表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

18/27

【旅は道連れ、お前も道連れ】

ユフィーリア:えー、それでは



ユフィーリア:何か知らない玩具みたいな列車に乗っている夢を見てるんだけど質問ある奴いる?



ユーシア:お前は誰だ



ユフィーリア:世界で1番優しい美魔女



ユフィーリア:くだらねえ質問をしてくるなよ



ユーシア:だって俺も玩具みたいな列車に乗ってんだよ



ユーシア:むしろ尻がハマってる



ユーシア:助けろ



ユフィーリア:これは笑いを禁じ得ない



ユフィーリア:いやアタシさ、玩具の列車の最後尾に乗ってるんだけど



ユフィーリア:前に知らねえ野郎どもの後頭部しか見えねえのよな



ユフィーリア:白髪、白髪、金髪、ちなみにアタシは銀髪



ユフィーリア:金髪のお前、オセロだったらお前も白髪だゾ☆



ユーシア:誰が白髪だこの野郎



ユーシア:まだそんな歳じゃねえやい



ユフィーリア:なるほど、尻がハマったのはお前か



ユフィーリア:アタシ、お前の後ろ



ユーシア:なるほどね



ユーシア:確かに美人だけど性格悪そう



ユーシア:男を騙して稼いでそう



ユフィーリア:そんなことしねえよ



ユフィーリア:見てねえくせに



ユーシア:職業柄、目はいいんだよ



ユーシア:後ろなんて振り向かないで見えるから



ユフィーリア:話を変えよう



ユフィーリア:それよりもこの玩具の列車をどうするかだよな



ユーシア:尻がハマってるから動けないんだってば



ユーシア:さっきから抜こうとジタバタしてるのに抜けないの



ユフィーリア:うん見えてる



ユフィーリア:あらあら長い足をそんなにバタバタさせちゃって



ユーシア:ここに狙撃銃があればお前さんの脳天をぶち抜いてるのにな



ユフィーリア:その程度の被害だと生き返るから無駄ですね



ユーシア:怖



ユーイル:やい、先程からうるさいぞ



ユーイル:何故か鬼灯のすまーとふぉんを持ち込んでしまっているし



ユフィーリア:どこにいるどちら様?



ユーイル:オレの前には白髪の男がいるな



ユーシア:じゃあ俺の前じゃん



ユーイル:なるほど



ユーイル:先程からオマエが暴れるたびに列車が揺れるんだ、静かにしていろ



ユーシア:だから尻がハマってるって言っただろうがよ



ユフィーリア:この程度でハマるとか、どんだけ尻がでけえんだよって話だよな



ユーイル:オレもハマってないぞ



ユーイル:小尻で助かったな



ユーシア:誰か拳銃持ってない?



ユーシア:爆薬でもいいよ



ユーシア:この2人の口に爆薬を捩じ込んでやるんだ



ユフィーリア:吹き飛ぶのは頭部だけだからギリギリ生き返ることが出来るな



ユーイル:幽霊に爆薬など通じるものか



ユーシア:神様〜



ユーシア:こいつらの頭に隕石でも落としてください



ユーバ・アインス:【報告】不審な人物からメッセージを受信



ユーバ・アインス:【提案】隕石を降らせることは不可能だが、魔導砲であれば応戦可能だ



ユーシア:何でだよ



ユーイル:消し炭にされる



ユフィーリア:魔導砲はまずい、生き返れない



ユフィーリア:靴舐めます



ユーバ・アインス:【助言】靴を舐めると汚い



ユーバ・アインス:【報告】ところで、当機の臀部が座席に嵌ってしまっていて出られない



ユーバ・アインス:【要請】助けてくれ



ユーイル:よかったな、仲間が出来たぞ



ユーシア:身長が高いとハマるんだよ



ユーイル:オマエ、それはオレをチビだと言いたいのか



ユフィーリア:チビだろうがよ



ユフィーリア:アタシは女の子の平均的な身長だけど



ユーイル:チビではないわ!!



ユーイル:日本男児の平均的な身長と言え!!



