【仲良く半分こォ!!】
ルージュ:ユフィーリアさん、ちょっとよろしくて?
ユフィーリア:何
ユフィーリア:昼寝を邪魔するな
ルージュ:今は勤務中だということをご存知ですの?
ルージュ:本日、実家の倉庫を掃除していたらミイラが出てきましたの
ルージュ:珍しいミイラですので、どこかに寄贈をと思いまして
ルージュ:ユフィーリアさん、知り合いが多いですから鑑定家とかいらっしゃいませんの?
ユフィーリア:鑑定家ね
ユフィーリア:まあいるにはいるけど
ユフィーリア:ミイラ? どんなの?
ルージュ:今お写真を撮りますの、お待ちなさいですの
ユフィーリア:うい
ルージュ:撮れましたの
ルージュ:送りますの
【身体に首が2つくっついた子供のミイラの写真】
ユフィーリア:こりゃまた珍しいミイラだな
ユフィーリア:とりあえず声をかけてみるけど
ユフィーリア:でもいいのか、そんなに珍しい奴のミイラなんて早々ねえぞ
ルージュ:問題ありませんの
ルージュ:これ、実は不幸を呼ぶミイラですの
ユフィーリア:なんつーもんを見せてきやがる
ユフィーリア:ふざけんじゃねえ
ユフィーリア:不幸になったらどう責任とってくれるんだ
ルージュ:具体的には?
ユフィーリア:嫁が浮気するとか
ルージュ:そうなったら笑ってあげますの〜
ルージュ:貴女のお嫁さんも人間だってことですの
――ショウが割り込んできました。
ショウ:ユフィーリア、安心してくれ
ショウ:たとえ世界が終わろうと、俺が浮気をするはずがない
ショウ:髪の毛1本、血の1滴までユフィーリアのものだ
ショウ:だからそこの血塗れお馬鹿さんの言葉は信じないように
ユフィーリア:ショウ坊、割り込んできたって何?
ユフィーリア:どうやったの、これ
ショウ:気合いと根性と愛と勇気だ
ルージュ:理屈が分からねえですの
ルージュ:ところでこのミイラ、どうするんですの
ルージュ:何かこれを掘り出してきた親戚が発狂し始めたんですの
ユフィーリア:ミュート魔法でもかけてろ
ショウ:これ両面宿儺ではないか?
ユフィーリア:あれ、知ってんの?
ユフィーリア:また怖い話?
ショウ:残念ながらそうだ
ショウ:封印を解いたら呪われるって噂がある
ユフィーリア:ルージュが呪われるぐらいならまあいいか
ユフィーリア:アタシに降りかからなければ
ルージュ:ふざけんなですの
ルージュ:道連れにしてやりますの
ユフィーリア:ばーりあ!!(絶死の魔眼発動)
ルージュ:むかつくんですの!!
ショウ:というか、知っていながらこれを見せたんですか?
ショウ:父さんに通報か、ハルさんによる半分この刑にしますよ
ルージュ:何ですの、半分この刑って
ルージュ:嫌な予感しかしませんの
ショウ:両腕を引っ張って『半分こ』です
ショウ:失敗すると両腕だけもがれますが、成功すると身体が半分になります
ルージュ:貴女のお嫁さん、頭の螺子をどこになくされましたの?
ユフィーリア:そこになければないですね
ユフィーリア:ルージュが呪われたって話で紅茶が美味え
ユフィーリア:少なくともお前が入れるブレンド紅茶よりよっぱど美味い、天と地の差だわ
ルージュ:それはお飲みになりたいということでよろしいですの?
ユフィーリア:頼む両面宿儺、今すぐそいつの紅茶を爆破してくれ
ルージュ:ミイラにそんな力があるとは思えませんの
ルージュ:お届けに行きますの、楽しみにしているんですの
ユフィーリア:終わった
ショウ:今のうちに逃避行の準備でもしようか
ユフィーリア:せやな
ユフィーリア:エドとアイゼに連絡を入れておいて
ショウ:ああ、了解した
ルージュ:部屋が燃えてましたの
ルージュ:何で
ユフィーリア:わろた
ユフィーリア:燃えてるって何?
ルージュ:言葉通りの意味ですの
ルージュ:るんるんで扉を開けたらその先に待ち受けていたのは炎の海
ルージュ:その中央で仁王立ちするハルアさん
ルージュ:ハルアさん「ででんでんででん!!」
ショウ:ハルさん、それは溶岩に沈んでいく奴だ
ショウ:この前映画の話になったから……
ルージュ:七魔法王よりも魔王らしかったですの
ユフィーリア:クソウケる
ユフィーリア:ナイス、ハル
ユフィーリア:あとでフィナンシェ焼いてやろう
ショウ:俺も食べたい!!
