【関節外せば大丈夫】
グローリア:外で何かくねくねしてるあれ
グローリア:何?
ユフィーリア:お前の幻覚
エドワード:働きすぎなんだよ寝ろ
エドワード:朝食と称して髪の毛食ってた事実は忘れねえからな
ユフィーリア:生徒たちが世紀末でも見るかのような目でお前のことを見てたぞ
ユフィーリア:問題児のせいってことにしておいたから感謝しろよクソボケ
グローリア:何でここまで罵詈雑言を受けなければならないのか
グローリア:僕は冥王様みたいに興奮しないからね
ユフィーリア:この前ショウ坊が『メスガキに分からせられる本』っていうエロ本を見つけたって言ってたぞ
グローリア:何してくれてんだ
エドワード:言葉責めが好きなクソ変態野郎がよく言うよね
エドワード:甘いよ出直しな
エドワード:テメェにゃドMの道はきつすぎる
グローリア:君は何目線なんだ
グローリア:脱線
ユフィーリア:解散
エドワード:グッナイ
グローリア:集合しろ、給料払わないぞ
ユフィーリア:何だよ
エドワード:何よ
グローリア:外のくねくねした変な物体だってば
グローリア:人間みたいに見えるけど人間じゃなさそう
グローリア:だって関節とか無視して腕とか足とかダバダバ振ってるし
ユフィーリア:お前の幻覚だってば
エドワード:寝たら治るよ
グローリア:幻覚ってことにしないでよ
グローリア:お願いだから同意して
グローリア:怖くなってきた
ユフィーリア:同調を求められても
ユフィーリア:どこで見かけたんだよ、そんなの
エドワード:校庭からは見えないね
グローリア:中庭
ユフィーリア:中庭にそんなのいた?
グローリア:まだいる
エドワード:いるみたいだね
エドワード:行ってみる?
ユフィーリア:そうするか
ユフィーリア:面白そうだし
グローリア:僕でエンタメされているのが凄く癪に障るけど、君たちがいてくれればもう何も怖くない
グローリア:僕、ひとりぼっちじゃないんだ
ユフィーリア:それ次の瞬間、頭食われる奴な
エドワード:学院長、頭食われるの?
グローリア:食われてたまるか
グローリア:こっちだよ
ユフィーリア:本当にいる
ユフィーリア:何あれ
エドワード:腕とか足とか骨ないんじゃないの?
エドワード:じゃなきゃあんな変な動きしないでしょ
ユフィーリア:いや関節外せばいけるいける
グローリア:いくないくな
グローリア:大惨事になるんだよ
グローリア:人ではなくなるんだよ
エドワード:あー、確かに
グローリア:納得しないでいただけます?
グローリア:関節を外した人間じゃない方向で推理しよう
ユフィーリア:シーツとか?
エドワード:煙?
ユフィーリア:どれもしっくり来ないから、集団幻覚ってことで
エドワード:解散
グローリア:幻覚にするなって言ったでしょ
グローリア:ていうか集団幻覚に格上げになっちゃったし
グローリア:君たちも幻覚を見てるってことにならない?
ユフィーリア:いや
エドワード:だって実物を見ちゃったし
エドワード:集団幻覚ってことにした方がまだマシ
ユフィーリア:な
グローリア:洒落にならないんだよ
グローリア:僕、名門魔法学校の学院長だよ?
グローリア:集団幻覚なんか見ましたってなったら生徒に示しがつかないよ
ユフィーリア:髪パスタが何言ってんだよ
ユフィーリア:すでに手遅れだわ
エドワード:学院長「パスタおいしい」
エドワード:実際に食ってるのは髪だわ
ユフィーリア:それを見た未成年組はドン引きしてましたが
グローリア:凄く申し訳ない
グローリア:すでに尊厳なんてなかったんだね
グローリア:これからは早く寝ます
ユフィーリア:何徹したんだよ
エドワード:そんなヘロヘロになるまでよく起きてられるね
グローリア:僕はいつ寝たんだろう
グローリア:覚えてないや
ユフィーリア:目潰しすれば寝るかな
エドワード:首も絞めとく?
グローリア:寝かせようとしてるところ悪いんだけど
グローリア:それ永眠って言わない?
ユフィーリア:大丈夫
ユフィーリア:世の中には都合のいいことに死者蘇生魔法があるから
グローリア:何も大丈夫じゃない
エドワード:ねえ
エドワード:あの白くてくねくねしたの、増えてない?