ユーシア:お前さん、その名前で日本出身なの?



ユーシア:もしかして偽名?



ユーイル:何か気がついたら幽霊になってた系男子だ



ユーイル:どうせだから第二の人生を謳歌しようと自分の名前をもじった



ユーシア:クソウケる



ユフィーリア:父親の喋り方と同じなんよな



ユフィーリア:お前その歳でおっさんなの?



ユーイル:心を抉ってくるな



ユーイル:オレはいつでも少年なんだよ、心だけはな



ユーバ・アインス:【推定】その精神年齢ではせいぜい10歳前後



ユーイル:オマエ、オレの前にいるだろ



ユーイル:背中を蹴飛ばしてやろうか



ユーバ・アインス:【推測】当機は特殊な金属で作られているのだが、蹴飛ばせば貴殿の足が無事では済まないと思う



ユーイル:今日はこのぐらいで勘弁してやる



ユーシア:負けてんだよ



ユフィーリア:お前が勝ったところなんてねえだろ



ユーシア:ん?



ユーイル:お、駅に着くのか?



ユーバ・アインス:【疑問】駅名で『活け造り』というものがあるのか?



ユーバ・アインス:【補足】当機の知識では、活け造りとは料理名だと記録しているのだが



ユフィーリア:それで正解



ユフィーリア:何か小さな猿が出てきたな



ユーバ・アインス:【嫌悪】当機の周囲をチョロチョロしないでほしい



ユーバ・アインス:【補足】まだ臀部が座席に嵌って動かない



ユーイル:これ知ってるな



ユーイル:猿夢か



ユーシア:お猿さんが出てくるから?



ユーイル:そのお猿さんに酷いことをされると心臓発作で死んでしまうんだ



ユーイル:活け造りだから、オレの目の前の男がバラバラにされると思う



ユフィーリア:鋼鉄の活け造りか



ユフィーリア:素直に不味そう



ユーバ・アインス:【嫌悪】邪魔



ユーシア:うわ



ユーイル:おっと



ユフィーリア:嘘だろ



ユフィーリア:お猿さんを潰しやがった



ユーバ・アインス:【報告】猿を1匹撃破



ユーバ・アインス:【感想】手が汚れた



ユーシア:血が飛び散ってんのよな



ユーシア:中身も飛び散ってるし



ユーバ・アインス:【提案】この猿は必要か?



ユーイル:ください



ユーシア:いらない



ユフィーリア:何で普通に他人へあげようとか思うの?



ユーバ・アインス:【要求】後ろの人物、当機の指を舐めないでほしい



ユーイル:鉄の味しかしない



ユーイル:鉄分だぺろぺろ



ユフィーリア:頭がおかしいのかな?



ユーシア:次のアナウンスが流れたね



ユーシア:抉り出しって言ってたけど



ユフィーリア:また猿が出てきたな



ユフィーリア:抉り出しってことはどこかを抉り出すのか?



ユーイル:食事が増えてくれるのはありがたい



ユーイル:いただきます



ユーバ・アインス:【疑問】背後からバリバリ音がするのは?



ユーシア:お前さんの後ろの奴がお猿さんを頭から食べてる



ユーシア:お前さんが潰したあれだよ



ユフィーリア:それ美味しい?



ユーイル:蜂蜜の味が素敵なパンケーキだ



ユーイル:なかなかいい、オレは甘いものも好きだからな



ユフィーリア:お猿さんの味ってパンケーキなの?



ユフィーリア:考えたら負けっぽい



ユーシア:これ順番で言ったら次の犠牲者は俺じゃん



ユーシア:俺は身体が金属で出来ている訳でもなければお猿さんを頭から食える訳じゃないんだよ



ユフィーリア:必死



ユフィーリア:笑える



ユーシア:笑ってる場合じゃないんだよ



ユーシア:ほらもう次の奴が来たよ



ユーイル:挽肉だとな



ユーバ・アインス:【疑問】挽肉になるのか?



