【夜食は罪だぜカンカンカン】
ユフィーリア:いま
ユフィーリア:おとがした
ユフィーリア:へやのそと
エドワード:今何時だと思ってんだ
エドワード:眠いんだよ
ユフィーリア:見に行ってこい
ユフィーリア:アタシは怖くて行けねえ
ユフィーリア:カンカンとか聞こえる
エドワード:おやすみ
ユフィーリア:ふざけんな
ユフィーリア:寝るんじゃねえ
ユフィーリア:起きるまで送り続けるからな
ユフィーリア:ひゃっほう
ユフィーリア:うえーい↑↑
エドワード:安眠妨害
エドワード:こいつ殺そうかな
ユフィーリア:見に行けってば
エドワード:クソがよ
エドワード:この暴君が
ユフィーリア:寝起きでアホほど性格悪いのウケるわ
ユフィーリア:いいから行ってこい駄犬
エドワード:クソがよ
エドワード:でも何かいい匂いがする
アイゼルネ:知らない間にメッセージが溜まっていた件について
アイゼルネ:部屋の外の音はおねーさんよ
アイゼルネ:お腹が減っちゃったからお夜食を作ってたの
ユフィーリア:解決したわ
ユフィーリア:夜食って何作ってたの?
エドワード:卵の匂いがする
アイゼルネ:無性に卵が食べたくなったのよ
アイゼルネ:何かいい夜食ないかしら
エドワード:あれは? 白麺
エドワード:茹でるだけだし
ユフィーリア:白麺食うならアタシも食おっかな
ユフィーリア:卵使うならいい方法がありますぜ旦那
エドワード:旦那じゃねえんだよな
エドワード:でも白麺食べるなら俺ちゃんも食べたい
ユフィーリア:よしじゃあ居間に極めて静かに移動を開始します
エドワード:らじゃ
アイゼルネ:本当にぬるりと来たわね
アイゼルネ:夕飯も普通に食べていたじゃないの
ユフィーリア:深夜の白麺は罪の味なんだぜ
エドワード:そうよ
エドワード:一緒に罪を犯しましょうね
アイゼルネ:合流したのに何でメッセージ機能でお話ししているのかしらね
ユフィーリア:未成年組が起きるからだろ
ユフィーリア:白麺食ったなんて言ったら拗ねそうじゃん
アイゼルネ:一理ある
ユフィーリア:だろ?
エドワード:メッセージ機能で会話するのは妥当な作戦ってワケ
エドワード:常識だね
アイゼルネ:大人の特権よね
ユフィーリア:白麺茹でるわ、お前ら未成年組が起きないように見張ってて
エドワード:りょ
アイゼルネ:りょ
エドワード:用務員室から何か音がしなかった?
エドワード:カンカンみたいな
ユフィーリア:アタシは茹でてる麺から目を離せないからお前ら行ってきて
エドワード:怖いだけじゃんね
アイゼルネ:見に行きましょうね、エド
エドワード:巻き込まれた、畜生がよ
ユフィーリア:お前は獣人だろ
ユフィーリア:ほれ、そのご自慢の筋肉は何の為にあるんだよ
エドワード:少なくとも肉壁ではないことは確か
ユフィーリア:焼豚もつけよう
エドワード:我らが魔女様のご随意に
アイゼルネ:現金な子よね
ユフィーリア:何かアタシが作る焼豚、こいつに気に入られてんだよな
ユフィーリア:作り方教えたんだけど
エドワード:俺ちゃんが作ってもあんまり美味しくない
エドワード:何あの味の黄金比
ユフィーリア:雪塩と宝石粉砂糖、発酵大豆黒油を使ってるだけだけど
ユフィーリア:教えたもの以外は入れてねえのに
ユフィーリア:てか音の正体はどうなった?
エドワード:それなんだけどねぇ
エドワード:ユーリの机の上に女の人が正座してたよ
アイゼルネ:眼球いっぱいに釘が打たれてたわよ
エドワード:金槌みたいなもの持ってるね
エドワード:それがカンカンって音の正体だね
ユフィーリア:ふざけんなよ
ユフィーリア:アタシの机の上で何してんだそのアバズレ
ユフィーリア:おいエド、ちょっと調理場代われ
ユフィーリア:思い知らせてやる
エドワード:いいけど何するの?
エドワード:ユーリ幽霊苦手なのに
ユフィーリア:アタシのことを何だと思っていらっしゃる?