ユフィーリア:本当だ
グローリア:誰、増やしたの
ユフィーリア:そんな簡単に増えるか?
ユフィーリア:しかも首が凄え曲がる
ユフィーリア:もう真後ろ向いてる
エドワード:凄えなぁ
エドワード:あれは間違いなく死ぬ挙動
グローリア:純粋に推測してないでよ
グローリア:どうするの、増えた分
ユフィーリア:あれどうやったら消えるかな?
エドワード:中庭を焼き払ってみる?
グローリア:却下
ユフィーリア:ダメだって
エドワード:じゃあハルちゃんを呼ぼう
グローリア:何でハルア君が出てくるの?
ユフィーリア:最初に言ったろ、関節を外せばいけるって
ユフィーリア:ハルにやらせる
グローリア:可哀想でしょ、部下に何てことを言うんだ
エドワード:でも、もうハルちゃんが中庭に到着しちゃった
エドワード:ハルちゃん「凄えね!!」
エドワード:ショウちゃん「関節を外さなければ動けないのでは?」
エドワード:ハルちゃん「関節外せばいいの!?」
グローリア:よくないんだよなぁ
グローリア:普通に関節を外して挑もうとするのが間違いなんだよ
ユフィーリア:躊躇いもなく関節を外したよな
ユフィーリア:あれ嵌めるの?
エドワード:まあ、嵌めればいいんじゃない?
エドワード:リリアちゃん先生に怒られそうだけどね
ユフィーリア:泣きながらトドメを刺すんだよな
ユフィーリア:でも異常に治癒力高いから平気だよ多分
ユフィーリア:ほらあんなにぐにゃぐにゃになってもまだ生きてる
エドワード:足とか手とかどうなってんの?
エドワード:再現度高いなぁ
グローリア:気持ち悪い
グローリア:あれ、ハルア君って人間だっけ?
ユフィーリア:疑ってる
エドワード:人間だよ、ちゃんと
エドワード:多分
グローリア:多分って言った!!
グローリア:ねえ、多分って言ったよ!?
ユフィーリア:いや、アタシらも自信ねえんだよ
ユフィーリア:何でぐにゃぐにゃになりながら生きてられるの?
エドワード:俺ちゃんも自信無くなってきた
エドワード:怖いんだけど
ユフィーリア:あ、何かあの白いくねくねした奴が消えたな
ユフィーリア:ハルのぶっ飛び具合についていけなくなったな
エドワード:ざまあみろ
グローリア:どうやって勝ったと思えるんだ
グローリア:ハルア君が人間を辞めたのに
ユフィーリア:いいじゃねえか、幻覚が消えたんだし
ユフィーリア:これでお前も安心して眠れるということで
グローリア:ねえ
グローリア:僕の幻覚だと思いたいんだけど
グローリア:廊下の奥に何かくねくねしたものが見えるんだけど
ユフィーリア:あれ、ハルがやっつけたはずなんじゃねえの?
ユフィーリア:違うわ
ユフィーリア:校舎内に戻ってきたハルだわ
エドワード:あの状態で戻ってきたんだ
エドワード:くねくねっていうか、廊下を這ってる
ユフィーリア:移動できるのは何で?
エドワード:知らん
グローリア:悪夢を見ているみたい
グローリア:嫌だな
ユフィーリア:集団幻覚もおさまったことだし
ユフィーリア:今日はちゃんと早く寝ろよ
ユフィーリア:夜中まで仕事をしていたらハル(関節を外した姿)を派遣させるからな
エドワード:今ならショウちゃん(真っ白な着物姿)も派遣するよ
グローリア:死神とお化けを両方派遣するんじゃないよ
グローリア:早く寝るってば
グローリア:もう眠いし
ユフィーリア:お、じゃあ首をトンッてすれば寝るか?
グローリア:いいことを教えてあげようか
グローリア:それは気絶って言うんだよ
エドワード:ねえ
エドワード:何か白くてくねくねしたものが中庭に3つぐらい出てきたけど
エドワード:あれは何?
グローリア:君の幻覚だよ
ユフィーリア:お前の幻覚だよ
エドワード:集団幻覚、再び
エドワード:お昼寝しよ
《登場人物》
【ユフィーリア】徹夜はしない主義。眠れない時は普通に酒を入れて眠くなったところで寝る。
【エドワード】健康の為に徹夜はしない主義。眠れない時は夜食で腹を満たしてから眠る。
【グローリア】仕事に夢中になって徹夜をしてしまう主義。なので問題児から襲撃されるし、徹夜をしすぎると幻覚も見る。