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【指です、指です、1つ飛ばして臍の緒です】

グローリア:君、パズルとか得意だよね?



グローリア:立体パズルあげるから解いて教えてくれる?



ショウ:パズル?



ショウ:用務員室に送り込まれたものは血塗れの木箱ですが



ショウ:貴方の目は節穴ですか?



グローリア:ほら、複雑に木が組み合わさっているからパズルでしょ?



グローリア:君は頭がいいんだから出来るでしょ



ショウ:この血塗れの木箱をパズルと宣う魔法使いの常識を疑いたくなりますね



ショウ:父さんに言いつけたらどうにかならないかな



グローリア:焼き土下座何秒で通報を止めてくれる?



ショウ:冗談はさておいて



ショウ:血塗れの木箱を開ければいいんですか?



ショウ:鼻がもげそう



グローリア:ユフィーリアは?



グローリア:彼女なら拳で開けそうじゃない?



ショウ:アイゼさんのマッサージを受けて死んでいます



ショウ:死者蘇生できるまで数十分はかかりますね



グローリア:ご愁傷様



ショウ:殺しますよ



ショウ:エドさんは血生臭い木箱のせいで居住区画にこもってしまったし



ショウ:本当に何てものを送り込んでいるんですか



ショウ:ユフィーリアに言いつけますからね



グローリア:尻に氷柱か、それとも女装かな



グローリア:パズル解けた?



ショウ:脈絡



ショウ:解ける訳ないじゃないですか



ショウ:スライドする部分もなければ回転する部分もなし、埋没する部分もなし



ショウ:どこからどう見ても箱です、パズル要素なんてない



グローリア:君の冥砲(めいほう)ルナ・フェルノは一体何の為にあるの?



ショウ:そもそもこれ何ですか



グローリア:何だっけ? 小鳥の箱だっけ?



グローリア:何か神妙な表情のお爺ちゃんが持ってきたんだよね



ショウ:これ鳥籠ですか?



ショウ:中の鳥さん死んでますよ



ショウ:だから血塗れなのか



グローリア:あー、中で小鳥が死んでるのか



グローリア:じゃあそれお墓なのかな?



ショウ:開けて死体を確認します?



グローリア:開けられるの?



グローリア:開けられないって言ったじゃん



ショウ:何を言っているんですか、ハルさんに破壊を頼むんですよ



ショウ:ハルさんなら壊せる



グローリア:ああ、壊せそうだね



グローリア:じゃあお願いできるかな



ショウ:わかりました



ショウ:壊しました



グローリア:早すぎない?



ショウ:ハルさんが全力で廊下の壁に叩きつけて壊しました



グローリア:壁が無事じゃ済まなさそう



グローリア:どうなってる?



ショウ:どちらのことを言ってます?



グローリア:両方



ショウ:では壁から



ショウ:木箱が血塗れだったのでいくらか血糊がつきましたが、まあ凹んではないですね



ショウ:拭けば何とかなるのではないかと



グローリア:箱自体が血塗れだったもんね



グローリア:箱の方はどうなの?



ショウ:爆散しました



ショウ:中身も散らばりましたが、報告要ります?



グローリア:うん



グローリア:お願い



ショウ:ではまずは



ショウ:指です



グローリア:ゆび



グローリア:指?



ショウ:指の第一関節ぐらいですかね



ショウ:本当に指の先っちょだけです、どこの指でしょう



ショウ:中指かな?



グローリア:他には?



ショウ:指です



グローリア:また指



ショウ:小さな指ですね、赤ん坊の指先みたいな



ショウ:小さすぎて指で押し潰してしまいそう



グローリア:他には?



ショウ:指です



グローリア:指以外にないの?



グローリア:報告が単調すぎない?



ショウ:事実を述べているだけでそんな扱いを受けるのが甚だ遺憾



ショウ:あとで殴ります



グローリア:暴力に訴えるのよくないよ



グローリア:指ねぇ、そんなに指を詰めて何になるんだろう



ショウ:あと指先が3本ほどありましたね



ショウ:片手の指を超えました



グローリア:指が6本も入ってたの?



グローリア:やだなぁ



グローリア:他にはないの?



ショウ:あとは(へそ)の緒ですね



グローリア:へそのお



ショウ:ハルさんが珍しがっています



ショウ:ハルさんは見たことないんですかね



グローリア:知らんがな



グローリア:でも臍の緒に指かぁ



グローリア:ああ、そっか



グローリア:それ呪具か



ショウ:呪いの道具ってことですか?



