、逆。木崎さん、逆です。横山大観先生の弟子が渡辺で、」

「なんだよ?同じだろ?横山の弟子が渡辺先生で、」

「どっちでもいいですけど。」

「良かないよお前。渡辺先生を分かってないじゃん。渡辺先生は日本画の大家でな。」

「・・・知ってます。知ってます。銀河万丈も富永み~なも知ってます。それで、鑑定団の本がどうしたんですか?」

「ああ。そうだな。この本に、謎の地図が挟まっていたんだ。これは古文書鑑定を行うために下調べをしていたに違いない。俺は、お宝をお宝番組の本の中から発掘してしまったんだよ、誰にも言うなよ?これも渡辺先生を尊敬して止まない俺へのご褒美だと思うんだ。」

「・・・うん。きっと、そうでしょうね。」

「そんな経緯で、瀬能さんに地図を見せたんだよ。」

「・・・簡単に見せちゃってるぅ。」

「そしたら瀬能さん、絶句しちゃって。」

「誰でも絶句しちゃいますよ。」

「だろ?」

「違う意味で、ですけど。」

「急に瀬能さんが、ドア閉めろ、カーテン閉めろ、電気消せって言うんだ。俺、そのままヤられちゃうかと思ったよ。目が血走ってたから。」

「・・・ええぇ。」

「どうしたんですか?って聞いたら、ハチニーで手を打つって言ってきたんだ。ハチニーって何って。八対二(8:2)で手を打つって言うんだよ。

どうやら、瀬能さんが研究していた徳川埋蔵金の在処を示す地図だ、って言うんだ。」

「えっ?さっき瀬能さん、無いって言っていませんでしたか。」

「フェイクだ。」

「・・・安っすいフェイクですね。瀬能さんも。」

「実は、瀬能さんは密かに徳川埋蔵金の研究を続けてきていて、ある結論に達したらしい。だが、自分は家から出る事が出来ない。だから、徳川埋蔵金の話が出る度に、埋蔵金否定説を取ってきたそうだ。埋蔵金を掘られたら、たまらないからな。だが、あまりにも俺が熱心だったのと、埋蔵金の在処を示す地図を持って来た為、研究成果を打ち明けるって言うんだ。俺が初めてだそうだ。」

「あのぉ、僕、もう、ルンバでいいんで、放っておいてもらっていいですか?」

「お前はアイリスオーヤマだって言ってんだろ?性能のいい奴、気取ってんじゃねぇぞ!」

「えぇ?辛辣ぅ。」

「瀬能さんは、徳川埋蔵金の在処を教える代わりに、埋蔵金を掘っていいって条件で、俺二(2)、瀬能さん八(8)で手を打ってくれた。あの人は女神だな。」

「・・・色々、きついっすね。瀬能さんも木崎さんも。」

「だが、確実に徳川埋蔵金の在処を手に入れた。もう伝説じゃなくなった。後は掘るだけだ。」

「・・・そうですか。じゃあ、がんばって下さい。その間の仕事は僕が代わりをしておきますんで。」

「ばっか、待て。粟田。お前も行くんだよ、お前も。だからお前に話しているんだろ?」

「ええぇ?・・・そんな変な事に巻き込まないで下さいよ?嫌ですよ、ほんと。」

「お前はキャンプ場とダムの場所を抑えてくれれば、それでいい。後は俺が何とかする。キャンプの帰りには大金持ちだ、ウッハウハだなぁ。」

「まあ、それなら、良いですけど。ほんとは良くないですけど、僕はキャンプするだけなら。本当に手伝いませんからね。穴、掘るとか、ほんと嫌ですから。」

「それでいい。お前は和久さんとカレーでも作ってろ。勝利のカレーをな。」

「・・・カレーでいいんですか?僕、ほんとにカレーしか作りませんからね?穴掘り手伝いませんからね?」

「念押すなよ、分かったから。そうだな、瀬能さんの研究の一部を教えてやる。きっとお前も信じる事だろう。でも、お前には山分けしてやらねぇからな。」

「いいです、いいです、山分けご遠慮いたします。」

「瀬能さんは徳川幕府の資金が、持ち出されたのは間違いないって考えている。それが誰の指示かは不明だが、持ち出されたのは確かだと。勘定方の大名が、明治政府に詰問されているが知らなかったのは事実だろう、と。勘定方の大名が知らないで、誰が知ってるんだ、って話になる訳だが、そりゃあ、大名を取り仕切る人間が怪しいに決まっているわな。証拠は何一つ、出てきてはいないらしいが。

粟田、お前、埋蔵金、埋蔵金って言って、どの位の量だと思う?言われているのは五百万両、六百万両。言っておくが紙じゃないぞ。紙幣じゃない。言わば金塊だ。金塊。五百万両の金塊だ。重さにして何百トン、何千トンだ。お前、運べるか?

