【気分はアイドル】
エドワード:てん
ハルア:そう!!
ショウ:めつ
ショウ:はい、はい
エドワード:てん
ハルア:そう!!
ショウ:めつ
ショウ:はい、はい
ユフィーリア:未読が溜まって120件
ユフィーリア:全部『てん』『そう』『めつ』『はい、はい』で埋まってんだけど
ユフィーリア:どこかで頭の螺子をおなくしになられまして?
ショウ:そこになければないですね
ユフィーリア:ほなしょうがないか〜
ユフィーリア:そうはならんやろ
ハルア:なっとるやろがい!!
エドワード:茶番終了
エドワード:お話よろしいですか、ボス
ユフィーリア:お前がそう言ってくるってことは判断が難しい問題に直面したな
ユフィーリア:何をやらかした
エドワード:やらかした前提で話すのは甚だ不本意
エドワード:いやですね
エドワード:実は遭難しまして
ショウ:そうなんです
ユフィーリア:ショウ坊、お口チャック
ショウ:ジーッ(チャックを閉める音)
エドワード:学院の裏口の扉が建て付け悪いから直しに行ったらさ、ハルちゃんがうっかり外に飛び出しましてね
エドワード:ショウちゃんも追いかけちゃうし
エドワード:仕方ないから外に出ていったら迷いまして
エドワード:助けてください
ハルア:へるぷみー
ユフィーリア:ハル、お口チャック
ハルア:ジーッ(チャックを閉める音)
ユフィーリア:探査魔法で探しに行くから動くんじゃねえぞ
ユフィーリア:アイゼをルージュのところに預けてから行く
ユフィーリア:大人しくしてろよ
エドワード:さすがボス、そこに痺れる憧れるゥ
ユフィーリア:エド、お前が遭難するなんて珍しいじゃねえか
ユフィーリア:未成年組ならまだしも
エドワード:いやねぇ、鼻が効かないっていったら嘘になるんだけど
エドワード:何か変なのが森の中にいまして
エドワード:ここって一応は山の中でしょ?
ユフィーリア:どうした
ユフィーリア:変態でもいた?
エドワード:ショウちゃんが言うには『ヤマノケ』って言うらしいんだけど
エドワード:白くて首がなくて片足しかない変なのがいてさ
ユフィーリア:アタシ帰っていい?
エドワード:助けてください
ユフィーリア:何でこんな暗い時に言うの?
ユフィーリア:出くわしたら世界を終わらせる自信がある
ユフィーリア:いっそ滅ぼすか、こんな世界
エドワード:滅さんでもろて
エドワード:でさ
ユフィーリア:聞きたくない
エドワード:ぶちのめしちゃった訳よ
エドワード:そのヤマノケってのを
ユフィーリア:素直に「何で?」って言葉が出てきた
ユフィーリア:ぶちのめしちゃったって何?
ユフィーリア:怪異を拳で捩じ伏せるタイプの方?
エドワード:実はそう
ユフィーリア:ショウ坊、ハル
ユフィーリア:聞きたいことがあるから喋っていいぞ
ショウ:半年ROMれとか言われるのかと思った
ハルア:空気が美味しいね!!
ユフィーリア:ハルは呼吸まで止めてた?
ユフィーリア:エドがヤマノケってのをぶちのめしたんだって
ショウ:足元でボロボロになった状態で転がっているぞ
ショウ:最初は色白で全裸の変態が襲ってきたのかと思った
ショウ:エドさんの目が死んでた
ハルア:死んだまま殴ってたよ!!
ハルア:まずはボディに強い一撃
ショウ:それから腕を掴んで木にぶち当てる
ハルア:トドメに踏みつけて終了
エドワード:てへぺろんぬ
ユフィーリア:なにひとつとして理解できない
ユフィーリア:多分理解したくないんだな、これ
ユフィーリア:寝よう
エドワード:助けは?
ユフィーリア:頑張って帰ってこい
ハルア:そんなゴムバナナ!!
エドワード:それを言うならゴムタイヤ
ショウ:どれも違います、ご無体なです
ハルア:あれ?
ユフィーリア:お前ら、お笑い芸人にでも転職した?
ハルア:どっちかといえばアイドルの方がいいな!!
エドワード:てん
ハルア:そう!!
ショウ:めつ
ショウ:はい、はい
ユフィーリア:その掛け声は何なの?
ユフィーリア:頭から離れねえんだよ
ユフィーリア:気がついたら「てん、そう、めつ、はいはい」って言ってるよ
ユフィーリア:呪いか?