グローリア:うん



グローリア:身体の一部が詰め込まれていると、呪いの道具として機能するんだよね



グローリア:開けられなかったのはそのせいだったかぁ



ショウ:とんでもねーもんを開けさせないでくださいよ



ショウ:どうするんですか、これ



ショウ:呪われちゃったらどう責任とってくれるんですか



ショウ:ユフィーリアに通報か、父さんに通報か、学院長室を吹き飛ばすのか選べ



グローリア:怒涛じゃん



グローリア:凄い怒っているのが目に見える



ショウ:驚くほど他人事



ショウ:やはり学院長室を吹き飛ばすしかなさそうだ



ショウ:ハルさんが



グローリア:ハルア君は洒落にならないんだけど



グローリア:土下座何回で済ませてくれる?



ショウ:燃え盛る炎腕(えんわん)を設置するので、その上で焼き土下座3分間です



ショウ:学院長の土下座焼きですね



ショウ:不味そう



グローリア:美味しく料理されちゃう



グローリア:でも大丈夫でしょ、ユフィーリアいるし



グローリア:彼女なら簡単に呪いを解いてくれるよ



ショウ:遺言はそれだけですか?



ショウ:ハルさんが学院長室に行きましたよ



グローリア:止めてくれる?



グローリア:我が家がなくなるんだけども



ショウ:知ったこっちゃないですよ



ショウ:小鳥の箱とか可愛いことを言っておきながら、コトリバコじゃないですか



グローリア:あ、何かそんなことを言ってた気がする



ショウ:このボケ老人が



ショウ:ハルさんに半殺しにしてもらおうかな



グローリア:君、何か身体に変化はある?



ショウ:俺で実験しようとしてます?



ショウ:ふざけないでほしいんですが



ショウ:やはり焼き土下座をさせるしかないか



グローリア:その口振りからして、何の変化もなさそうだね



グローリア:ユフィーリアに呪われずに済んだ



ショウ:本気で言いつけます



ショウ:確かに呪いの影響はなさそうですね、手足も大丈夫だし寒気もしません



ショウ:ただ学院長に対する殺意だけは凄いです



ショウ:ハルさんが帰ってきてしまった



グローリア:ハルア君は方向音痴だからね



グローリア:でも帰巣本能は働くんだ



グローリア:真理だね、これ



ショウ:ハルさんが凄く凹んでいる



ショウ:ハルさんを慰めよう、学院長室に行けなくて可哀想に



ショウ:あ



グローリア:何?



グローリア:何なの?



グローリア:ショウ君?



グローリア:ねえ返事してよ



グローリア:呪いの道具でやられちゃった?





 ――ショウがユフィーリアを招待しました。


 ――ユフィーリアが参加しました。





ユフィーリア:ようグローリア



ユフィーリア:大事な嫁に何してくれてんだ?



グローリア:ユフィーリア、こんにちは



グローリア:ところで今日はいい天気だよ



ユフィーリア:殺しに行くね



ユフィーリア:今、用務員室を出発した



ユフィーリア:鋏も切れ味が良さそうだな



ユフィーリア:身体が驚くほど軽い



グローリア:絶対にアイゼルネちゃんが原因だね



グローリア:話し合いの余地はある?



ユフィーリア:ないですね



ユフィーリア:大人しく殺されろ



グローリア:その前に逃げるか



グローリア:今のうちに逃げれば



ユフィーリア:みーつけた



ショウ:悲鳴が聞こえたな



ショウ:誰か仕留めたか?



ユフィーリア:元凶を始末した



ユフィーリア:念の為、呪われていないかハルと一緒に見てやろうな



ショウ:ありがとう、ユフィーリア



ショウ:やはり貴女は最高の旦那様だな



ショウ:夜はたっぷりサービスするからな



ユフィーリア:器用だな、寝言を文章にするなんて



ショウ:違うのだが

《登場人物》


【ショウ】いきなり血塗れの立体パズルを押し付けられた女装メイド少年。指先とか血塗れの立体パズルを見ても冷静でいられたのは学院長に対する殺意のせい。

【グローリア】このあと中庭で首から下を埋められた状態で放置される。アイスの棒に『学院長、ここに眠る』と書かれていた。問題児筆頭を怒らせた末路である。


【ユフィーリア】従者にやるマッサージのおかげで身体が軽くなった魔女。そのため学院長を問答無用で無力化し、中庭に埋めるまでしてきた。

【ハルア】ショウの先輩。方向音痴のため1人で学院内を歩けないが帰巣本能がある。

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― 新着の感想 ―
[良い点] やましゅーさん、こんにちは!! 新作、今回も楽しく読ませていただきました!! 今回のテーマがあの「コトリバコ」と聞いて、読んでみたら想像をはるかに超える面白さとハチャメチャな展開、そして…
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