【今日のお昼は髪パスタ】
スカイ:【急募】7徹したグローリアが朝飯食った時みたいな状態になった人の治し方
ユフィーリア:意味分からん
ユフィーリア:何度読んでも意味分からん
ショウ:ユフィーリアに怪文書を送りつけて困らせるのが趣味なんですか?
ショウ:葬りますよ
スカイ:ショウ君、相変わらず強火じゃない?
スカイ:ボク泣いちゃう
ショウ:ハルさんの方がよかったですか?
ショウ:先程の質問をハルさんに投げかけたところ「殺せばいいんじゃないかな!?」という回答を得られました
ショウ:お役に立ちますか?
スカイ:立たないッスね
スカイ:ナマ言いました
ショウ:よろしい
ユフィーリア:7徹って、この前集団幻覚を見たあの時か
ユフィーリア:アイツ1週間も起きれてたの?
ユフィーリア:馬鹿じゃねえの?
ユフィーリア:そのうち死ぬぞ
ショウ:ユフィーリアが学院長の体調を心配している
ショウ:やはり女神の如き優しさだ
ショウ:学院長は責任を持って俺が寝かせてくるな
ショウ:貴女が学院長を気にしないように
ユフィーリア:ショウ坊、グローリアを寝かせるのに包丁はいるのか?
ショウ:眠らせてくるな、永遠に
ユフィーリア:おやつのクッキーあげるから戻っておいで
スカイ:茶番は終わった?
ショウ:何が茶番ですか
ショウ:俺は本気でしたよ
スカイ:本気で学院長に対する謀反を企てていたんスね、アンタ
スカイ:話を戻すと、実はその学院長に頼まれて呪われた家の調査に来てんスよ
ユフィーリア:ああ、何かイストラの外れにあったんだっけ?
ユフィーリア:ポツンと呪われた一軒家みたいな
スカイ:まあ当然だけど鍵がかかってるじゃないッスか
スカイ:魔法で鍵を解こうかなって思ったんだけど、内側からベニヤ板を打ちつける徹底ぶりで
スカイ:魔法兵器で爆破して突撃する訳にもいかないから、周辺を探してたら窓が割れてたんスよ
スカイ:あ、こりゃ浮浪者でも入ったかなと
ショウ:誰かいました?
スカイ:それがさ
スカイ:窓から侵入したら居間だったんスよね
スカイ:誰かいないかと探していたらさ
スカイ:鏡台があったんスよ
ユフィーリア:解散
スカイ:集合
ユフィーリア:鏡台って聞いた時点で嫌な予感しかしない
ショウ:ユフィーリアの言う通りです
ショウ:解散しましょう
スカイ:逃がさないッスよ
スカイ:付き合ってくれなきゃどこまでも追いかけるッス
スカイ:何てったってボクは現在視の魔眼持ちだから!!
ショウ:それを言ったらユフィーリアは絶死の魔眼ですよ
ショウ:貴方の魔眼など簡単に意味のないものに変えられますが
スカイ:覚えておけよ
ユフィーリア:三下がよく言う捨て台詞を吐くな
ユフィーリア:仕方ねえから聞いてやる
スカイ:ありがとう
スカイ:その鏡台の前にさ、突っ張り棒みたいなの立ててあって
スカイ:その突っ張り棒に髪が被せてあったんスよね
ショウ:もしかして、その高さはまるで人が座っているみたいな高さでしたか?
スカイ:お、ご明察
スカイ:ちょうど座ってるかなって位置に髪がかかってんスよね
ショウ:あー……
ユフィーリア:ショウ坊、なんか知ってんのか?
ショウ:実はそれって元の世界では有名な怖い話で
ショウ:悪習が題材になってるようだ
ショウ:女子は特定の年齢に歯と爪と髪を提供すると、魂だけが楽園の世界に行って肉体は髪を貪るだけの抜け殻に変わるとか
ユフィーリア:え、怖
ユフィーリア:悪習がある時点でまあ、アレだよな
スカイ:だから髪パスタしてんのかー
スカイ:納得
ユフィーリア:その様子だと誰かと一緒に行ったっぽいな
ユフィーリア:誰が犠牲になった?
スカイ:人聞きの悪い
スカイ:ボクの専門じゃない教科だから、呪術の先生についてきてもらったんスよ
スカイ:で、鏡台を見つけたんだけど
ユフィーリア:突っ張り棒の髪を見て腰を抜かしたか?
ショウ:まさか引き出し開けました?
スカイ:ショウ君正解
スカイ:1段目と2段目の引き出しには半紙が入ってて、3段目を見た呪術の先生が唐突に髪パスタをし始めたんスよ
スカイ:むしゃぶり続けて10分
スカイ:そろそろお腹減ってきたな
ユフィーリア:この局面で言うことじゃねえことは確か
ユフィーリア:何で髪をむしゃぶる頭のおかしな奴の隣で「腹減った」とか言えるの?
