おまけその1【最初にやってからやってないって話】
ユフィーリア:えー、はい
ユフィーリア:魔法列車に乗って居眠りしたら変な駅に辿り着いた話でもする?
ショウ:どこに行っちゃったんだ
ショウ:今日はエドさんの予防接種の日だろう
ユフィーリア:せやで、狂犬病のな
エドワード:わざわざ言わないでくれる?
エドワード:まだ痛いんだよ、腕が
ショウ:お尻じゃないんだ
ショウ:イヌ科の動物といえば尻に注射をされるイメージ
エドワード:俺ちゃんはまだ人間寄りの獣人だからね、腕で大丈夫なんだよ
エドワード:これ半獣人になったらきつい
エドワード:年齢問わず尻を出す羽目になる
ユフィーリア:だから獣王陛下とか尻を出す羽目になるんだよ
ユフィーリア:まあ、王族だしネコ科だから必要はないかもだけど
ショウ:それで、どこに迷ってしまったんだ?
【きさらぎと書かれた駅名の看板の写真】
ショウ:はい、終わりです
ショウ:用務員室の料理番がいなくなりました
ユフィーリア:待ってショウ坊
ユフィーリア:見捨てないで
エドワード:爆速で見捨てられた
エドワード:笑うしかないかも
ショウ:俺たちがさいはて駅に迷い込んだ時と同じものだ
ショウ:異界駅と呼ばれていて、迷ったら2度と出て来れない
ショウ:残念ながらユフィーリアとエドさんは帰ってこれません
エドワード:決め付け良くない
ユフィーリア:こっちには転移魔法があるから、いつでも帰れるぞ
エドワード:ほら、この万能人間がいるから
エドワード:大丈夫、大丈夫
ショウ:途端に大丈夫そうに聞こえてきた
ショウ:じゃあ大丈夫なのかな
ユフィーリア:とりあえず列車が来る気配がないから線路に降りてみた
【銀髪碧眼の女性が線路に降り立った写真】
ユフィーリア:このまま線路を歩いていっていいのかな
エドワード:次の駅かたすってあるけど
エドワード:あれ、やみだっけ?
エドワード:どっち?
ユフィーリア:知らんよ
ユフィーリア:とりあえず来た方向ってこっちだからあっち行こう
ショウ:メッセージであっちとかこっちとか言われても
ショウ:もしかして音声機能も使ってる?
ユフィーリア:いえす
ユフィーリア:だって打ち込むの面倒くさい
エドワード:線路は文字を打ち込みながら歩くのはきついんだよ
エドワード:足が引っかかりそうになる
エドワード:怖い
ユフィーリア:トンネル暗いな
ユフィーリア:光源魔法で何とか照らしてるけど
ショウ:そこにいると危ないぞおじさんは出てきたか?
ショウ:線路を歩いていると出てくるんだ
ユフィーリア:もしかして片足のないおじさんか?
ショウ:もしかしなくてもそうだな
ユフィーリア:どうするエド
ユフィーリア:遊んじゃった
エドワード:え、どうしようかな
エドワード:これ引き摺ってく?
ショウ:何かやったな
ショウ:何をやったか吐いてくれ
ユフィーリア:オロロロロ
エドワード:オエエエエエ
ショウ:ぶっ叩くぞ
ユフィーリア:暴力という選択肢を取るのか、成長したな
ユフィーリア:いや、トンネルに入った途端に「ここにいると危ないぞ」って声が聞こえてきてさ
ユフィーリア:その声がどんどん大きくなっていって
ユフィーリア:「こうなるぞ!!」って血塗れで片足がないおっさんのドアップよ
ユフィーリア:拳を振り抜いたわ
ショウ:暴力しちゃったか
ショウ:やはり暴力isパワー
エドワード:吹っ飛ばされるよね、当然ね
エドワード:さらにそこへ杖をぶん取ってバシバシ叩くっていうね
エドワード:オーバーキル
ユフィーリア:遊んじゃった
ショウ:遊んじゃった?
ショウ:遊んだっていうレベルではなくないか?
ショウ:お暴力を行使しちゃってるんだ
エドワード:それはもう今に始まったことじゃない
エドワード:あ
ユフィーリア:あ
ショウ:何だ?
ショウ:何を見つけたんだ?
ユフィーリア:トンネル抜けた
ユフィーリア:その先に四輪車が止まってたな
ユフィーリア:知らねえ野郎が「送っていこうか?」だってさ
ショウ:その車には乗ってはダメだ、ユフィーリア
ショウ:乗ってしまうとどこかに連れて行かれてしまう
ショウ:本当に帰って来れなくなってしまうぞ
ユフィーリア:え?
ユフィーリア:そうなん?