一人、二人で出来る仕事じゃない。百人、いや、もっとだ、千人単位の仕事だったと、瀬能さんは考えている。

千人規模の仕事だぞ?そりゃもう、国家事業だ。幕府の蔵から金塊を運び出す、国策だ。

しかも、誰にもバレずに金塊を持ち出さなきゃならない。

たぶん使命があったんだろうな。

大儀だよ、大儀。いずれ幕府が倒される事は予測できていたと思うが、その金を使って、新しい組織を作り、また国の中心人物、政治の中心人物として返り咲こうと画策していたんだ。明治政府でもない、天皇でもない、幕府でもない、まったく新しい組織だ。

俺は幕府の大儀だと信じているが、瀬能さんは権力欲しさだけって見解だ。どちらにしても、金を持ち出すのが使命だ。

今更だけど、結果は歴史が証明しているしな。そこは悲しい物語ではあるが。」

「・・・話が大きくてちょっと理解が。」

「じゃあ、幕府の金財を何処に隠すって話になる訳だが、当然、薩長の手がかかる場所では具合が悪い。幕府の息がかかる土地が最も安全だと、素人は考える。だが、実際は違うんだ。大名を取り仕切る、その人間。むしろ疑うのはそっちの方。その人間の出自を考えれば、金財の行方は見えてくる。さっきも話したが、幕府の金財の量は何千トンだ。

お前、それだけの金塊、隠せると思う?

金塊じゃなくても、何千トンの物を隠せるか?仮に千トンの量のゴミを廃棄できる?」

「ああ。そう言われると。千トン単位のゴミを処分するには相当の敷地が必要ですね。他にも焼却施設もそうですし。・・・ゴミならばですけど。」

「だろう?隠せないんだ。徳川埋蔵金は隠せないの。

埋蔵金って言われているから埋まっていると誰しも錯覚しているが、実の所、埋められていない。埋蔵金は埋蔵されていないんだ。」

「・・・徳川そのまま金、って事ですか?」

「ま、そうなるよな。徳川そのまま金だよ。そのまま金。

幕府の何千トンっていう金塊を隠さなきゃいけない。しかし、隠せない。答えは簡単、隠さなければいいんだ。」

「なんですか、それ、答えがないクイズみたいじゃないですか?哲学?」

「そうだろうな。本当に頭の良い人じゃなければ考えられない、隠し場所だ。

さっき話した通り、金蔵から出すにも千人単位の人間が駆り出された国策だ。使われた人間の数も、金塊の量も、全てが多過ぎる。

だが、それが答えだったんだ。

隠す必要がない。」

「・・・隠す必要がないと言いますと。」

「村だか町をそのまま作っちまったんだ。金財を隠す為だけの村、隠す為だけの村人。

ま、頭の悪い、お前に簡単に説明してやろう。

蔵から金を出すだろ?金を運んだ人間が、そのまま、運んだ先の村人になっちゃうんだよ。簡単な話だろ?」

「うん?・・・どういう事ですか。」

「言葉の通りだよ。江戸時代とか明治時代に誰が何処に住んでいるかなんて、今と違ってちゃんとした名簿があった訳じゃない。言っちゃ悪いが人権なんて無かったろうし、金塊より人の命の方が安い時代だ。幕府の大名様から命令されればその命令に従う他、選択肢なんて存在しない。村に住め、って言われれば村に住むしかないんだ。

その村だって、平家の落人みたいに自分達で開墾してゼロから作った偽りの村だ。そりゃそうだ、金塊を隠す為だけの村だからな。それに大名様の息のかかった土地ならば、好きなだけ隠ぺい村を作る事も可能だったろう。勝手に人が住みつくのも大して不思議じゃないし、そういうのが集まって村になるんだからな。」