ショウ:ユフィーリアのフィナンシェ!!
ユフィーリア:おういいよ、いくらでも作ってあげちゃう
ルージュ:部屋を燃やされたってのに呑気に会話をしてんじゃねえですの
ルージュ:弁償なさい
ルージュ:家具とか色々
ユフィーリア:魔法を使え定期
ユフィーリア:お前の記憶力は何の為にあるんだよ
ユフィーリア:修復魔法を完璧に終わらせる為だろ
ルージュ:そうじゃねえですの
ルージュ:いやどうなんですの
ルージュ:わたくしの記憶力は何故ここまでよろしいんですの
ユフィーリア:まさかの迷っている
ユフィーリア:この光景を親父さんに見せたら楽しいだろうな
ルージュ:やめなさい
ルージュ:屈辱ですの
ショウ:見せたらゲラゲラ笑ってた
ショウ:父さんがあんなに声を出して笑うところを見るのは初めてだ
ショウ:笑顔になってくれてよかった(*´∀`*)
ルージュ:この野郎
ルージュ:よりにもよって第四席に知られるのは屈辱ですの
ルージュ:訴えてもよろしいんですの
ショウ:ではこちらは殺人未遂で告発しましょうね
ショウ:貴女の紅茶は人間を殺せます
ショウ:殺人は罪だと設定したことで自分の首をお絞めになるとは愉快ですね
ルージュ:口喧嘩で勝てない
ユフィーリア:ショウ坊の語彙力はいくつあると思ってんだよ
ショウ:戦闘力53万です
ユフィーリア:何基準?
ユフィーリア:こいつの切れ味の良さは親父さん譲りなんだよ
ユフィーリア:魔法しか勉強してこなかったアタシらが勝てる訳ねえだろ
ルージュ:では魔法の話題を出して疎外感を味わせればいいんですの
ルージュ:まずは魔導書解読学から
ショウ:両面宿儺、ルージュ・ロックハートに痛い目を見せてくれ
ルージュ:甘いんですの、そう二度も三度も引っかから
ユフィーリア:お、何だ放送か?
ユフィーリア:おいルージュ、呼ばれてんぞ
ルージュ:わたくし、問題児と違って他人に迷惑をかけていませんの
ルージュ:何故呼ばれたのでしょう?
ショウ:学院長「ルージュ先生、今すぐ学院長室にお越しください。採集禁止の毒草を摘み取ったことについてお伺いしたいことがあります」
ショウ:何してるんですか
ユフィーリア:お前、ついに法へ触れたか
ユフィーリア:世界法律のくせに
ルージュ:喧しい、わたくしが法律ですの
ショウ:禁止されている毒草を摘み取った事実は消えませんね
ショウ:潔く説教されてきてください
ルージュ:こんな屈辱的な出来事は初めてですの
ルージュ:この恨みは新しいお紅茶の開発を……
ルージュ:そういえば、この両面宿儺はカラカラに乾いていますの
ルージュ:紅茶の材料に出来るのでは?
ユフィーリア:ミイラを紅茶にするのはやめろ
ユフィーリア:本格的に呪われるぞ
ルージュ:うるさいですの!!
ルージュ:この屈辱はどんな手段を使ってでもいいから晴らして
ルージュ:あ嘘
ルージュ:ごめんなさい
ユフィーリア:何があったし
ルージュ:はるあです!!
ルージュ:るーじゅせんせ、えがおのがくいんちょにつれていかれた
ルージュ:なにかあったの?
ショウ:摘んではいけないお花を摘んでしまったようだ
ショウ:ハルさん、今どこに?
ルージュ:まだるーじゅせんせのへや
ショウ:迎えに行くから待っていてくれ
ルージュ:うん
ユフィーリア:気をつけてな
ユフィーリア:ところでこの両面宿儺、どうするかな
ユフィーリア:とりあえずレティシア王国の王立博物館に寄贈しとこ
《登場人物》
【ユフィーリア】いきなり不幸を呼ぶとかいうミイラを見せられた魔女。ミイラなどには耐性はあるので叫ばないが、呪われていたら叫ぶ。
【ショウ】こう言った怖い話の仕入れ先は、大体が元同級生による。淡々とユフィーリアに内容を教えてあげているが、いつも強い旦那様が怯える姿が可愛くて仕方がない。
【ルージュ】魔導書図書館の司書。この度部屋を燃やされたがどっこい生きているし、学院長から正座で説教されて反省文まで書かされたが懲りない。そのうち魔法植物系統の資格を剥奪されそう。
【ハルア】この前、ショウと映画というものの話になって教えもらったネタ。まさかルージュ先生の部屋に放火するとは想定外だったので、当然ながら説教された。




