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【事故って回ってもう1回】

ユフィーリア:今日さ、買い物があってビーストウッズに行ったんだよ



エドワード:ショウちゃんが寂しがってたよ



ユフィーリア:下着買うから付き合わせたくなくて



ユフィーリア:ショウ坊に今度デートしようなって言っといて



エドワード:りょ



ユフィーリア:アイゼは用事があるから先に帰ったし



ユフィーリア:本屋でも寄って、お土産のおやつも買って、まあ大量に荷物があった訳よ



ユフィーリア:重いし荷物を郵送する場所まで距離があるから、国内を移動する乗合馬車を利用しようかと思って待ってたんだよ



エドワード:うん



ユフィーリア:来るじゃん、乗合馬車



ユフィーリア:ぎゅうぎゅうに詰まってんのよ、人が



ユフィーリア:なのに「あと1人乗れますよ」なんて言うんだよ



エドワード:乗ればいいじゃん



エドワード:ぼっちなんでしょ



ユフィーリア:そう思うじゃん





【大量の荷物を抱えたユフィーリアの自撮り写真】


【足元に積まれた大量の荷物】





ユフィーリア:これで乗れると思うか?



ユフィーリア:アタシ+荷物で実質2人分だわ



エドワード:買いすぎなんよ



ユフィーリア:それはそう



エドワード:じゃあ乗らなかったんだ



ユフィーリア:「テメェの目は節穴か?」って言って御者の奴を追い返した



ユフィーリア:そしたら乗合馬車が目の前で別の乗合馬車に突っ込んで事故った



ユフィーリア:クソウケる



エドワード:目の前で事故を目撃した人間の発言じゃないんだよね



ユフィーリア:他人が死のうが関係ないな



ユフィーリア:人間はいつか死ぬんだよ



エドワード:お前さん死なないじゃんね



ユフィーリア:確かに



エドワード:じゃあまだ待ってるの?



ユフィーリア:また乗合馬車が来た



エドワード:お、今度こそ乗れる?



ユフィーリア:「あと1人乗れますよ」って言うぎゅうぎゅう詰めの馬車



ユフィーリア:どうやら荷物なんて眼中にないらしい



エドワード:どうしてもユーリを乗せたいんか



エドワード:執念深いね



ユフィーリア:「お前は荷物が見えてねえのか」って言って追い返した



ユフィーリア:空いてる馬車を寄越せよ



エドワード:すぐに来そうだけど



ユフィーリア:また乗合馬車が事故ったな



ユフィーリア:今度は馬が暴れてひっくり返った



エドワード:また?



エドワード:多くない?



ユフィーリア:流行ってんのかな



ユフィーリア:ここまで来ると意地でも乗合馬車に乗りたいな



エドワード:空いてるの来い



ユフィーリア:お、次の乗合馬車



エドワード:どう?



ユフィーリア:すし詰めですね〜



ユフィーリア:「あと1人乗れますよ」じゃねえんだよボケ〜



ユフィーリア:荷物が多いのにそんなすし詰めの馬車なんて乗れる訳ねえだろうがよ



エドワード:追い返した?



ユフィーリア:「アタシの姿が見えるのか?」って言って追い返した



エドワード:事故った?



ユフィーリア:近くが工事現場だったようで、上から瓦礫が降ってきて馬車が潰れた



ユフィーリア:悲鳴の大合唱だぜ



エドワード:うーん、この



エドワード:馬車の方は意地でもユーリを乗せたそうだし



ユフィーリア:誰が乗るか、こんなすし詰め馬車



エドワード:次来た?



ユフィーリア:来たな



エドワード:何て断った?



ユフィーリア:もう誰か乗りましたよって言った



エドワード:じゃあ事故った?



ユフィーリア:爆弾が積まれてたみたいで爆発したな



ユフィーリア:汚え花火だ



エドワード:「あと1人乗れますよ」→ユーリが断る→事故るの無限ループ



エドワード:無限ループって怖いね



ユフィーリア:どんどん事故死する人間が可哀想



ユフィーリア:親父さんの冥府の裁判が大変そうだなぁ



エドワード:そのうちビーストウッズから人間が消えるんじゃないの?



エドワード:そうなったらあの王様の1人舞台かぁ



エドワード:見てみたさはある



ユフィーリア:それな



エドワード:次は?



ユフィーリア:来た



エドワード:何て断った?



ユフィーリア:すちゃらかぷぅって言った



エドワード:事故った?



ユフィーリア:誰かの魔法が暴発して岩が降ってきたな



ユフィーリア:馬車が押し潰されてた



エドワード:バリエーションが出てきたなぁ



エドワード:次は何で人が死ぬんだろうな



ユフィーリア:楽しくなってきたな、次の乗合馬車が来ねえかな



エドワード:今まで事故った人はどうなったの?



