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【3階はないのに3階に行けるっていう真理】

エドワード:男3人でリゾートバイト開催



ハルア:ふうー!!



ショウ:ふうー



ユフィーリア:そういや今日からだっけ、1週間のホテルマンのバイト



ユフィーリア:黒猫店長の紹介だけど、結構いいところのホテルなんだろ?



ユフィーリア:出来たばかりだって聞いたけど



エドワード:凄い綺麗だよ



エドワード:玄関広いし、明るいし、ホテル独特の匂いもするし



エドワード:施設の説明を受けたけど、プールとかエステとかあるみたいだね



エドワード:アイゼが喜びそう



ユフィーリア:調べたらアイゼがめちゃくちゃ行きたがってたよ



ユフィーリア:アイゼ「おねーさんが代わりに行きたかったワ♪」みたいな



ユフィーリア:まあでも黒猫店長からは男手がほしいって言われたし、1週間頑張ってこいよ



ユフィーリア:感想聞かせて



エドワード:今はホテルの掃除してるよ



ショウ:広いから掃除するのが大変だ



ショウ:手分けしている



ショウ:俺は空が飛べるから照明器具を拭いてる



エドワード:俺ちゃんはゴミ捨て



エドワード:大きいけど軽いのばかりだね



ユフィーリア:大変だな



ユフィーリア:しっかり働けよ



エドワード:でもおかしいんだよね



ユフィーリア:何が?



ユフィーリア:普段から掃除しねえからおかしいのか、頭が



エドワード:捻じ切るよ



ユフィーリア:おうやってみろよ



ショウ:喧嘩しないでください



エドワード:話の続きだけど、ホテルの説明を聞いてたんよ



エドワード:始業時刻とか終業時刻とか説明を受けてたんだけど、1個だけ変なのがあって



ユフィーリア:お前の面か



エドワード:助走をつけて思い切りぶん殴るよ



ユフィーリア:すぐに暴力へ極振りするのって何なの?



エドワード:全面的にお前が悪い



ユフィーリア:お前って言ったよこいつ



ショウ:無理やり話を戻すと、3階に行ってはいけないと言われてしまったんだ



ユフィーリア:?



ユフィーリア:何もおかしくなくない?



ユフィーリア:あれだろ、関係者以外立ち入り禁止的な



ユフィーリア:お前らは短期のバイトだから入っちゃダメなのでは?



エドワード:3階がない建物なのに「3階に入っちゃいけない」っていう説明をされるのがおかしいんだよね



エドワード:2階までしか客室がない



ユフィーリア:わ



ユフィーリア:やめろよ



ユフィーリア:いきなり通知で「3階がない建物なのに〜」って来た時のアタシの気持ちを考えたか?



ユフィーリア:もぺって声が出たわ



エドワード:バカじゃん



ユフィーリア:うるせえ



ショウ:1人だったりしたか?



ショウ:そうだとしたら申し訳ないことをした……



ユフィーリア:いや創設者会議中だったからどうでもよかったんだけど



エドワード:どうでもよくなくないね



エドワード:学院長から怒られるよ



ユフィーリア:声出した時点で怒られたわ畜生がよ



エドワード:畜生じゃねえよ獣人だわ



ユフィーリア:知ってるわ



ショウ:そういえばハルさんが静かだな



ユフィーリア:迷ってんじゃね?



ユフィーリア:あいつ方向音痴じゃん



エドワード:壁から生えてくるよ、そのうち



ショウ:生えてくるって何?



ショウ:ハルさんはキノコか何かか?



ユフィーリア:ハルキノコ



エドワード:うるさそう



エドワード:食べたら語尾が全部『!』になる奴ね



ハルア:ここどこ





【お札が大量に貼られた木の扉の写真】





ユフィーリア:み



エドワード:ユーリが蝉みたいな鳴き声と共に霊圧が消えた



ショウ:死んだか?



ユフィーリア:何てこと言う?



ユフィーリア:お前もいきなり何つーもんを上げてきてるんだ



ユフィーリア:怖すぎるあまりグローリアの奴から心配されたんだけど



エドワード:こんなのどこにあったの



ハルア:どこだか分からないから写真撮ったんだよ



ハルア:誰か迎えに来てよ



ハルア:お札と睨めっこして1時間が経過したんだよ



ショウ:1時間も何をしていたんだ、ハルさん



ハルア:お札の枚数は全部で31枚



ユフィーリア:エドと同い年だな



ハルア:これも掃除するべき?



ショウ:ハルさんは何の担当だったか



エドワード:壁のゴミ取り



エドワード:落書き落としとか、ガムを取ったりとか



ハルア:ガム剥がしの要領でお札も剥がせる気がする



ユフィーリア:命知らずか?



ユフィーリア:よし剥がせ、アタシが許す



ユフィーリア:面白そうだから実況しといて



ハルア:らじゃ



エドワード:巻き込むのやめてくんない?



ユフィーリア:ざまあみろ



ユフィーリア:お前らはアタシにエンタメを提供するんだよ



ショウ:貴女がそれを望むなら俺は道化師になろう



ショウ:ハルさん、俺もお札剥がしを手伝う



ハルア:なかなか取れない、爪でカリカリしてる



ハルア:肩パンしたら開かないかな



エドワード:開けようとしてるんだけどこの子



エドワード:俺ちゃんも行くから待ってな



ショウ:発見



ハルア:合流



ユフィーリア:扉どんな感じ?