スカイ:元怠惰の魔王様だからッスね
ショウ:頭のおかしな人は救えませんね
ショウ:もう魂がここではないどこかにいるかと思われます
スカイ:マジかー
スカイ:どうすっかな
ユフィーリア:他の世界から死んだ人間の魂を憑依させれば?
ユフィーリア:異界魂魄降霊魔法だっけ?
ユフィーリア:グローリアがやってた奴
スカイ:あー
スカイ:なるほど、その手があったか
ユフィーリア:連れて行った先生、なんて名前?
スカイ:エレイン先生
ショウ:その人、俺に変ないちゃもんをつけてきた先生ですね
ショウ:メイド服を着ているだけで「男がそんな格好をするんじゃありません、気持ち悪い」とか言ってました
ショウ:叔母さんが生きていたらあの人みたいでしたね
ユフィーリア:副学院長、魔石奢る
ユフィーリア:その敵を葬ってくれてありがとう
スカイ:ありがたき幸せ
スカイ:そんな性格悪かったんスね
スカイ:ボクには普通だったのに
ユフィーリア:弱い奴を見たら標的にしてんだろ
ユフィーリア:実際、アイゼが犠牲になってたし
ユフィーリア:だらしのない格好って言われて凹んでたな
ショウ:赴任したばかりだか何だか知らないが、問題児に自ら喧嘩を売りに行くのは愚かと言えます
ショウ:痛い目を見ることを知らない
スカイ:それはそう
ユフィーリア:エドやハルには言ってこねえのにな
ユフィーリア:アタシとか
スカイ:そりゃ喧嘩を売れば確実にやり返されるからね
ショウ:尻に氷柱を突き刺すまでいきそう
ユフィーリア:氷漬けにして指先からかき氷にしてやるよ
ユフィーリア:楽に死ねると思うな
ショウ:その人どうするんですか?
ショウ:誰か他の魂を下ろすんですか?
スカイ:そのつもり
スカイ:元の性格が悪いから、もう何でもいいや
スカイ:殺すよりマシでしょ
ショウ:まあ、人材は大切ですよね
ユフィーリア:呪術はなー、全体の数が少ないから仕方がねえよな
ショウ:ユフィーリアは教えられないのか?
ユフィーリア:教えられるけど面倒臭い
ユフィーリア:わざわざ何でクソ面倒な呪術の教鞭を執らなきゃいけねえんだよな
ユフィーリア:道具も多い、教える工程も重要、ねちねちした授業内容
ユフィーリア:面倒の極み
ショウ:貴女らしい
スカイ:とりま連れて出るかな
スカイ:この鏡台に何が入っているのか気になるけど
ショウ:やめた方がいいですよ
ショウ:髪パスタをしたいんですか?
ユフィーリア:そうなったら見捨てるね
ユフィーリア:頑張って生きろよ
スカイ:薄情だなー
スカイ:まあね、開けたけど
ショウ:開けちゃったんですか!?
スカイ:うん
スカイ:別に平気
スカイ:髪パスタをするような雰囲気はないッスね
ユフィーリア:何入ってた?
スカイ:人間の手首
スカイ:何か片方が小さいから親子かな?
スカイ:呪いの触媒に手首とか人体の一部って使えるんスよ
ユフィーリア:コイツ持ち帰ってくるつもりか
ユフィーリア:本気かよ
ショウ:魔族だから人間なんて魔法の素材に出来るとでも思ってるんじゃないんですか?
ショウ:倫理観などない
ユフィーリア:愚問だったか
ユフィーリア:副学院長に人間の心はないもんな
スカイ:じゃあ問題児はどうなんスか
スカイ:いやでも、問題行動を起こす割には仲間内は大切にするから人間の心はあるのか
スカイ:悲しくなってきたな
ユフィーリア:悔しかったら人間の心を持てよ
ユフィーリア:他人をエロトラップダンジョンに突き落とすな
スカイ:実験たのちい
スカイ:帰ろう
ユフィーリア:もういいのか?
スカイ:燃やしちゃうからもういいや
スカイ:ボクに呪いは効かないし
ショウ:改めて思うが
ショウ:七魔法王とはチートが多いのだな
スカイ:まあね
スカイ:その前にお昼にツナパスタ食べてこよ
ユフィーリア:え? 髪パスタ?
スカイ:誰が食うか
ショウ:イカスミパスタならワンチャン?
スカイ:ないッス
《登場人物》
【ユフィーリア】副学院長のアホな話に付き合わされた魔女。今日のお昼ご飯にパスタを食べたくなったので、サーモンのパスタを食べてきた。
【ショウ】副学院長のアホな話に付き合ってあげた女装メイド少年。今日のお昼ご飯は空気を読まずにハンバーグを食べてきた。
【スカイ】呪われた家の調査を命じられた副学院長。専門が違うので呪術の先生を連れて行ったら、唐突に自分の髪をむしゃぶり始めたので困惑。当然ながら空気を読まずに好物のツナパスタを食べて帰ってくる強メンタル持ち。