ユーシア:なりたくないんだよ



ユフィーリア:仕方ねえな



ユフィーリア:お前には笑わせてもらったし、助けてやろう



ユーシア:あばばばばばばばばばば



ユーイル:何か悲鳴しか聞こえない



ユーイル:何をやったんだ?



ユフィーリア:挽肉用の刃物がぐるぐる回転する箱が出てきたから、その中に氷柱を突っ込んでみた



ユフィーリア:こいつに襲いかかるかき氷



ユフィーリア:もはや吹雪



ユーシア:殴っていい?



ユフィーリア:後ろまで拳が届く?



ユーシア:覚えておけ



ユーイル:ブーメランが突き刺さっているんだよな



ユーイル:で、最後になるが?



ユーバ・アインス:【報告】次なる駅名は『吸い出し』と言われていたが



ユーバ・アインス:【疑問】どこの部分をどのように吸い出すのか?



ユフィーリア:凄えでかい注射針が飛び出してきた



ユフィーリア:おいふざけんなよ、何だよそれ



ユフィーリア:規模的に言ったらここの4人を全員串刺しにしてお釣りが来るレベルだぞ



ユーイル:でかすぎじゃね?



ユーシア:どうにかしてよ



ユーシア:美魔女なんでしょ



ユフィーリア:冗談で言ったことを本気にしやがって



ユーバ・アインス:【展開】超電磁砲(レールガン)



ユーシア:え?



ユーイル:お?



ユフィーリア:おい待てこっちに砲塔をぶつけられると





 ――ちゅどーんッ!!





ユーバ・アインス:【報告】針の破壊を確認



ユーシア:ついでに列車も破壊されてんのよ!!



ユーイル:今度会ったら祟ってやるからな



ユフィーリア:やべえやべえこれ落ちたらどこに行き着くんだーッ!?





「ふぁッ!?」



 昼寝から目覚めると、かなりの汗を掻いていることが分かった。


 目の前に広がるのは、いつもの物で溢れかえった用務員室だ。部屋の隅に置かれた長椅子で昼寝をしていたら、悪夢に魘されていたようである。

 ただ、その悪夢の内容がすでに思い出せない。あれは一体何だったのか。


 息を吐くユフィーリアに、最愛の嫁であるショウが心配そうに顔を覗き込んできた。



「大丈夫か? 魘されていたが……」


「まあ、平気だよ平気。うん」



 ユフィーリアは額に滲んだ汗を拭い、



「あの野郎ども、今度会ったらタダじゃおかねえ」



 憎しみをたっぷり込めて、夢の中で邂逅を果たした彼らに吐き捨てるのだった。

《登場人物》


【ユフィーリア】世界で最も優しい美魔女。氷の魔法が得意だが、文武両道を地でいく。面白さを優先するあまり他者を巻き込みがちだが、身内への面倒見は非常によろしい。他人相手でもコミュニケーションを取れるほどのコミュ力は持ち合わせる。


【ユーシア】別の世界線からやってきた男性。狙撃の腕前は一級品で、非常に視力がいい。かつて英雄と言わしめたほどの凄腕狙撃手だが、とある事件がきっかけで闇落ち。飄々としながらも冷静沈着な一面を持ち合わせるのだが、この度尻が抜けなくなって焦った。

【ユーイル】別の世界線からやってきた少年。とある建物の怪異に巻き込まれて身体を奪われ、気がついたら幽霊になっていた経緯を持つ。幽霊を食べて食リポをするのが得意。尊大な口調だが根本的には楽しいことが大好きなクソガキ。

【ユーバ・アインス】別の世界線からやってきた機械人形。全身真っ白で、鋼鉄で出来た自立型魔導兵器と呼ばれる戦術兵器。他人の攻撃を模倣する能力と高い防御性能を有しており、この度怪異から脱出するのに一役買った。生真面目で取っ付きにくそうだが、ノリはいい。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] やましゅーさん、おはようございます!! 新作、今回も楽しく読ませていただきました!! 今回のクロスオーバーのお話はずっと楽しみにしていましたが、豪華なキャストの面々に驚きました。そして、…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