ユフィーリア:あれ、いつのまにか消えてるな



エドワード:もしかして、その馬車が何度も何度もユーリの待ってる場所を訪れてるんじゃないの?



エドワード:全部同じ馬車



ユフィーリア:まーじか



ユフィーリア:乗ったら終わりじゃん



ユフィーリア:親父さんのところじゃない別のところに連れて行かれる



エドワード:また来た?



ユフィーリア:来ちゃったな



エドワード:断った?



ユフィーリア:御者の奴が髭の男なんだよな



ユフィーリア:「髭の男が御者だと信用できないから乗らない」って断った



エドワード:事故った?



ユフィーリア:人体自然発火だーッ!!



ユフィーリア:何か唐突に燃えたな



エドワード:燃えたかぁ



エドワード:次は来た?



ユフィーリア:来たよ



エドワード:すし詰め?



ユフィーリア:当たり前だよな



ユフィーリア:ただ、今度は御者の人が髭から美人な女の人に変わってたな



ユフィーリア:残念ながらアタシには可愛い嫁がいますので……



エドワード:何て断ったの?



ユフィーリア:メイド服を着てなければ嫌ですって答えた



ユフィーリア:金髪碧眼だからリリアに似てる



エドワード:どうやって事故った?



ユフィーリア:横から四輪車が突っ込んだ



ユフィーリア:あ、馬車消えたな



ユフィーリア:これ繰り返してるな



エドワード:御者の人、今度はメイド服を着てくるかな



ユフィーリア:着てきたよ



ユフィーリア:スカートの中身が見えそうなぐらい短いスカートのメイド服



ユフィーリア:可愛いんだけど安っぽいな



ユフィーリア:やり直し



エドワード:可哀想



エドワード:遊ばれてる



ユフィーリア:未だに「あと1人乗れますよ」って言ってくるんだよ



ユフィーリア:「おまけでハンカチもつけます」って言われた



エドワード:特典もつけてきたよ



エドワード:特典に釣られるか?



ユフィーリア:ティッシュもつけてくれるって



エドワード:それで釣られる?



ユフィーリア:ハンカチもティッシュもいらねえって断った



エドワード:どう?



ユフィーリア:横に3回転ぐらいして柱に突っ込んで事故った



エドワード:事故のやり方が派手だな、今回



ユフィーリア:次はどんな感じに出てくるかな



エドワード:何でユーリを狙うんだろうなぁ



エドワード:こんな馬鹿野郎を連れていっても得なんてないよ



ユフィーリア:美女と心中したいのかな?



エドワード:はは



エドワード:ウケる



ユフィーリア:クソがよ



ユフィーリア:あ、また馬車が来たな



ユフィーリア:ジジイがバニーのコスプレしたって気持ち悪いだけだろうがよ!!



エドワード:飲んでた紅茶吐いた



エドワード:何してくれてんだついに



エドワード:文面見せたハルちゃんがスパイダーウォークで用務員室を飛び出したよ



ユフィーリア:くたばれクソジジイって言って追い返した



エドワード:事故った?



ユフィーリア:雷に打たれて黒焦げになってたな



ユフィーリア:そんなのなるかな



エドワード:どうすんの、乗合馬車



エドワード:待ってたらいつまで経っても乗れないよ



エドワード:あと1人乗れますよ馬車に捕まったままだよ



ユフィーリア:心配ない



ユフィーリア:ショウ坊が冥砲ルナ・フェルノで迎えに来てくれた



ユフィーリア:荷物を送ったらちょっとデートして帰るわ



ユフィーリア:お土産のケーキ、ハルとアイゼで仲良く食えよ



エドワード:さすがぁ



エドワード:で、最後に乗合馬車はどうしたの?



ユフィーリア:ショウ坊が来た時点で素通りされるようになったわ



ユフィーリア:何だったんだよ、最後の最後でしわくちゃのジジイがバニーの格好をしているのを見なきゃいけなかったのか



エドワード:何だもう終わりかぁ



エドワード:面白かった



ユフィーリア:アタシで遊んでたか?



エドワード:全然

《登場人物》


【ユフィーリア】乗合馬車を待っていた魔女。混雑はあまり好きではないので空いている頃を見計らって馬車に乗る。

【エドワード】乗合馬車を待っていた魔女の話し相手になっていた巨漢。混雑していたとしてもその身体のせいで乗れないのは分かっているから乗らない。

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― 新着の感想 ―
[良い点] やましゅーさん。こんにちは!! 新作、今回も楽しく読ませていただきました!! >ユフィーリア:ジジイがバニーのコスプレしたって気持ち悪いだけだろうがよ!! あの怖い話がやましゅーさんと…
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