「・・・村ごと。」

「中国の皇帝の話、知ってるか?兵馬俑。あれ、皇帝の墓なんだが何万器の像が発見されてるよな?兵士の像。一器一器ぜんぶ違う顔した兵士の像だそうだ。あれ、本当は皇帝の墓にそのまま何万の兵が生き埋めにされるはずだったんだと。だけど兵士を生き埋めにしちゃったら戦力に事欠くよな?だから兵士本人の生き写しの像を埋めたそうだ。何万器だぞ?凄いよな。日本のデカい古墳にゃ、兵隊だかお付きの人間が生き埋めになってるそうだ。古代エジプトのピラミッドもそうみたいだし。人の命って権力の前では安いよな。ま、それを考えれば、死ねって言われた訳じゃないし、村人として金塊を守れ、金塊を隠せって言われる方が、まだマシかも知れない。恐ろしい時代だよ。」

「そういうのは聞いた事あります。」

「金塊を隠した張本人にしてみたら、新政府を転覆させるつもりだったらしいが、結局、それを叶える事は出来ず、金塊を隠した村もそのままだ。村人は言いつけを守り、秘密を秘匿し続けただろう。

だが、そうも言っていられない事が次々と起こる。

村人の秘密とは別に、日本の近代化が進む。日本の近代化は誰にも止める事が出来ない。隠れた村も公の場に出ることになる。なんだか分かるか?」

「いや、え、わからないです。」

「廃藩置県もそうだけど、国民の名簿化だ。政府は税金を集めるために、全国民の把握をはじめた訳だ。同時に資産の把握もそう。いくら隠れて住んでいようが、氏名をつけられ、住所を割り振られて、土地、財産を知られたら逃げ場がなくはないか?金塊を隠している事は隠せても、村の存在は公になる。こればかりは隠しきれない。今も徳川埋蔵金が見つからずにいるのは、その村人が金塊を隠している事を黙っているからだ。」

「・・・そう言われれば、そんな気がしますね。」

「だが。だが瀬能さんは気づいてしまったんだよ。長年の研究で。」

「ずっと家にいますもんね。そんな事を働かないでずっと考えていたんですね。」

「とある裁判の公判記録がある。ダム建設の裁判記録だ。ダム建設反対の裁判なんて正直ありふれていて何の変哲もない裁判記録だ。この裁判、最高裁まで争ったんだが、その時の裁判官が幾人か交代している。裁判官が交代するのもさほど不思議じゃない、定年で辞める事もあるからな。でも、この裁判で交代した裁判官、殺されているんだ。毒殺だってよ。村で咲く白い花、それの根に毒があるらしい。花自体は無毒で綺麗だから知らないで愛でる人も多い。山植物に詳しい人なら有名な花だ。そんな事があってもダム建設は却下されず、ダムは作られた。

その金塊が隠された村の上に、だ。

当時の日本の電力事情を考えれば、ダム建設はそれこそ国策中の国策だ。作られない訳がない。どんな犠牲の上にもな。

困ったのは村人だ。たぶん裁判官を殺したのも村人達だろう。裁判官を殺しても裁定が覆らなかったんだからな。

その村人達、ダムのすぐ脇に村を作ったんだ。ダムに沈んだ村を見張る為に。村じゃない、大名様に仰せつかった金塊を見張る為にだ。」

「ダムの脇に、沈んだ地区の住人が住むのは、そんなに不思議な話じゃないと思うんですけど。」

「そうだな。よくある話だよな。ただ、そこの住民、揃いも揃って同じ苗字なんだ。同じ村の人だから同じでも変じゃないだろう。だけど、大名様と同じ名前なんだよ。大名様と。大名様にあやかって自分達の氏にしたんだろうな。それだって、日本中、多い苗字だ。別に山の中の村にいたって不思議な苗字じゃない。

あと、そこの村には風習があって、これが独特なんだ。」

「独特と言いますと?」

「そこの村、男児が生まれると、外から女を連れて来なければならない。誘拐って意味じゃないぞ?外から嫁を連れて来ないといけない。女児が生まれたら、村の外に嫁がないといけない。女は村に残ってはいけないっていうんだ。これが徹底している。いくら村中で恋仲になろうとも夫婦になることは出来ないらしい。村の中の血を濃くしない為だ。村を健全に安定して継続させなければならないからな。村人が多くなり過ぎず、そして、少なくならないように、人為的に調整しているんだ。金塊を守る為にな。」