ハルア:お札剥がしてる



ハルア:ショウちゃんが順調に剥がしてるよ



ショウ:これ楽しいな



ハルア:エドも来た



エドワード:半分以上剥がしてるんだけど



ショウ:これ扉かな



ショウ:取手がないから壁の穴でも塞いでいるような気がする



ユフィーリア:まあ3階がないからそうだろうな



ハルア:あとちょっと



エドワード:あとちょっと



ユフィーリア:意外とすぐに剥がれるな



ハルア:3人がかりだしね



ショウ:あとハルさん、ガム剥がしの液体の使い方を間違えていたんだ



ショウ:わざわざ雑巾に液体を垂らしてポンポン叩いていた



ショウ:無駄な足掻き



ハルア:あれああやって使うんじゃないんだ



ユフィーリア:何でお札を剥がすのに丁寧さを重視するんだよ



エドワード:剥がれたよ



エドワード:全部剥がしたら扉みたいに開いた



エドワード:階段が伸びてるね、上に



ハルア:ないはずの3階



ショウ:無駄に埃っぽいから行きたくないんだが



ショウ:アレルギー発症しそう



エドワード:鼻がやばい



エドワード:痒くて堪らない



ハルア:どうせ3階まであるんだったら3階も掃除しちゃおうよ



ハルア:やだよ実は3階まで掃除しなきゃいけませんでしたってオチだったら



ユフィーリア:階段どんな感じ?



ショウ:木製の階段で凄く狭い



ショウ:エドさんが踏み抜いた



エドワード:この階段弱くない?



ユフィーリア:踏み抜くとかだいぶ脆いな



ユフィーリア:もう全部踏み抜いていけよ



エドワード:言われなくても



ハルア:エドが全部踏み抜くから埃が舞うんだけど



ハルア:オレらどうやって上がればいいの



ショウ:冥砲(めいほう)ルナ・フェルノで運んであげるから



ハルア:ありがと、ショウちゃん



ユフィーリア:3階どんな感じ?



ショウ:客室が並んでる



ショウ:だいぶ古いな、照明器具も蜘蛛の巣が張っているし



ショウ:床に埃が積もっている



ショウ:雪かなってぐらいに積もってる



ハルア:客室開かないな



ハルア:ここも掃除しなきゃダメだよね



ハルア:箒持ってくればよかった



ショウ:羽箒だけでは足りないな



エドワード:雑巾も持ってくればよかった



エドワード:埃臭くてくしゃみが止まらない



ショウ:さっきからエドさんのくしゃみが爆音すぎてうるさい



ショウ:鼓膜が破れそう



ハルア:意外とショウちゃんって辛辣だよね



エドワード:でも客室1つだけ開いてたね



エドワード:開けっぱなしだった



ハルア:ベッドしかない



ハルア:窓から見える月が凄い綺麗



ハルア:満月だ



ユフィーリア:おかしくね?



ユフィーリア:今昼間の3時だぞ



ユフィーリア:月が出るような時間帯じゃねえだろ



ショウ:女の子がいる、ベッドの上に



ショウ:お月見してるな



ショウ:ハルさんが特攻してしまった



エドワード:ハルちゃん「何してんのこんなところで!!」



エドワード:女の子「遊びましょう」



エドワード:ハルちゃん「仕事中だから無理!!」



ショウ:それはそうなんだけども



ユフィーリア:笑って無理だわ



ユフィーリア:親父さんに心配される始末ですよ、アタシは



エドワード:まだ創設者会議してたの



エドワード:話すことあるの?



ユフィーリア:何かまた罪人を終焉させるとか言ってたけど知らね



ユフィーリア:名前を聞いてなかったからそのうち死ぬだろ



ユフィーリア:それよりもその女の子ってのはどうした?



エドワード:女の子「鬼ごっこしましょう」



エドワード:ハルちゃん「仕方ないね!! オマエが鬼ね!!」



エドワード:ハルちゃん「セッツ!!」



エドワード:何でブリッジしながら追いかけるんだ



ショウ:セオリーでは逆ではないかこれ?



エドワード:あ



ユフィーリア:どうしたよ



ショウ:ハルさんが女の子を追いかけていたから、女の子が階段を落ちていった



ショウ:エドさんが全部階段を踏み抜いたから、もうそれはそれは華麗に転げ落ちていった



ショウ:怪我していないかな



ユフィーリア:怪我するどころじゃねえと思うんだよな



エドワード:戻ってきたらやっぱり明るかった



エドワード:あそこの空間だけ何か夜なんだけど、時空が歪んでる?



ハルア:女の子いなくなっちゃった



ハルア:盛大に転げ落ちていったから気絶でもしてるかなって思ったんだけど



ショウ:このお札どうしようか



ショウ:燃やす?



エドワード:お芋買ってきて焚き火しようか



エドワード:ゴミも燃やさなきゃいけないし



ユフィーリア:罰当たり〜



???:もうこないで



ユフィーリア:み



エドワード:また霊圧が消えたな



ショウ:変なのがいたな



ハルア:3階ないって言ってたのに3階に行けたね



ハルア:何これクイズ? オレ馬鹿だから分かんないんだけど



ショウ:分からなくていいんだ、ハルさん



ショウ:どうせ考えたって分からない



ハルア:それもそっか

《登場人物》


【ユフィーリア】階段を踏み外して尻から滑落していったことがある。

【エドワード】今回みたいな木製の階段だけではなく、梯子なんかも踏み抜く。

【ハルア】ショウに教えてもらって四つん這いで階段を駆け降りたら腰を抜かした学院長に説教された。

【ショウ】真っ白なワンピースで髪を振り乱しながら四つん這いで階段を降りたらユフィーリアを泣かせたので、土下座で謝った。

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[良い点] やましゅーさん、お疲れ様です!! 新作、今回も楽しく読ませていただきました!! >【3階はないのに3階に行けるっていう真理】 今回のお話は夜中に読まなければよかったと思うほど、怖いと思…
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