アイゼルネ:幽霊の前では無力
ユフィーリア:正解
ユフィーリア:しかし今は怒りの方が上回っている
エドワード:何する気だ本当に
ユフィーリア:突撃、お前が晩御飯
エドワード:おいそいつを夜食にする気か
エドワード:止めろ馬鹿
アイゼルネ:机の上に正座した女の人にユーリが突撃したわ
アイゼルネ:胸ぐら掴んで、眼球に突き刺さったでっかい五寸釘を抜こうとしてる
アイゼルネ:女の人とユーリの取っ組み合いが繰り広げられる
エドワード:何してんだあいつ
アイゼルネ:ユフィーリア「おらぁ、その釘抜かんかい!!」
アイゼルネ:ユフィーリア「抜いたらァ!!」
アイゼルネ:女の人「やめて」
エドワード:怒りが上回ると大変なことになるって本当だね
アイゼルネ:五寸釘が抜けましたね
アイゼルネ:抜けたの割と面白い
アイゼルネ:血塗れの五寸釘を勝ち誇ったような表情で掲げている
アイゼルネ:ショウちゃんが見たら悲鳴でも上げそう
エドワード:上げないでしょ
エドワード:せいぜい歓声よ
エドワード:ショウちゃん「ユフィーリア格好いい……!!」
ユフィーリア:これで出汁取れねえかな
エドワード:鍋に入れたらお前のことを具材にしてやるよ
ユフィーリア:焼豚やらんぞ
エドワード:命拾いしたな
アイゼルネ:食べ物に釣られてる
アイゼルネ:結局あのカンカンしてた女の人はどうなったの?
ユフィーリア:五寸釘を抜いたら消えたよ
ユフィーリア:クソがよ
ユフィーリア:アタシの机の上で正座するような真似するからこうなるんだ
エドワード:五寸釘で思い出したけど
エドワード:ショウちゃんが「丑の刻参り」とか言ってたな
エドワード:呪いの代表例だっけ?
ユフィーリア:あるよ、そんな話
ユフィーリア:儀式終了まで誰にも見られちゃダメな奴
ユフィーリア:釘で人形を打ち付けることから呪うんだよ
アイゼルネ:さすが特級呪術師の資格を持っているだけあるわね
アイゼルネ:五寸釘って丑の刻参りでよく使われる釘よね?
アイゼルネ:抜いてよかったのかしら
ユフィーリア:呪いたければ呪ってみろよ
ユフィーリア:アタシを誰だと思ってんだ
エドワード:あらゆるものに終わりを告げる【世界終焉】様だね
エドワード:ユーリを呪う時点で無理ゲーなんだよなぁ
ユフィーリア:ところでエド
ユフィーリア:お前の机の上にも同じような人が出てきたよ
ユフィーリア:楽しいね
エドワード:ユーリ、白麺の茹で具合を見ててくれる?
エドワード:もうすぐ茹で上がりそう
ユフィーリア:ついでにトッピングまで済ませるわ
ユフィーリア:煮卵いくつほしい?
エドワード:2個
エドワード:消してくる
アイゼルネ:凄い鬼の形相で用務員室に突撃するエド
アイゼルネ:空っぽの眼球でさめざめと泣く女の人の眼窩に指を突っ込んで、用務員室の外に投げ飛ばしたわ
アイゼルネ:何でそんな乱暴が出来るのよ
ユフィーリア:問題児なもので
ユフィーリア:アイゼ、出来たぞ
ユフィーリア:とっとと食え
アイゼルネ:おねーさんの白麺、スープが透き通ってるわ
アイゼルネ:魚介?
ユフィーリア:鶏骨
ユフィーリア:あっさり風味で食べられるだろ
エドワード:俺ちゃんのは?
ユフィーリア:アイゼの作ったから次
ユフィーリア:豚骨でこってりしていい?
ユフィーリア:アタシと同じの食おうぜ
エドワード:分かってらっしゃる
アイゼルネ:こんな時間からこってりしたものを食べたら太るわよ
ユフィーリア:太るとは……?
エドワード:何のことやら……?
アイゼルネ:おねーさん、自分の体型維持にはそれなりに努力をしているけれど
アイゼルネ:ユーリとエドはどうしてこんなに食べても太らないのよ
アイゼルネ:恨みたいわ
ユフィーリア:魔力痩せしやすいもんで
エドワード:普段から筋トレしてるからね
アイゼルネ:ずるいわ
ハルア:おいしそうなにおいがするね
ショウ:おれたちにないしょでおはなしですか
ユフィーリア:やべバレた
エドワード:声出た
アイゼルネ:隣で甲高い声が聞こえたと思ったら
ユフィーリア:ハルとショウ坊は腹減ったか?
ユフィーリア:豚骨でこってり白麺食う?
ハルア:たべる
ショウ:卵乗せてほしい
ユフィーリア:はいはい
アイゼルネ:太るわよ、2人とも
ショウ:この前体重計に乗ったら55キロでした
ショウ:もう少し太りたいです
ショウ:目指せ60キロ
ハルア:オレ太ったことないから分かんない
アイゼルネ:ユーリ、さっきの五寸釘ある?
アイゼルネ:貴方たちに打ち込むわ
ユフィーリア:恨むのは勝手だけど敵うと思ってんのか
アイゼルネ:問題児に呪いあれ
《登場人物》
【ユフィーリア】夜食は麺派。味がこってりしたものを食べたい。
【エドワード】夜食は握り飯派。肉巻きおにぎり最高。
【アイゼルネ】夜食はおつまみ派。晩酌をしていたら参加する。
【ハルア】夜食はお菓子派。隠れてコソコソ食べるのが背徳の味。
【ショウ】夜食はお菓子派。前にハルアに誘われて深夜のお菓子を食べたら最高に美味しかった。