「・・・ま、でも、女の子は嫁に行くもんですし、長男は家を継ぐもんですし、ちょっとこじ付け過ぎやしませんか。」

「そこでだ。俺が見つけてきた宝の地図。これが決定的な鍵だったんだ。言い換えれば、瀬能さんの考えを裏付ける鍵だ。」

「そんな、重要な地図ですか?これ。」

「極めて重要。決定的な証拠となった。この地図、その村近辺のものだったんだけど、昭和初期のものだ。次、これが近年、撮ったダム周辺の航空写真。お前、この違いが分かるか?」

「いえ?まったく、分かりません。何をどう考えても違う地図ですし、こっちは写真ですし、ダムの有る無し程度にしか。」

「はっはっはっはっはっはっは!お前は凡人だなぁ!」

「・・・木崎さんだって分からなかったんでしょう。分かったのは瀬能さんでしょ?何を偉そうに。」

「答えを教えてやる。いいか、家の数を数えてみろ!世帯数って奴だ。この村の特徴的な世帯交代方法は話したよな。人為的に村人口を調整している。こんな昔と今とで全く家の数が変わっていないんだ!不思議だろ?おかしくないか?こんな少子高齢化で、廃村危機だ、空き家が多いなんて言われている時代に、こんな山の中の、利便性も交通も悪い土地で、家が減らないって異常なんだよ。大正、昭和ならまだ分かる。現代で反対に、村人が減らないっていうのは異常なんだ。それこそ、大名様の言いつけを守る、時代錯誤なやり方が仇になったんだ。ははははははっはっははははっははは!俺って凄いだろ?」

「おおおお!おおおお!凄い!初めて尊敬しました!」

「ここに何かを隠している。徳川幕府の金塊だ。証拠も揃った。後は掘るだけだ。」

「あの、あの、木崎さん。ここ、ダムの底でしょ?水の底でしょ?どうやって掘るんですか?」

「お前、今まで何を聞いてた?潜るんだよ。潜るの。潜って掘るの。掘る必要はないかもな。村の真ん中に鎮座している可能性もあるし。それにダムの下なら誰もいない。ゆっくり時間をかけて金塊を捜索できるってもんだ。

お前はダムの近くのキャンプ場で、カレーを作って待ってればいいんだよ!俺が金塊を引き上げて持ってきてやる!カレーと金塊が同じ色で間違っちゃったりしちゃっうかもなぁぁぁぁぁぁ!」

「もう、その気になってる。」

「俺はそっちの方の土地勘がないからお前の協力が必要なんだよ。キャンプ場まででいいからな。和久さんもちゃんと誘ってやるし。」

「僕は和久さんだけ来てくれれば何でもいいです。木崎さんがおかしな事、言ってるのも昔からですし。ああ、でも、和久さんにもおかしな事、話してないですよね?徳川埋蔵金なんて話したら、キャンプに来てくれなくなっちゃいますよ。」

「ちょっと、だけな。キャンプ行きたいっていうのと、ダムに行くっていうのと。ダムには興味ないけど、埋蔵金には興味があるって話したら、和久さん、今時、そんな話する人いるんですねぇって。キャンプには行くって乗り気だぞ。良かったな、粟田!」

「ほんとですか?ああ、良かった。和久さんがいなけりゃ地獄ですよ。そう言えば和久さんも僕と同郷なんですよ。僕は社会人になってからこっちに出てきましたけど、和久さんはもっと前から地元、離れているみたいですね。方言が同じだから聞いたら同郷だって。僕は都会の方ですけど、彼女は山の方とか言ってたかな。親類を頼ってこっちに出てきたとか、なんとか。」

「お前、偶然にしろ、何にしろ、チャンスじゃん!」

「和久さん色白で綺麗ですし、花瓶に花を活けてる姿も絵になるっていうか、白い花に負けない透明さが魅力ですよね。僕、ファービーでもルンバでもいいです。」

「それに気が利くしな。俺、さっき和久さんにコーヒー淹れてもらったんだけど、今時、職場でコーヒー淹れてくれる女なんていないよな?」

「気が利くいい子ですよね。」

「ところで粟田、ここ息苦しくない?二酸化炭素多くない?なんだか酸素、薄くない?息が出来ないんだけど?あ・わ・」

「・・・僕、散々忠告してましたよ。早く病院に行けって。」


※本作品は全編会話劇となっております。ご了承下さい。

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