エドワード:知らないおっさんが乗ってたから追い出しちゃったけど
エドワード:蹴り出して、今は俺ちゃんが運転手
ユフィーリア:助けてください
ショウ:何でだ
ショウ:何で蹴り出しちゃうんだ
ショウ:いやもうこの際だから暴力は多少目を瞑るとしても
ショウ:何で乗っちゃうんだ、得体の知れない車に
エドワード:四輪車は悪くない
エドワード:俺ちゃんたちは今から風になるから
ショウ:なるな
ユフィーリア:殺される
ショウ:ユフィーリアが先程から絶望した言葉しか発さないのだが
ショウ:そんなに状況が悪いのか?
ユフィーリア:エドは四輪車を運転すると性格が変わるんだよ
ユフィーリア:アタシと2人きりの時だけ
ユフィーリア:ハルとアイゼを乗せてる時はここまで酷くないのに
エドワード:お前さんは死んでも死なないじゃんね
エドワード:飛ばすよー
ユフィーリア:飛ばすなって言ってあああああああああああああ!!
ユフィーリア:ふざけんなよお前ええええええええ!!
エドワード:ひゃっふー
ショウ:想像できてしまうな、悲鳴だけで
ショウ:四輪車でかっ飛ばしたらそれはそれはもう恐ろしいことになりそうだ
ユフィーリア:おいふざけんな何で道なき道を進んでるんだよおおお
ユフィーリア:木を薙ぎ倒すな!!
エドワード:薙ぎ倒してナンボでしょうがよ
エドワード:これぐらい出さなきゃ風になれないよ
ユフィーリア:ならなくていい、ならなくて
ユフィーリア:おえ
ユフィーリア:吐きそう
エドワード:ちょっと
エドワード:運転中にドア開けて吐くのは危ないよ
ユフィーリア:うるせえそう言うならもう少しスピードを
ユフィーリア:おぶぁいきなりハンドルを切るな!!
エドワード:岩は轢けないよね
ユフィーリア:常識を発揮さすなよ非常識野郎がよ!!
ショウ:会話だけで何があったのか分かってしまう不思議〜
ショウ:現実逃避をするしかないかな
ユフィーリア:現実逃避をしないで助けてくださあああああおおおおお
ショウ:発情期の猫の真似かな?
ユフィーリア:違う
ユフィーリア:エドの奴が無理やりハンドルを切ったから振り回された
ユフィーリア:何か轢いたぞ
エドワード:猿でしょどうせ
エドワード:大丈夫だよ
ショウ:何も大丈夫ではない
ショウ:命を奪っているんですよ
エドワード:誰しも死んだら土に還るんだよ
エドワード:それが遅いか早いかだけの話
ユフィーリア:それで説得できるのはハルまでだからな
ユフィーリア:おい待て川だって、それ川だって!!
エドワード:この程度の浅さなら突っ切れる
エドワード:いっくよー
ユフィーリア:スピード出すなよもう!!
ユフィーリア:うおおおお飛べ!!
ユフィーリア:飛んじゃった!!
エドワード:ひゅー、四輪車で空を飛ぶなんて凄いねぇ
エドワード:これぞまさしく本当に風になってる!!
エドワード:お空も綺麗!!
ユフィーリア:やらなきゃよかったと後悔してる
ユフィーリア:鉄の塊が森の上をビュンビュン飛んでるんだけど
ユフィーリア:風が顔に当たって死ぬほど冷たい
ショウ:暴走族に巻き込まれてしまって
ショウ:おいたわしや
ユフィーリア:哀れまないでくれ
ユフィーリア:今、エドをどうやって殺せばいいのか悩んでるところだから
エドワード:え? 俺ちゃんの命秒読み?
エドワード:スピード上げちゃお
ユフィーリア:アクセルベタ踏みはマジできついんだってあばばばばば
ショウ:何か鉄の塊が空を飛んでるな
ショウ:あ
ショウ:校庭に垂直落下した
エドワード:ただいま〜
ユフィーリア:アタシ、生きてる……?
ユフィーリア:足ある?
ショウ:おかえり、ユフィーリア
ショウ:エドさんはハルさんによるプロレス技10連発の刑な
エドワード:俺ちゃんが死ぬってそれ!!
ショウ:それに懲りたらユフィーリアの時でも安全運転を心掛けてくださいね
ショウ:ハルさん、もうエドさんの後ろにいますよ
エドワード:アサシンかお前さんはぐええええ
ユフィーリア:諸悪の根源は去ったな
《登場人物》
【ユフィーリア】四輪車の運転の時は安全運転を心がける。意外と運転は上手だと評判。
【エドワード】経験と慣れから意外と運転は安心感があり滑らかではあるのだが、ユフィーリアを乗せると多少は危険な運転をしてもいいんじゃないかなって気分になる。本性は意外と運転が荒いのだが、迷惑をかけるのはユフィーリアだけ。
【ショウ】将来的には四輪車の免許を取りたい。旦那様が大事なので、頼れる先輩用務員でも余裕で暴力を振るうことが出来る。今回もプロレス技10連発の中に、何回か技をかけた。
【ハルア】四輪車の免許はまだない。自制心があるエドワードと違って、本当にやばい。