ショウ:このヤマノケが言ってたんだ
ショウ:女の人と子供に取り憑くんだったろうか
ショウ:多分そんな感じ
ユフィーリア:随分とわやわやしてるな
ユフィーリア:あんまり知らなかった?
ショウ:実はそうだ
ショウ:山なんて嫌いだから
ショウ:虫は多いし暗いし植物鬱陶しいし
ショウ:全部燃やせば解決する?
ユフィーリア:よくないな
ユフィーリア:ショウ坊が大変だから迎えに行こう
エドワード:俺ちゃんとハルちゃんは?
ユフィーリア:自力で帰ってこい
エドワード:泣いた
ハルア:おんなのこみつけた
ユフィーリア:脈絡
ユフィーリア:どんな子?
ユフィーリア:ウチの近くまで来るってことは行方不明者かもしれねえ
【膝を抱えて木に寄りかかり、親指の爪を噛みながら虚空を見つめる金髪の少女の写真】
ユフィーリア:行方不明者にいないか探す
ユフィーリア:なんか言ってるか?
エドワード:てん
ハルア:そう!!
ショウ:めつ
ユフィーリア:コールはもういいんだよ
ユフィーリア:ふざけんな
エドワード:いや本当だって
エドワード:虚空を見つめながら「てん、そう、めつ……」って呟いてるんだよ
ハルア:取り憑かれてるね!!
ショウ:おそらくヤマノケに入られてしまったのではないかと
ユフィーリア:殴って正気に戻せ
エドワード:小さい子にそんなこと出来る訳ないじゃんね
エドワード:妹とおんなじくらいの年齢だよ
ハルア:小さい子には優しいよね
エドワード:誰にでも優しいでしょ
ユフィーリア:寝言は寝て言え
エドワード:殴るぞ
ユフィーリア:ほらそんなこと言う
ユフィーリア:優しくねえな
ユフィーリア:やっぱり置いてこ、ハルとショウ坊だけ連れて帰るからお前は自力で帰ってこい
エドワード:頭が埋まるぐらい土下座するから許して
ユフィーリア:仕方ねえな
ユフィーリア:靴舐めろよ
エドワード:舐めさせていただきます
ユフィーリア:女の子は?
ユフィーリア:まだてんそうめつ言ってるか?
ショウ:女の子「入れた入れた入れた入れた入れた入れた入れた!!」
ショウ:いきなり叫ぶからびっくりした
ユフィーリア:入れたじゃねえんだよな、もうすでに入ってんのよ
ユフィーリア:やり直せ
ショウ:女の子「入ってる入ってる入ってる入ってる入ってる入ってる入ってる入ってる入ってる!!」
ショウ:指摘したら言い直していた
ユフィーリア:そこまで対応できるならもう出てけよ
ユフィーリア:何でまだいるんだよ
エドワード:都合が悪くなったのか、また「てん、そう、めつ……」って言い始めた
エドワード:都合が悪くなるとすぐに逃げる
エドワード:悪い癖だね
ハルア:合いの手を入れてる!!
ユフィーリア:入れんなよ
ユフィーリア:正気に戻すことだけを考えろよ
ショウ:でも炎腕も出してオーディエンスもバッチリOKなんだ
ユフィーリア:なんて?
ユフィーリア:おいエド、状況説明
エドワード:ほい
【蹲った少女を取り囲むようにして腕の形をした炎が召喚されている写真】
エドワード:何の儀式かな?
ユフィーリア:それはこっちが聞きてえわ
ユフィーリア:女の子が怯えてるように見えるんだけど
エドワード:炎腕を見ないようにしてるね
エドワード:燃やされるとでも思ってんのかね
ユフィーリア:だろうな
ユフィーリア:下手すりゃ山火事になる
ユフィーリア:もうすぐ着くから大人しくしとけ
エドワード:はいよ
ハルア:待ってるね!!
ショウ:それでは聞いてください
ショウ:ウマシカウルフルズで
ショウ:てん・そう・めつ☆Hi-Hi
ユフィーリア:やめろ
《登場人物》
【ユフィーリア】気が向いたら山登りはやりたくなる。山を登る理由を聞かれたら「登りたくなった」と答える程度。
【エドワード】ユフィーリアに付き合ってもらって山籠りはしたくなる。1人は絶対に嫌、天気が変わって雷雨になったら帰れなくなる自信がある。
【ハルア】方向音痴なので山登りなんてさせたら絶対に迷子になる。その時はショウに回収してもらうだけ。
【ショウ】疲れるし虫は多いし自然は鬱陶しいので山登りはしたくない。でもユフィーリアがやるなら笑顔で付き合える。




